
今回は、古典的な学習法を再評価してみます。
カード学習とは?
みなさんは、「情報カード」学習をごぞんじでしょうか。
これは、1969年に、京都大学名誉教授の民俗学者梅棹忠夫氏が、著書『知的生産の技術』(1969)で紹介したことから広まった学習法です。
おそらく「知的生産の技術」については読まれたことがあるでしょう。私もあらためて〇十年ぶりに購入し直して読んでみましたが、やはり名著です。もちろん50年以上前の本ですので、PC登場以前の「アナログ」な方法論ばかりですが、考えてみれば、アナログで情報を整理できない人間が、PCになったからといって情報整理の達人になるはずもないのです。私のPCのデスクトップにも未整理のファイル・フォルダが散乱しています。反省しなくては。
少し厚手のB6サイズのカードに、情報をまとめていく学習法なのです。このカード、「京大式カード」なんて呼ばれていますね。
カードのサイズ
一般に「カード学習」というと、単語カードを思い浮かべると思います。あれはあれで便利なのですが、1対1対応の単語の暗記にしか使えないというデメリットがあります。ポストイット学習法もよいのですが、あれもその場の情報整理には使えるものの、教科学習には不適です。どちらかというと、大人が仕事のアイデアを練るためのツールです。
この「カード学習」は、ノート替わりに、メモがわりに、知識の暗記用に、知識の整理用に、多様な使い方をするのに絶妙なサイズなのです。
情報カードのサイズには各種あって、それぞれ「こちらが最高」と信者が多数います。どれでも気に入ったサイズのものを使えばいいのですが、私は「B6」サイズを強く推奨します。
B6サイズ・・・・128mm×182mm
はがきサイズ・・・100mm×148mm
5×3インチ・・・・75mm×125mm
この他名刺サイズもありますが小さすぎますね。
はがきサイズを思い浮かべてみてください。あれに、日本地図と工業都市をまとめるのは無理があると思いませんか?
B6サイズくらいが汎用性が最も高いと思っています。
実は私は日ごろから、メモ・ノートとして、「リーガルパッド」を愛用しているのです。黄色いメモ帳ですね。これがだいたいB6サイズくらいで、実に使いやすいのです。買い物メモにもちょうどよいし、備忘録、会議メモ、さらにちょっとした算数・数学の問題を解くのにも使っています。
それがあるので、カードもB6が使いやすいと思っています。
リーガルパッドは、最初のころは、わざわざ「伊東屋」のものを買っていましたが、今ではもっぱらこれです。理由は安いからです。
ダイソーでも売っています。もし見かけたら、2冊で100円と、Amazonのものよりもさらに安いのでお勧めです。
※アドバイス
カード学習法のポイントは、「全て同じサイズのカードを使う」ことにあります。書く内容に応じてカードを選ぶプロセスが無駄だからです。
そう考えると、あまりに小さいカードは汎用性が低いのです。
カード学習法のやり方
別に難しいルールなどありません。好きなように使えばよろしい。
こうした「〇〇勉強法」の問題点として、細かなルールが定められていることがあると思っています。たしかにルールに従えば「合理的」かつ「効率的」に勉強できるのかもしれませんが、私はそうした細かいルールに縛られるのが嫌な性分なもので。
机上にカードが積んであって、何かあればすぐに手にとって書く。
それだけです。
鞄に常にカードが数枚入っていて、何かあればすぐに書く。
それでいいのです。
それでも、いちおう「コツ」を2つだけ伝授しましょう。
(1)1枚1テーマ
余白恐怖症(貧乏性)の私は、どうしても1枚にあれこれ詰め込もうとする傾向があるのですが、カード学習のコツは、1枚1テーマで書くことにあります。たとえ1行しか情報がなくても、かまいません。
しかしこれも、そんなにこだわる必要はないでしょう。
4文字熟語を整理しようとするとき、1枚に1つの熟語にしなくてもよいのです。意味ごと、使われている漢字ごとに整理、などと考えだすときりがありません。とりあえず思いつくものからまとめるくらいの「気楽さ」を推奨します。
(2)タイトル・日付を書く
タイトルは必要ですね。別にタイトル付けのルールはありません。
「自動車工業都市」と言うタイトルで、「豊田市・鈴鹿市・・・・」と列挙するイメージで十分です。
「情報の整理」なら、日付は必須ですが、「勉強のツール」としてなら、あえて日付は不要です。
しかし、そのカードを作成した日付を書く習慣をつけておくと、意外に役立つのも事実です。それは、「カード情報の更新」ができるからです。同じようなカードを何度も作ることはよくあります。その際、カードを区別したり、廃棄したりする際に日付が役立つのです。
たとえば、テストの範囲が「江戸時代」だったとしましょう。この時代をこのようにまとめてみたらどうでしょうか。
◆将軍ごとのカード・・・15枚
将軍一人につき1枚のカードを作ります。その将軍の治世の出来事や問題点など、あらゆる知識をカードの表裏に列挙したカードを15枚作るのです。
◆文化カード・・・2枚
元禄文化・化政文化の2枚つくり、そこに知識を整理します。
◆産業カード・・・2枚
江戸時代の産業で最頻出なのは、農業の発達ですね。これだけで1枚になります。その他の産業=手工業で1枚になるでしょう。
◆交通カード・・・1枚
江戸五街道や海運の発達で1枚にまとめましょう。
◆外交カード・・・1枚
鎖国・開国、これをまとめるのです。
◆幕末カード・・・1枚
幕末は頻出です。わかりづらい歴史を、保守派と尊王攘夷派の対立としてとらえるとわかりやすいでしょう。
これで22枚になりました。もしかしてあと2・3枚必要かもしれません。
このカードを持ち歩き、常に眺め、覚え、付けたしていくのです。
おそらく、このカードを作っただけで、そうとうな勉強になっていると思います。
※注意その1
カードの「完成度」を追及してはいけません。人に見せるものではありませんので。色分けも最低限に抑えてください。そこに時間を費やすことは愚かです。
※注意その2
書店では、同様のカード化された教材が市販されていますが、決して手を出してはいけません。それでは何の意味もないのです。
ここではわかりやすい社会科の例を紹介しましたが、あらゆる教科に使えます。数学の証明問題をコンパクトにまとめてもいいですし、英単語だって、例文とともに書きこむことができます。
この「カード学習法」、一度やってみるとはまります。だてに半世紀以上支持されていないのですね。
昨今、「タブレットPC」を使った教育が大流行りです。しかし、その中には「カード学習法」をデジタルに置き換えただけのものも多くみられます。それだったら私はカードのほうを強くお勧めします。どう考えてもこちらのほうが「手軽」で「効果的」な学習法だからです。しかも安いです。
こちらは、450円程度で買えると思います。100枚入っています。
「京大式」と名乗っていますね。元祖感が漂います。
番外編・・・デジタル化
これはどちらかというと、中高生~大人向けの活用法です。
カードをPDF化してPC・クラウドに保存するのです。
スマホで写真を撮ってPDF化まで一瞬で終わります。それを、クラウド上に保存するだけで、保存&持ち歩きが実現します。
それなら最初からスマホでメモをとればいいようなものですが、買い物メモならともかくとして、勉強にはスマホメモは不適ですので。
B6のカードサイズが、PDF化には何とも都合がよいのです。
お勧めの活用法です。
さらに、タブレットPC、とくにiPadminiとの相性が抜群です。


