中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【緊急提言!】中学受験生の親がやってはいけないNG集

入試本番が迫ってきました。

すでに1月受験をした子も大勢いるでしょう。

そこで、この時期に親がやりがちなこと、やってはいけないことについてまとめます。

ねえ、どうだった?

入学試験会場からわが子が出てきました。

緊張で少し強張っていた表情が、母親の顔を見てすこしだけやわらぎました。

「お疲れ様。ねえ、どうだった?」

つい聞いてしまう方が実に多いのです。

しかし、この質問に何か意味はありますか?

 

◆難しくて解けない問題が多かった場合

A:「全然できなかった! すごく難しかった!」

B:「うん、大丈夫。全部解けたと思う」

 

さて、Aと答える子は、きっとお母さんを信頼しているのでしょう。正直に答えていますね。でも、これも子どもの性格によるのです。本当はできているのに、「できなかった!」と答える子、よくみかけます。

さて、そう聞いて、何と答えますか?

「きっと大丈夫よ。ハナコちゃんにできなかった問題なら、他の受験生も解けなかったと思うよ」

何の根拠もないなぐさめですね。そして子どもは、これくらいの「嘘」は見抜きます。

「そうなの? どれくらい間違えたの!」

最悪ですね。子どもを問い詰めて何になるのでしょう?

「お母さん、どうしよう・・・」

泣き出しそうなわが子を見て平常心でいられる自信はありますか?

 

Bと答える子にも、2種類います。問題の難易度すら判断できず、自分の出来具合を自分で把握できない子も多いのです。

「そうなの! それは安心!」

子どもの「できた!」を真に受けることは愚かです。子どもの「出来たと思う!」を信じて、強気の受験を繰り返し最悪の結果を招いた方は大勢います。

「本当? あなたいつもそう言うじゃないの」

子どもを疑うことを隠そうとしない。この時期では最悪ですね。

そして、こう考える子もいるのです。

・・・本当は難しくて解けない問題ばっかりだった。でもそれを言うと、お母さん、ショックをうけるしな。だから、できたって嘘を言うしかないよ・・・・。

子どもにこんな気遣いさせるのですか?

 

◆簡単で全部解けた場合

A:「うん、簡単だったよ」

B:「全部解けたけど。でも間違えたかもしれない」

 

Aのタイプの子は単純でいいですね。でもわが子のこの言葉、素直に受け止められますか?

「あなたはいつもそういうけれど・・・」

子どもの「できた!」「簡単だった!」ほど怪しいものはありません。

Bのタイプの子も多いですね。ケアレスミスを今まで大量に生み出してきたのです。そして、今回もきっとミスしているに違いない、そう思っています。だから、親に対して予防線を張っているのですね。

「本当は満点かもって思うけれど。でも、そう言って不合格だったらまずいよね。だから、間違えたかもしれないって言っておいたほうが安全だよな」

子どもにそんな気を遣わせるのですか?

 

だから、絶対言わないでほしいのです。

「ねえ、どうだった?」

 

子どもにあたる

さすがにそんな親、いるわけないと思いますよね。

子どもにイライラをぶつける親なんて。

しかし、実際にいるのです。

 

タロウ君(仮名)は、第一志望校に不合格で、第3志望校だったA中学に進学することになりました。入試が一段落した頃、タロウ君と母親が、挨拶にやってきたのです。

我々は受験合格請負人にすぎません。だから、入試が終われば、そんな挨拶なんて儀礼は不要なのです。それでも、母親の横で照れくさそうな笑顔を見せている教え子を見るのも悪いものではありません。今まではいつも厳しい「鬼教師」だった我々も、笑顔で心の底から「おめでとう!」と言えるのです。

「タロウ君! おめでとう! よかったな! A中学はいい学校だぞ! あそこはグラウンドも広いから、タロウ君が好きだったサッカーが思い切りできるぞ!」

その時、母親がヒステリックな声でこう叫びました。

「めでたくなんかないわよ!」

周囲が凍り付きましたね。

たしかに、母親としては不本意な進学だったのでしょう。心の中に、さまざまな思いや鬱憤が蓄積していたのでしょう。もしかして我々に対する恨みも積もっていたのかもしれません。しかし、わが子の前で言っていい言葉と、決して言ってはいけない言葉があるのです。

 

親がミスをする

親だって人間です。ミスだってします。

でも、こと受験に関しては、絶対にミスは許されません。

・試験当日、受験票を忘れた

・別の学校の受験票と間違えた

・筆記用具を忘れた

・指定されていた文具(コンパス・定規等)を忘れた

・禁止されていたスマートウォッチをつけさせていた

・入学金決済のタイミングが遅れた

・パソコンが故障した

・暗証番号がわからなくなった

・試験集合時刻を間違えた

・遅刻した

 

すべて過去に実際にあったミスです。

そんなことあり得ない!と笑いますか?

しかし、受験期間中は、子ども以上に親に負荷がかかっているのです。普段ならあり得ないようなミスが起きてもおかしくはありません。

 

以前、入試日朝の激励が行われていた頃の話です。

試験開始時刻は8時半、受験生集合時刻は8時でした。この場合なら、集合時刻15分前くらいが受験生たちのピークです。あまり早く来ても門が開いていなかったり、寒いグラウンドで待たなければならなかったりしますので、私も、あまり早く来ないように指示するのです。それでも私は6時くらいから校門前に立っていました。たまに異常に早く来る子がいるからです。また、塾教師たちの場所取り争いもあります。8時になると、受験生たちの波はぴたりと止まります。周囲にいた塾教師たちも帰っていきました。しかし私は8時半過ぎまで立っていました。タロウ君(仮名)の姿を見かけなかったからです。きっと大勢の受験生たちに紛れていたのでしょう。もう試験はとっくに始まっています。さすがにもう来ないだろう。そう判断して私が校門を出て駅まで歩いていると、向こうから必至の形相の親子が走ってきました。タロウ君と母親です。「車が渋滞して!」母親が息を切らして泣きそうです。私も一緒に学校まで戻り、そこにいらした先生に事情を説明してタロウ君を預けました。「まだ大丈夫ですよ」学校の先生は慣れた様子でタロウ君を教室に連れていってくれました。

あんなに、「受験当日は必ず電車で!」と言っていたのに、どうして車なんか使ったのでしょう。事情を聞くと、少し寝坊したのだそうです。慌てて家を出ようとすると、父親が「車のほうが早いから」と言ったのだとか。そして案の定渋滞にはまったのです。そこで、途中下車して電車に乗ったのだとか。最悪ですね。

 

最近は、複数回入試・午後入試・科目選択型入試が増えました。WEB出願が主流です。しかし、すべての学校の出願スタイルが統一されているわけではありません。ほとんどの学校が三菱総研の「miraicompass」というシステムを使っていますが、各校でそれをアレンジしているのがやっかいです。さらに一部の学校では別のシステムを使っています。

また、合格手続き書類の受け取り方法も、多くの学校がWEB上で合格発表、さらに入学金の納入までネットでできるのが普通ですが、一部の学校では異なります。

◆発表日
(1)日時 2/2 19時~20時
(2)場所 普通部本館に合格者と繰上候補者を掲示。あわせてウェブ発表も実施。(閲覧ソフトによってはウェブ発表を閲覧できない場合がありますが、ご了承ください。なお、発表内容およびウェブ発表についての電話での問い合わせには応じられません。
(3)合格者に「入学手続き書類」を配布します。繰上候補者には「繰上候補者へのお知らせ」を配布します。受験証を提示の上必ずお受け取りください。
書類配布時間内(19時~20時)に書類を受け取らない場合は、事情の如何を問わず「辞退」として処理します。
(4)ウェブでも発表を行いますが、合格者および繰上候補者は来校の上、(3)に従って書類を必ず受け取ってください。

これは慶應普通部の募集要項の抜粋です。この学校も「miraicompass」を採用しているのですが、最後がアナログです。

とくに赤字の部分にご注目ください。合格発表日の合格発表時間がたった1時間、そしてその1時間のうちに「入学手続き書類」を受け取らないと「辞退」とみなされてしまうのです。

学校まで歩いて行ける方以外は、学校近くで19時の発表を待つのですね。そして「合格」となったら、急いで校内に移動する、そういうことになります。あるいは掲示板の前で待機するのです。

今いちど、全ての受験校の募集要項と入学試験の案内を穴の開くほど見て、夫婦でダブルチェックをしてください。

 

あるご家庭では、百均でよく見かけるA4サイズのメッシュケース(透明マチ付きでジッパーで閉じるタイプ)を受験回数分用意しました。「2/2 午後 ◎◎中学」などといったラベルを張ったものをいくつも作り、その中に受験票・筆記用具・ポケットティッシュ等、その学校の受験に必要なものを全て入れておきました。受験当日の朝には、その日に必要になるもの一式がつまったケースを鞄に入れるのです。筆記用具が多数必要になりますが、学校によっては必要な文具類が異なる場合もありますし、なかなかうまいやり方だと思います。なにより当日悩まなくてすむのが最高です。