前々回、2025渋谷渋谷の帰国生作文についてとりあげました。
次のテーマで600字以上800字以内の作文を書きなさい。
「海外から日本にはじめて旅行に来る12歳の人がいるとします。
その人は、旅行の途中であなたの家の近所に滞在します。その際、あなたはその人と一日行動を共にして『日本の文化』を紹介することになりました。その場合、あなたならば、どこに行き・何をしますか。そこに行く理由・それをする理由を含めて、作文しなさい。」
※「どこに行く」「何をする」について具体的に書いてください。
※「そこに行く理由」「それをする理由」も必ず書いてください。
※「どこに行く」「何をする」を考えるうえで、時間や費用などの制限はないものとします。
※題名は、本文の内容を踏まえて、各自で自由につけてください。
こういう問題でした。
今回は、それと似た出題として、2022学習院女子中帰国生入試の日本語作文をとりあげます。
「おもてなし(もてなし)」とは、人に対する心のこもった対応を意味します。お客さまが、あなたの家に来ることになりました。あなたはどのようにその人におもてなしをしたいですか。あなたが住んでいた(住んでいる)国での経験をふまえて、理由もふくめてできるだけくわしく書きなさい。お客さまは、どの国の方でもかまいません。
「オ・モ・テ・ナ・シ」といえば、2013年にオリンピック招致運動の際に使われて話題になりましたね。東京オリンピックがはたして「おもてなし」できたのかどうかはわかりませんが。
さて、この問題は、ただ客をどうもてなすか、ということではありません。
遊びに来た親戚や友人をもてなすことを書いても、おそらくは点になりません。
「あなたが住んでいた(住んでいる)国での経験をふまえて」
「お客さまは、どの国の方でもかまいません」
となっています。
これは、どう考えても、日本在住の「あなた」が、海外からきた客人をどう「もてなす」のか、それを書かせる作文です。
そして、自分がかつて海外にいたときに現地の人から受けた「おもてなし」を思い出して書くことが求められています。
あるいは、「あなた」が海外在住のときに、「あなた」の家を訪れてきた現地の人をもてなした経験を思い出してもよいでしょう。
もう一つの考え方としては、海外に住んでいたときに、日本から遊びにきた知人をもてなした経験というものから書くこともできますが、あまりお勧めできません。ありきたりな内容しか書けないからです。
「おもてなし」の方向性は2つですね。
たとえば日本人がアメリカ人の客をもてなす場合を想定してみましょう。
「日本風のもてなし」
「アメリカ風のもてなし」
この2つが考えられますね。
わかりやすくいうと、寿司をご馳走するのか、ハンバーガーをご馳走するのか、そうした違いです。


日本に来たばかりのアメリカ人と、もう一か月以上も滞在しているアメリカ人にたいする「おもてなし」は違って当然です。
前者なら、まずは「和風」のもてなしが喜ばれるでしょうし、後者なら「アメリカ風」のおもてなしが喜ばれるでしょう。
考えてみれば、「おもてなし」とは、そこまで相手のことを考えてあげる「心遣い」に他なりません。
ちなみに、私がアメリカ滞在時に、現地の知人から受けた「おもてなし」で一番心に残っているのは、親戚だけが集うホームパーティーに招待されたことでした。「身内扱い」がうれしかったのです。
この問題の解答としては、「気取った」「よそゆき」のおもてなしよりも、「きどらない」おもてなしのほうが良いと思います。そのほうが「こころがこもった」おもてなしになりそうです。