中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【記述】書き出せない子への対処法その2 書きだすハードルを下げよう!

記述の解答用紙を前にして一文字も書き出せない。

その対処法第二弾です。

書き出せない理由

前回の記事で、書き出せない理由をいくつか挙げました。

・間違ったことを書くのを怖れている

・恥をかきたくない

・何を書いていいかわからない

子どもたちは、間違えることを大人以上に「怖れて」いるのです。それは親や教師に怒られることを怖れているのかもしれませんし、ただ「恥ずかしい」だけかもしれません。

机間巡視をしていると、私が横を通るときに答案を隠す子がいるのです。さらに、せっかく書いた記述を、私に見られる前に大急ぎで消す子もいます。

よほど「ふざけた」記述でなければ叱ったりしないのですが。むしろ、少しでも生徒の記述の「評価できるポイント」を探すようにしているのですが、やっぱりおかしな解答を見られるのが嫌なのでしょうね。

 

また、何を書けばよいのかわからずに固まっている生徒もいます。

とりあえず書き出さないことには始まらないのですが。

 

「何でもいいから何か書いてごらん」の声掛けは意味がない

そうした生徒に対して、「何でもいいんだ。何か書き出してごらん」と声をかけても効果はありません。その「何か」が書き出せないのです。

また、生徒にとっては、鉛筆で解答用紙に何か書くことは、「正解を書く」こととイコールになっています。間違えているのに決まっている答えを、厚顔無恥に書くことに抵抗があるのです。

 

書くことのハードルを下げる

これらへの対処法は、「書くことのハードルを下げる」ことが有効です。

そこで、いくつかのアイデアをご紹介します。

 

◆ホワイトボードに書かせる

 もし私の推奨した勉強法として、ホワイトボードをすでに壁に設置してあるのなら、それを活用するのも良い手です。

大人が見ているとなかなか書き出せませんので、「このホワイトボード自由に使っていいから」と言って、一人にしてみましょう。

何をどう書いても、いくらでも消すことができるホワイトボードは、書きだすことのハードルを下げる効果があります。

ただし、ホワイトボードのマーカーはインクですので、すぐに手が真っ黒になります。手だけなら洗えばすむ話ですが、服につくとやっかいです。

A3サイズくらいで、机上で使うのにちょうどよいホワイトボードもいろいろ市販されていますね。しかし小さなサイズだと、マーカーを「鉛筆持ち」して書くので、手が異常に汚れます。あまり推奨できないかな。

 

◆メモ帳に書かせる

 これは王道です。ここで大切なのは、「ノート」ではなく「メモ帳」を使うことです。「ノート」というのは、きちんと整理して書くもの、そう生徒たちはしつけられているのです。思いついた単語や生煮えの文章を書き散らかすことに心理的抵抗があるのです。しかたないですね、周囲の大人たちが、「ノートはきれいにとりなさい!」とさんざん指導してきてしまったのですから。

本当は、ノートなんてきれいに書く必要は全くないのですが、私以外のほとんどの教師が、ノートをきれいにまとめさせることにこだわります。中には、かならずノートの左に縦線を定規で引かせたり、冒頭にタイトルを書かせるなど、「ノートに書く作法」を徹底する教師までいます。世間には「東大生のノート」なんて情報まであり、「ノートの書き方を工夫すると学力があがる」という誤解が広まっているような気がします。

 

 そこで、何を書いてもよい「メモ帳」が良いのです。できればきちんと綴じられたミニノートの類は避けましょう。かといって、ただの白い紙を用意しておいても、すぐに散逸して、これはこれで計算用紙以外では使いづらいのです。

 

 そこでお勧めなのが、「リーガルパッド」です。

もう20年以上私も愛用しているのですが、こういうものです。

リーガルパッド

いろいろなサイズがありますが、私のお勧めはB6サイズです。

あまりに大きいサイズだと、メモとして気軽に取り出すのが億劫になりますし、あまりに小さいと何も書けません。B6サイズくらいがちょうど使い勝手が良いと思います。

また、このリーガルパッド、切り取ってもそのまま束ねたままでも使えますし、横書きに適しています。

さらに、この黄色い色がよいのです。他のプリント類と混ざっていてもすぐに見分けられますので。

伊東屋のものでもよいですが、お高いので、私はもっぱらアマゾンやコストコでまとめ買いしています。

ちなみに写真に写っているのは、これも私一押しのシャープペンシルです。

「ぺんてる タフ」というシャープペンシルで、太さは0.7mmがベストです。

普通のシャープペンシルは0.5mm芯が最も普及していますが、小学生には細すぎるのです。ちょっと筆圧をかけるとすぐに折れます。また芯もつまりやすい。

さらに、折れないように書くためには、ペンを寝かせることができません。小学生を見ていると、何人もが、ペンを机に垂直に立てるおかしな持ち方をしているのはこれが原因です。

諸悪の根源の0.5mm芯のシャープペンシルは駆逐しましょう。

0.9mmも書きやすいですが、答案用紙に書くことを考えると、0.7mmの2Bの濃さの芯がベストです。

この「ぺんてる タフ」は、ペンのおしりの部分の消しゴムが、実用に耐える大きさなのです。このペン1本で完結するのが推奨する理由です。

私は、あちこちでしつこいほどこのシャープペンシルを勧めてまわっていますが、もちろんぺんてるの回し者ではありません。

 

リーガルパッドとこのシャープペンシルを用意すれば、書くことのハードルはだいぶ下がると思います。

 

電子メモ

たんに書くハードルを下げるだけなら、電子メモの活用も良いと思います。

電子メモ

スタイラスペンや指でなぞると緑色の文字が書け、ボタンを押すと画面がリセットされる、そうしたものですね。

よく子供の落書き用にする方もいるようです。

写真にあるのは、下の白い縁のものが10インチ、上が8.5インチです。ネットで見ると1000円程度で購入できますし、ダイソーでも500円で売っています。写真の黒いほうがダイソーで買ったものです。

これ、長く使っていると次第にきれいに消えにくくなるので、買うなら安いもので十分だと思います。

手の届くところにこれがあると、ちょっとメモしたり、伝言を書いたり、子供に漢字を聞かれたりするときにも役立ちます。情報保存はできませんが、それだからこそ「すぐに消せる」という利点を生かして、「気軽に書く」のに適しています。