
今回は、海城中帰国生入試の英語の問題を見てみましょう。
出題形式の変遷と傾向
海城中の英語入試は、「記述・エッセイ中心」であることに特徴があります。
しかし2024年に形式が変更されています。
2023年以前
大問2題構成で、いずれも自由英作文、または読解した内容に基づき自分の意見を述べる記述形式でした。
【Q1】は自身の経験や個人的な意見を問うエッセイ。
【Q2】は提示された文章(記事、エッセイ、メールなど)を読み、その内容の要約や、それに対する自分の考えを述べる形式。
2024年以降
大問3題構成へと変更されました。
【1】は従来通りの自由英作文です。
【2】は空所補充問題(文章中の適切な場所に文を挿入する形式)が導入されました。
【3】は選択式の読解問題(内容一致問題)が導入されました。
2026年も同じように大問3題構成です。もうこのスタイルで今後も行くのでしょうね。
【1】は自由英作文(エッセイライティング)
【2】と【3】は長文読解問題でした。
出題内容の特徴
記述問題では、単なる英語力だけでなく、論理的思考力や社会的なトピックに対する関心が求めらるのも海城らしいところです。
〇個人的・身近なトピック・・・ 「忘れられない一日」「これまでにもらった最高の贈り物」「コロナ禍でできなかったこと」など、自身の経験を具体的に描写する力が問われました。
〇社会・環境・技術・・・ 「エスカレーターでの歩行禁止キャンペーン」「プラスチック削減アプリ「インターネットの検閲」「子供のビジネス」など、現代的な社会課題について自分の立場を明確にすることが求められています。
〇異文化理解・・・日本の鉄道会社の「20秒の早発に対する謝罪」について、以前住んでいた国の人々がどう反応するかを問うなど、帰国生ならではの視点を求める問題も見られます。この異文化理解は海城に限らず帰国生入試では定番の切り口ですね。あらゆる学校で出題されています。したがって、あらかじめいくつかのパターンでエッセイライティングをしておくべきだと思います。
難易度のレベル
〇語彙・読解レベル・・・ 使用される英文の出典は『The Japan Times Alpha』や『NHK World』、あるいは歴史書やノンフィクションなど多岐にわたります。語彙レベルは英検準1級〜1級程度、またはネイティブの中学生レベルの素材が使われており、高い読解力が求められます。
帰国生入試でもこのレベルの学校になると、最低でも英検準1級が普通になってしまいました。英検準1級と簡単に言いますが、日本では大学中級レベルです。開成・桜蔭等の超難関校に進学した「純ジャパ」の子が高1~高2で取得するレベルですね。
学校としても中1入学時にすでにこのレベルに到達している生徒が欲しいのでしょう。
〇記述量・・・ 解答用紙のスペースを見ると、1題あたり110語〜140語程度のエッセイを、論理的な構成(導入・理由・結論)で書く必要があります。
また、2024年以降は、記述だけでなく、文章の構成を論理的に把握する力(空所補充)や、細部まで正確に読み取る力(選択式)が新たに試されるようになり、より総合的な英語力が測定されるようになっています。
2026年の入試問題についてはこちらで詳しく書きました。
エッセイライティング対策
簡単に「エッセイライティング」といいますが、小学生は最も苦手です。
日本でいう「自由作文」とはベクトルが違うからです。
「エッセイ」というと「随筆」と勘違いしますが、もちろん違います。あるテーマについて、自分の考えを根拠を示しながら論理的に書く力が求められているのです。
しかし、今後はこの力が日本の小学生にも求められていくのでしょうね。
すでにそうした傾向が、うかがえます。
今のところは、麻布や海城(国内生対象)、武蔵や鴎友といった従来から記述問題を出題している一部の学校に限られる傾向ですが、変則入試を行っている学校ではエッセイライティングをさせる学校が増えてきているのです。生徒募集に苦戦している学校が出題している段階ですが、これが広がってくる可能性は高いと思います。
おそらくは、4科目の標準問題+エッセイライティング+英語、こうした入試がやがて当たり前になるのではないでしょうか。
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