今回は、中受・高受・大受、すべての受験生へ共通したアドバイスです。
塾の宣伝に、自分の実名を使わせてはいけません!
先日、電車に乗っていて、何気なく車内の動画広告(デジタルサイネージ・車内ヴィジョン)を見ていたのです。そこには、某予備校の広告動画が流されていました。大学合格者の喜びの声を紹介するものです。
「〇〇大学〇〇学部合格!」という文言と、笑顔の生徒、そして生徒の氏名が次々に流れていました。
みな満面の笑顔です。
予備校の宣伝としてはこれに勝るものはないでしょうね。
しかし、日ごろ生徒を指導している立場の私としては、信じられないのです。
どうして、こんな受験産業の宣伝ごときに、自分の素顔と氏名と進学校をさらしてしまったのか。
別に「恥ずかしい」大学ではない、むしろ「誇るべき」大学だからかまわない、そういう考えもあるでしょう。
しかし、確実に世間に、個人情報をさらしてしまったのです。
昔の牧歌的な時代ならいざ知らず、今はどんな個人情報も悪用の危険性がつきまといます。
たとえば、こんな電話がかかってきたらどうでしょうか。
「〇〇大学の学事課の者ですが、おたくの〇山〇男君が、大学職員の車を傷つけてしまいました。職員からは、修理費用をすぐに支払っていただければ警察には届け出ずに穏便にすませたいと申し出があったのです。ついては〇〇銀行の口座に・・・・」
いわゆる振り込め詐欺ですね。
大学名と本人の名前を知っている相手からの電話です。騙される人もいそうです。
気になってこの予備校のHPを見てみると、同様の喜びの声の写真が、もちろん実名とともに多数掲載されていました。なかには特徴ある制服からすぐに中高まで特定できる子までいます。
氏名で検索してみると、今度は別の塾の合格の声がヒットしました。しかも、「2021年度卒業生の声」となっています。
ということは、この子は、塾と予備校を掛け持ちして通っていたのですね。しかも、その情報が5年間も塾・予備校の宣伝に使われ続けているのです。
しかも、予備校のHPでは、あたかも今年の生徒のような扱いです。まあ、受験産業の良心などそんなレベルなのは珍しくもありません。
その広告に出ている数名の大学名と氏名で検索すると、所属していたサークルや研究室の情報がいくつも出てきました。
ちょっと検索するだけで、これくらいの情報は簡単に出てくるのです。
もちろん、学校名やサークル程度の情報なら別にかまわない、そういう方もいるでしょう。また、コンクールの入賞歴等、むしろ自慢したい情報もあるかもしれません。
普通に社会生活を送っているだけでも、デジタルの世界に自分の情報は漂い出てしまうものですから。
しかし、何も声高に世間に宣伝する必要もないと思います。
塾・予備校にお世話になったとして、恩義を感じる必要など毛頭ありません。合格はひとえに本人の手柄です。
合格直後には、ついつい気持ちが大きくなって受験産業の要望に応じてしまいがちですが、それがどういう意味を持つのか、きちんと考えてからにしましょう。
とくに、教育観点からは、普段から警戒心を強く持つ習慣を身に着けてほしいと思います。
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