
中学受験に並走しているお母さま方が、今一番疲れています。
今日はそうした話題です。
疲れるのは当たり前
塾の送迎
塾のお弁当作り
子供の食事の管理
子供の成績管理
子供の勉強の管理
塾との面談
学校訪問
まだまだあります。
これらのほぼすべてが母親の負担になっています。
もちろん父親が一部負担する場合もありますが、結局母親が動くしかない、これが現実です。
中学受験が専業主婦でなければ難しいといわれる所以です。

これは、2023年の女性の労働割合のグラフです。
このグラフを見て何か気が付きませんか?
そうですね、グラフがほぼ台形となっているのです。
以前は、このグラフは真ん中が凹むM字カーブを描きました。結婚・出産・子育てのために、仕事をいったんやめる女性が多かったからです。
これを「M字カーブ」と称し、ジェンダーの象徴だったのです。
しかし、今やそうした状況はほとんどみられません。
もちろんこれは、一般的傾向ですので、中学受験の家庭は事情が異なるかもしれませんが、中学受験家庭だけを抽出したデータはないので何とも言えませんね。
最近では、最上位校の合格者であっても、母親が仕事を持っている子のほうが多い印象を私はもっています。
子供を最難関校に進学させた母親からも、「学校の集まりに行くと、専業主婦なのは私とあと数名程度だった」などという話を数名からうかがいました。
両親とも高学歴でばりばり仕事をしていて高収入である、そうしたご家庭が多いのかもしれません。
私学の学費(&塾の費用)を考えると、2馬力が必要なのかもしれません。
いずれにしても、たとえ専業主婦であったとしても、その負荷は大きく、まして仕事をもっている場合はさらに大変であることは間違いありません。
子供の自走への淡い期待
「いつになったらわが子は自分で自覚をもって勉強してくれるようになるのか」
これは母親(&父親)全員の気持ちだと思います。
その淡い期待を打ち砕くようで申し訳ないのですが、そうした日はたぶん訪れません。
私が過去指導してきた生徒(4桁)の中でも、そうした子供はほぼいませんでした。
感触としては、100人に一人、いや200人に一人いるかいないか、そうしたレベルです。
〇100点満点の小テストで97点だと悔し涙をこぼしていたA子さん
〇母親の3時間におよぶ長電話相談の翌日、顔を合わせると母親の代わりに謝罪してくれたB子さん
〇受験直前まで野球を続け、塾で学ぶことはすべて塾で消化して家では一切勉強しなかったC太君
彼らはみな第一志望の最難関校に進学しました。
記憶力の怪しい私が今でも鮮明に覚えているくらいですから、本当に「レアな」生徒たちだったのです。
開き直りや諦めではなく、「子供の自立・自走には期待しない」ほうが精神衛生上よろしいかと思います。
投げない
たまに(よく)いるのです。
「もうすべて子供にまかせることにしました。私は手を引きます」とおっしゃる方が。
いくら言っても聞かない・治らない。
そこで、「それなら、あなたの人生なんだから、自分で考えて好きにしなさい!」となったのでしょう。
もしかして最後の劇薬のつもりだったのかもしれません。
しかし、残念ながら、その劇薬は効果はありません。
言われても行動できなかった子が、言われなくなったら行動できるようになるはずがないからです。
中学受験という過酷な試練へ挑むことにしたのなら、最後まで家族全員で走り抜けるほかはないでしょう。
こんなご家庭もありました。
両親とも仕事が忙しかったのです。
そこで、子供には自分で支度をさせて塾に通わせていました。
学校から帰ると一人でおやつをたべ、一人で塾カバンをもって通っていました。
なかなかしっかりしたお子さんでしたので、親も安心していたのですね。
ところが、1年後に、実は子供がほとんど塾に行っていないことが判明したのです。その状況を放置し続けた塾もどうかと思いますが、世の中にはその程度の塾がたくさんあるのですね。授業料さえ払ってくれれば、塾に来ない生徒は放置しているような塾が。
6年生の夏にやっとその状況に気づいた親は、すぐに塾をやめさせました。
「そんなに塾が嫌ならやめなさい!」と言って。
その結果、子供はますます勉強から遠ざかります。おそらく子供にとっては塾に行かなくて済むのは「ラッキー!」なだけだったのです。
いちおう中学受験はしたものの、全滅だったのは予想通りです。
そんな子が中学生になってから生まれ変われるはずもありません。
何せ家庭学習習慣が皆無なのですから。
中学生の勉強は、学校の授業内容をいかにきちんと自分のものにするかにつきます。しかも、学校の先生方だって、「きちんと復習をしておくように。今度の中間試験で出るからな」くらいは声掛けするでしょうけれど、いちいち家庭での学習状況を細かくチェックすることなどしません。中学生ですから。
この子は、高校受験にもことごとく失敗し、結局定員割れの高校に進学することになりました。高校はかろうじて卒業しましたが、大学進学など夢のまた夢、そうした状況になったようですね。
ご両親とも高学歴でしたので、さぞがっかりしたことでしょう。
これは、勉強嫌いな子供を、さらに放置し続け、最後に放り出したことにすべての原因があります。
最低限の勉強でもきちんとやらせておけば、もう少し未来が開けただろうに、と思います。
仮に中学受験をさせなかったとしても、高校受験にそなえて、小学生段階からきちんと勉強習慣をつけさせ、中学でしっかりと学校の勉強をやらせれば、進学できる都立高校もたくさんあったと思います。
小学生・中学生の段階の学習は、「いやならやらなくてもよい」種類の学習ではありません。大人になるにあたって最低限必要な学習なのです。
受け入れる
勉強ができる・できない、親の言うことを聞く・聞かない、集中できる・できない、こうしたすべてを含めて「それがわが子」と受け入れるしかありません。
理想の子供像を勝手に思い描くから、疲弊するのです。
また、親が必要以上に子供を見下すことにも賛成できません。
「どうして間違えたの? この前も同じところで間違えたよね!」
「なんでこんなつまらないミスをしたのかな? 言ったよね、問題をちゃんと読みなさいって!」
「これ、何度もやった問題でしょ!」
そういう親に聞きたいのです。
「あなたなら、その同じ問題、すべて満点ですか?」
子供たちが挑戦している入試は、大人でも容易に満点がとれないような過酷な試練です。
そこに挑戦しているだけで、もう偉いじゃないですか。
お子さんのおかれた過酷な状況にも気づいてあげて欲しいと思います。