
これは現在通っている方というよりは、入塾を検討している方からよく聞かれました。
「SAPIXのすごい実績は、他塾から優秀な生徒をかき集めて出している数字だって(今通っている塾から)聞きました。やっぱりそうなんですよね?」
実績が出ていると、こうしたネガキャンと言いたくなるような誹謗中傷を受けるのは仕方がないのかもしれません。
しかし、これは完全に「デマ」の類です。
合格実績を出すやり方
合格実績というのは、塾にとっては最大の宣伝ツールです。だからこそ、各塾はしのぎを削って難関校への実績を競い合うのです。
そのやり方は様々です。
(1)地道に指導し続けることで実績を出す
これが王道です。当たり前すぎるほど当たり前ですし、これ以外のやり方など思いつきません。中学校の入試問題を研究し、それをテキストや授業にフィードバックし続ける。そして毎年の合否結果でそれを修正しながら、よりよい指導を模索する。
これだけが塾に求められることであり、合格実績はその結果にすぎないのです。少なくとも私(と私の知るSAPIXの教師たち)はその思いで授業をしていました。
(2)優秀な生徒を他から集める
・無料テスト
・特待生
・格安特別講座
これらのツールを駆使して、他塾から優秀な生徒の引き抜きを画策する塾などたくさんあります。SAPIXはこれらを一切やりませんが、そのほうが少数派です。
そうして集めた生徒に良い指導を施してくれるのならまだましなのですが、そもそも教師が力を入れるベクトルがずれていますので、指導力には期待できないというのが私の考えです。
(3)合格実績を水増しする
これも多いですね。グループ塾の実績を全て足し算するくらいは可愛いものです。他塾(SAPIX)の優秀な生徒に格安の直前個別指導を行って、「これで実績にカウントできる」とばかりに堂々と数字に足している塾がありますね。
私の教え子も、そうした塾の毒牙(撒き餌?)にかかった生徒などたくさんいました。
その点、SAPIXの合格実績のカウントのしかたは実に正直です。
まだまだ個人情報について牧歌的だった時代、合格者の氏名をちらしに印刷していたのです。今からみると考えられないですね。保護者もそれを誇らしく思い、そこに名前を載せることを目標に生徒も頑張る、そうした時代だったのです。
しかし、もちろん名前を載せてほしくない方もいます。そうした場合にはもちろん載せないのですが、そればかりか、合格者の合計人数からもマイナスとしたのですね。
例えば開成の合格者が100名だったとしても、もし「うちの子はちらしには名前を載せないでください」と言われれば、「99名合格」と広告には出しました。これは実に塾としては「もったいない」のですが、もし氏名を載せていないのに合計人数にはカウントしてしまうと矛盾が生じますので。合格実績を疑われないためにもこの姿勢が徹底されていました。そしてそれは今でも貫かれています。
SAPIXにも「日曜特訓」、通称「SS特訓」と呼ばれる講座があります。しかし、このSS特訓だけを受講する他塾生はほとんどいないのです。各校舎で、1名いるかいないかくらいだと思います。どの塾でも優秀な生徒の引き留めには力を入れますし、SAPIXは成績優秀者に対する優遇措置は皆無ですから。それなら特待制度のある塾のほうに流れるのでしょうね。
また、SS特訓だけ受講しにくる他塾の生徒は、なぜかあまり合格実績は芳しくないという感想を私は持っています。やはり4年生くらいからサピックスに通い続けた生徒のほうが「足腰の強い」学力を身に着けているという実感があります。
噂には惑わされないのが吉
塾選びについては、なかなか「正しい情報」というものが得られません。
塾に尋ねれば、当然自分の塾のことを良く見せるようなトークしかしませんし、場合によっては他塾を貶めるような発言もあるかもしれません。
ママ友情報も、たった1名の経験しかありませんので、客観性に欠ける情報しか得られません。
ネット情報は怪しいものが多すぎます。たとえ「塾比較サイト」のような、一見すると公平な立場で書かれているように見えるサイトでも、実は中身はひどいものです。あるサイトをのぞいてみたところ、「おすすめベスト5」にあげられている塾が、業界での評判が芳しくないところばかりだったのにはあきれたことがあります。お金を出したところの評価が高くなるというのは広告の世界の常識ですから。
(私のこのブログもネット情報には違いありません。なるべくニュートラルな立場を心がけてはいますが、どうしても私の主観が前に出ることはやむを得ないのです。ブログの記事内容から、私の人となりを判断していただくしかないと思います。頑張らねば!)
雑誌の情報も、実はあまりあてになりません。とくにビジネス系の雑誌が中学受験特集の号を出したりしていますが、雑誌の記者が独自に集めた情報は信ぴょう性が高いと思いますが、塾や受験情報の多くが、「専門家」の意見をそのまま掲載していますね。この「専門家」がどういったバックボーンの方なのかには注意しないといけません。
結局のところは、自分で足を運び、自分で直接集めた情報が一番信用できると思います。もし塾を迷っているのなら、まずは直接塾に疑問をぶつけてみるとよいでしょう。