塾の宿題は消化できていますか?
中学受験塾に通われているみなさんにおうかがいします。
塾の宿題はすべて消化できていますか?
「YES!」と答えた場合は、おそらく宿題を適当にさぼっているか、あるいは宿題が異常に少ない塾なのか、どちらかです。あ、非常に稀なケースとして、問題処理スピードが速い生徒が、宿題をすぐに終わらせる場合もあるでしょう。ただし、そうした生徒はほぼいません。私の指導した生徒でも、この30年間で一桁しかいませんでした。
今でも覚えているA君は、少年野球チームに所属していました。練習の帰りに泥だらけのユニフォームのまま、遅刻して教室に来たものです。A君のチームはなかなか強くて、小6の秋まで試合が続きました。
「途中で敗退してほしかったのですが・・・」と母親が本音をもらしていました。
このA君、家ではほとんど勉強しなかったそうです。塾で教えられたことは授業時間内にすべて理解していくので、家で復習する必要がなかったのです。成績も「超」がつくほど優秀でした。最終的には都内男子最難関の2校に合格しました。
もしお子さんがA君レベルであるのなら別ですが、そうでないのなら、塾の宿題は終わらないのが普通であるとお考えください。
もし、「いやいや、別にそんなに無理せずに塾の宿題はすべてできているよ」という場合は、塾のレベルとお子さんの学力がマッチしていないことを意味します。早急に転塾すべきでしょう。
負荷のかからぬ勉強は学力向上に寄与しません。
例えば、小6にもなって小学1年生用の計算ドリルをいくらやっても、何の意味もないのと同じです。
難しい・解くのに時間がかかる・量が多い、そうした学習を課すことで、学力は伸びるのですから。
居心地のよい勉強環境の功罪
転塾の動機の大半が、「成績が伸びない」です。
「このままこの塾にいても成績が伸びないから、いっそのこと転塾したほうが・・・」と考えるのですね。
さらに、「宿題に追われているだけだから」という声もよく聞きます。
現状に満足しているのなら、転塾する必要はないのですから、これは当然かもしれません。
しかし、その「満足している現状」の中身が問題なのです。
もしそれが、「そんなに頑張らなくても楽に得点できる」「いつも上位を簡単にキープできている」「塾内部の偏差値がつねに高い」「宿題が多くなくて楽」「子供が楽しそうに通っている」といったものであるのなら要注意です。
矛盾するようですが、「宿題に追われて大変」なら、むしろ転塾する必要はありません。「家庭学習が楽に終わる」ほうこそ転塾を検討すべきです。
前述したように、楽な勉強で上位をキープできているということは、周囲の生徒たちのレベルの低さを物語っています。また、塾からかかる勉強の負荷が低いことも考えられます。
そんな「ぬるま湯環境」に浸っていると、成績向上は望めないと考えましょう。
もちろん、「別にうちの子は無理してまで高いレベルの中学を目指しているわけではないから。〇〇中学なら、今のペースでも余裕で合格できるし、それで満足」というご判断なら、私のこの記事は不要です。そうした価値観もまたあると思います。
しかし、中学受験を通して努力の大切さを学び、より良い中高の環境を求めたいのならば、「ぬるま湯環境」は脱するべきなのです。
学習量から学習時間への変換
そもそも「宿題が終わらない」というのは、あたえられた課題をすべてできない、ということですね。
良心的な塾ほど、「終わるはずもない」量の宿題を課します。そうした負荷により生徒が合格に近づくことを経験的に知っているからです。
したがって、もし「宿題が終わらない」場合は、「すべて終わらせる」学習スタイルから、「時間内にできるところまでやる」学習スタイルへ切り替えましょう。
子供が家庭学習に取り組める時間は限られています。その時間を無駄にせずに机に向かっているのなら、それでよいのです。
例えば、算数が100題、宿題となっていたとします。頑張ったけれど、60題までしかできませんでした。残りの40題を片付けるためには、睡眠時間を削る・小学校を休む・他の教科を犠牲にする、の3択です。どれも大きく間違っています。とくに他教科を犠牲にするとき、必ず犠牲になるのが国語です。国語を犠牲にすると、後からリカバリー不可能な後悔が必ず訪れるのです。
そこで、終わらなかった40題は、「捨てて」ください。お子さんの処理能力・スピードでは無理だからです。それでも、次回は65題、70題を時間内に消化できるよう頑張りましょう。
つまり、「宿題に追われる」のは正しいのです。ただし、「すべて終わらせる」という幻想は捨てましょう。
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中受から高校受験への切り替えをお考えの場合は、こちらの本が参考になると思います。
