
今年の渋谷渋谷の理科には、ある意味注目していたのです。
何せ、前回(2025年)の入試では、ビタミンの構造式から、水溶性のビタミンを選ぶという、前代未聞の無茶振り問題を出したからです。
水の分子の極性・無極性の説明を理解して、その理解に基づいて選ぶという問題だったのですが、そもそも有機化学は理系の化学を選択した高校3年で学ぶ内容です。それもベンゼン環といった基本しか学びません。ビタミンの構造のような、いわゆる「栄養有機」を学ぶのは大学1年になってからです。
こうした出題は、「解ければいいでしょ」と出題すべきではないというのが私の考えです。あくまでも中学受験生が勉強した内容から解けるように出題すべきではないのかと思うのです。
さすがに有機化学はもう出さないだろうと思っていたら、またまたやってくれました。
牛乳を飲むとお腹が痛くなるというリード文から、こう展開します。
「・・・牛乳には、あまり甘くないけれどラクトース(乳糖)という砂糖と同じような糖類が入っているのね。ラクトースは、小腸にあるラクターゼという消化酵素で、グルコース(ブドウ糖)とガラクトース(脳糖)という2つの糖に分解されるんだけど、リカ子はきっと私と同じでラクターゼの量が少ないか、働きが弱いのかもしれないわね。」
つまり、ラクトースは、グルコースとガラクトースが結びついていると、そういうことのようです。
さてこれに関する問題はこうでした。
「ラクトースが分解されて生じるグルコース(ブドウ糖)のあ~かにあてはまるものをア~ウからそれぞれ選び、記号で答えなさい。ただしラクトースはC12H22O11と表され、Cが12個、Hが22個、Oが11個からできています。・・・ラクトースとガラクトースは、(例1)(例2)のようにあらわされます。(例3)のように糖と糖が結合するとき、左側の糖の1番目のCにあるOHと、右側の糖の4番目のCにあるOHのHから水H2Oが1つ取れることで知られています。また、結合した糖が分解するときは、その逆になります。」
ア:H イ:OH ウ:CH2OH

まあ、渋谷渋谷を受験するほどの小学生(12歳)ですからね。単糖類の構造式なんか頭に入っているのは当然ですよね・・・・・
そんな訳ない!
(例1)には、ラクトースの構造式が書かれています。ガラクトースとグルコースが結合しています。
(例2)には、ガラクトースの構造式が書かれています。
(例3)には、ガラクトースとガラクトースが結合する様子が書かれています。
この(例)をじっくり眺めていると、あることに気づきます。
(例1)に書かれているグルコースの部分と、問題になっているグルコースが、上下が逆になっているのですね。
ということはつまり、(例1)のグルコースの部分を、結合を解いてあげて、それを上下ひっくり返せば答に行きつくのです。

これが正解です。
この問題を解かせることにどのような意図があるのか、頭の悪い私にはさっぱりわかりません。渋谷渋谷の理科の先生には、きっと何か深い意図がおありなのでしょう。
それにしても、有機化学が好きな先生なのですね。
前回(2025年)の出題を紹介したときには、「今後は出るはずがない」と断言してしまいました。まさか2年連続で出題されるとは。
私が危惧しているのは、渋谷渋谷を志望する受験生たちが、有機化学の勉強を始めることなのです。渋谷渋谷対策を売り物にしている塾あたりが、手を出しそうな嫌な予感がします。
小学生が有機化学を・・・・・
これは、小学生のうちから微分・積分を学ぶのに等しい愚行です。
渋谷渋谷の理科の先生は、そこまで考えて出題なさったのでしょうか。
2025年の問題についてはこちらで紹介しています。