
前回の記事に続いて、小中高生のスマホの話題です。
ネットで「スマホ依存症チェックリスト」と検索すると、さまざまな医療機関が公表しているものが見つかります。そうしたものをいくつか紹介しながら、小中高生の正しいスマホとの距離感を考えたいと思います。
チェックリスト
さまざまな医療機関の「スマホ依存度チェックリスト」を調べてみると、全て共通のものが使われていました。
韓国のKwon, M. 氏らが開発した「スマホ依存スケール(Smartphone Addiction Scale:SAS)」が元になっていたのです。このスケールは、日常生活の障害,期待,離脱,ネット志向性の対人関係,過剰使用,に分類可能な33の質問項目に対して,6件法で回答を求めるものでした。それの短縮版が、下に紹介する「SAS-SV」というものです。
Q.1 スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない
Q.2 スマホ使用のため、(クラスで)課題に取り組んだり、仕事や勉強をしているときに、集中できない
Q.3 スマホを使っていると、手首や首の後ろに痛みを感じる
Q.4 スマホがないと我慢できなくなると思う
Q.5 スマホを手にしていないと、イライラしたり、怒りっぽくなる
Q.6 スマホを使っていないときでも、スマホのことを考えている
Q.7 スマホが毎日の生活にひどく悪影響を及ぼしていても、スマホを使い続けると思う
Q.8 TwitterやFacebookで他の人とのやりとりを見逃さないためにスマホをたえずチェックする
Q.9 (使う前に)意図していたよりもスマホを長時間使ってしまう
Q.10 まわりの人が、自分に対してスマホを使いすぎていると言う
この項目それぞれについて、
☑まったく違う
☑違う
☑どちらかというと違う
☑どちらかというとその通り
☑その通り
☑まったくその通り
の6段階で☑を入れ、総合得点を見てみます。得点は上から順に1点~6点となっています。この得点が男性の場合は31点以上だと「スマホ依存の疑いがある」のだそうです。
そこで私が自分でセルフチェックをしてみました。すべての項目が「まったく違う」になりましたが、その場合の得点は「10点」で、「平均的なスマートフォンユーザー」だと出ました。
試しに、すべての項目を「どちらかというと違う」にしてみたところ、「30点」で、やはり「平均的」だそうです。つまり1つの項目だけでも「どちらかというとその通り」になると31点で「依存症の疑いあり」と判定されるのです。
これを自分の子どもに当てはめてみてください。
また、KDDI総合研究所と東京科学大学が共同研究して開発した「スマホ習慣セルフチェック」というものもありました。
SAS-SVと似ていますが、全く同じではありません。これも家族でやってみるとよいと思います。
ちなみに私がセルフチェックしてみたところスコアは1でした。スコアは1~100までとなっていて、100に近いほど「スマホの利用に注意が必要」となるそうです。私ではあまりに例になりづらいので、生徒の一人(高校生)にやらせたところ、スコアは29でした。まずまず節度ある使い方のようで安心しましたね。
スマホは便利な道具ですが、思春期の健全な成長にはマイナスが多すぎます。
節度ある使い方を説く前に、まずは現状を認識することから始めるべきですね。
そういえば、テレビのクイズ系番組で活躍していた東大生タレントの女性は、高校3年生の1年間は、スマホは解約し、タブレットPCはリサイクルショップで処分して、勉強に専念したのだとか。東大に推薦で合格し、その後司法試験にも合格しています。
ご存じのように、東大の推薦は、私大の推薦とは質が異なります。高校ごとに4人まで(男女は各3人まで)を高校が推薦しますが、その後の厳しい審査でなかなか合格できません。一般入試でも東大に入れる実力がないと(実力があっても)難しいとされています。今年話題になったのは、数学オリンピックの金メダリストの子が推薦で落とされたというニュースでした。その後一般入試で東大に進学したそうです。
目標を持っている子は強いですね。
お子さんが自分の判断で「スマホ断ち」をできる意志力があるのならよいのです。
そうでないのなら、最初にスマホを与えるときから、親が主導して「スマホとの距離感」を指導しなくてはなりません。
もちろんそのためには、親が子供の前では一切スマホに触らないくらいの姿勢がないとならないでしょう。