今回は、4月から中学生になる子どもに与えるPCについて考察、というより雑感をあれこれ書いてみます。
小学生のうちは、子供専用のPCを与えていた家庭は少ないと思います。受験勉強で忙しい子供にPCを使う暇などありませんでした。
しかし、中学生になると、どうしてもPCは必需品となります。
学校によっては、生徒たち全員に同じノートPCや、iPadなどを購入させるところもありますが、今回は、そうした学校お仕着せのPCはない、あるいはタブレットPCである場合についてのお話です。
結論から書きます。
デスクトップPC
これが一番のお勧めとなります。
なぜデスクトップPCを私が「firstPC」に推奨するのか、その理由は以下の通りです。
(1)キーボードの打ちやすさ
PCへの入力デバイスについては、キーボードを使います。「思考の速さ」で高速入力するためには、ブラインドタッチ(タッチタイピング)が前提です。そして、ブラインドタッチのためには、フルサイズキーボードが必要です。
残念ながらノートPCについているキーボードは、キーの感覚が狭くなっていたり、ファンクションキーが省略されていたり、妙に薄かったりするため、タッチタイピングがしづらくなっています。日ごろフルサイズキーボードを愛用している私など、たまにノートPCを使うと、そのあまりの使いにくさに発狂しそうになります。
さらに、数字入力のためには独立したテンキーがないと不自由すぎます。学生の使用では、数字を入力する場面は意外に多いのです。残念ながら、大半のノートPCではテンキーが省略されています。
それでは、ノートPCに、Bluetooth接続のフルサイズキーボードを使えばよいのでしょうか。
入力のしやすさだけは改善します。しかし、それなら最初から普通のデスクトップPCにしたほうが合理的だと思います。
※タッチタイピングのマスターについてはこちらの記事をどうぞ。
(2)モニターサイズ
ノートPCのモニターサイズは、13~17インチです。モバイル用途では13インチ、据え置き使用の場合は15.6インチ、といったあたりが主流ですね。
ところで、デスクトップPCの場合なら、好きなサイズのモニターを選べばよいのですが、21インチ~27インチくらいですね。廉価版のモニター附属PCでも、24インチが普通です。
仕事でPCを使われている方はわかると思いますが、モニターの大きさは正義です。ネットの情報を横目にみながら文書を作成することなど普通です。その作業をノートPCの小さなモニターでやることを考えてみてください。
これも、ノートPCにモニターを接続することで解決はできますが。そこまでしてノートPCにこだわる必要は無いと思います。
※学校で購入させられたノートPCを家での作業でどうしても使いたい場合は、モニターとキーボードを接続して作業するスタイルもやむを得ないですが。
(3)マウス
これは慣れの問題かとも思うのですが、ノートPCのタッチパッド(トラックパッド)が私は嫌いです。どうしてもノートPCを使うときには、マウスを接続しています。
そもそも、マウスよりもタッチパッドが優れているのなら、デスクトップPCでもタッチパッドを接続して使うはずですが、そうした人を見たことがありません。(イラスト用のペンタブレットは別次元の話です)
(4)姿勢
実はこれが一番大きなポイントだと思っています。
PC作業に最適な椅子と机の位置関係があるのです。そしてモニターの位置も重要です。目とモニターの距離が大事なのです。
ノートPCはそのポジションが崩れます。
背中を丸めて小さなモニターを見ての作業は成長期の子供には悪影響しかありません。姿勢にも視力にも良いはずがないのです。
タブレットPC
私もiPad・iPadminiを日ごろから愛用していますが、あくまでも限定的な用途でしか役に立ちません。
海外旅行の際に荷物を減らすためにはiPadminiを持参します。現地の情報を入手したり、チケットの手配に使うのです。また、家では寝転がっての動画鑑賞や、アマゾンで本を買う場合などにiPadを使います。しかし、いくら便利で高性能だからといって、タブレットで作業をする気はしません。
卒業生にリサーチしたところ、学校でiPadを全員が購入させられた子たちは、重い教科書や資料集のページをiPadで撮影して持ち歩くのに使っているそうです。あとは学校からの連絡の確認に使います。なかには、家と学校にフルサイズのBluetoothキーボードを置いていて、作業する場合に使っているという子もいました。
持ち歩きよりも据え置き
持ち歩き前提のタブレットPCやノートPCを子供に買い与えた後のことまで考えましょう。
間違いなく、自室に持ち込みます。
そして、間違いなくネットの罠にはまります。
これは、子供の自己責任に帰するわけにはいきません。子供にとって、ネットの世界の誘惑にあらがうことは不可能だと考えて下さい。
ネットの罠にはまらない環境を整えるのは大人の責務です。
機種の選定
子供の使用目的を考えれば、高スペックのものは不要です。
・ネット検索
・文書作成
・簡単な表計算
・メールのやり取り
・オンライン授業
せいぜいこれくらいの用途ですね。動画編集もやりませんし、ゲームもやりません。最低限のスペックで十分です。
また、ブランド(メーカー)についても、こだわる必要はないでしょう。どちらにしても、日本のメーカー(のPC部門)の大半が海外資本に吸収されていますので。また国産をうたうブランドも、海外の部品を国内で組み立てているだけです。
私なら、マウスコンピューターやパソコン工房などのBTOパソコン(秋葉原ショップ系)の安いものを探します。実は日ごろ愛用しているのもこうしたBTOパソコンなのですが、高性能なものでもメーカー品にくらべて安く入手でき、機能も信頼性も悪くないのです。
あるいは、DELLやエプソンダイレクト等のネット通販系のものも、実店舗で買うよりは安く買えます。
ネットで見かけるミニPC
モニターの後ろに設置できるミニPCは、省スペースで魅力的ですね。ネットで検索していると、聞いたこともないブランドのminiPCが多数ヒットします。おそらくは中国製だと思われますが、はたして使い物になるのでしょうか?
そこで私が人柱になってみた経過をご報告します。
◆CHUWI LarkBox Pro

5年前に買ってみたのがこれです。
これで動くのか、不安になるほどのサイズです。
でも考えてみれば、薄型のノートPCだって、バッテリーを除けば、本体サイズはこんなものかもしれません。
CPUはCeleronで、メモリーは8GB、ストレージは128GBと、ほんとうに最低限のスペックです。価格は当時で2万円を切っていました。
今調べてみると、廃盤で見つかりませんでした。サイズもここまで小さいものは見当たりませんでしたが、同じようなコンセプトのものは、3万円以内でいくつも見つかります。

拡張性はほぼありません。つなげるケーブルも、USB-Aが2つ、HDMIが1つ、MicroSDスロットが1つ、イヤホンジャックが1つ、以上です。(写真にあるUSBーCは電源専用でデータ通信はできません)
これに24インチモニター、Bluetoothキーボードとマウスを揃えても、2万円しませんので、4万円以下でデスクトップパソコンが使えることになりますね。実は24インチモニターは1万円程度で買えるのです。
さて、使用してみた感想ですが、全く問題はありませんでした。立ち上げた直後はCPUの使用率が100%に張り付いて何もできませんが、少し待てばよいのです。ネット検索・文書作成・ZOOM会議、いずれも問題ありませんでした。
あまりに気に入ったので、翌年にもう1つ同じものを買い足したほどです。
しかし、最初に購入したほうは、ちょうど4年間の使用で動かなくなりました。後から買ったほうは健在です。ウィンドウズ11にはアップデートできませんでしたが、10のまま1年の延命措置はできましたので、今年いっぱいは使う予定です。
◆GMKtecミニpc
性懲りもなく、2年ちょっと前に買ってしまったのがこちらです。

プロセッサーは、インテルTwin Lake-N100 で4コア/4スレッド、メモリーは12GB、512G SSD という仕様です。ウィンドウズ11でした。
これも、22000円程度で買いました。
こちらは、かなりの高性能(上のchuwiに比べれば)で、ビジネス用途なら何不自由なく使えます。もちろんゲームも動画編集もやらない前提です。

こちらは拡張性もまあまあで、LANポートが2つにUSBが3つあります。写真に見えているUSBーCは電源用です。写真に見えていない裏には、HDMI×2とDisplayPort×1があります。このPCで3画面駆動はしないですが。
今は、N150に進化しているようですね。
怪しい(怪しく見える)ミニPCのプロセッサーでよく見かけます。
今のところ問題なく稼働しています。
こういったミニPCは、ネットでは「やめておけ!」「3日で壊れる!」「保証なし!」と脅し文句があふれていて、手を出すのには勇気が必要なのですが、値段が値段ですので、3年もてばよい、という感覚ならば、私の場合は3戦3勝でした。
こうしたPCを利用すれば、5万円以内でデスクトップPCが手に入ります。
ただし、この手のPCは当たりはずれが大きそうなので、自己責任なのはいうまでもありません。
オフィスソフトについて
PC上での作業ばかりでめったにプリントアウトしないのなら、グーグルで無料で提供されている、Googleドキュメント、Googleワークシート等で十分です。文書を作り、簡単な表計算をし、プレゼンする、その程度の用途なら十分に役立ちます。しかも、複数のPCで作業を継続できるクラウドは使い勝手がよいのです。学校支給のタブレットPCと自宅のデスクトップPCで作業をする場合などの場合はクラウドに限りますね。
ビジネスで使う場合には、実質的なスタンダードとなっているMicrosoftーoffice365を導入せざるを得ないのですが、中高生なら不要でしょう。1年間2万数千円の費用をかけたのでは、せっかく格安でPCを入手しても意味がなくなってしまいます。
しかし、Googleのものでは微妙なレイアウト(縦書き等)ができませんし、オフィスソフトが必要な場面もあるでしょう。
こうした場合の互換ソフトといえば、Polaris Office(ソースネクスト)とWPS Office 2(キングソフト)の名がよくあがりますね。WPS Office 2は6000円程度、Polaris Officeなら4000円程度で、ワード・エクセル・パワポの互換ソフトが購入できます。どちらも永続版(買い切り)です。
私は両方使っていますが、全く問題がありません。これで十分間に合うと思います。
パソコンの世界は、とにかく新しいものが正義の世界ですので、必要最低限の機能を持つものをできるだけ安く買って、物足りなくなったらその時点の最新の機種を買う、というのが正解なのです。
その点でも、デスクトップPCにしておくと、モニターやキーボード等はそのまま使いまわせますので、無駄がないと思います。