パワポ=PowerPointといえば、ご存じプレゼンツールの代表です。
エクセル・ワードとともに3種の神器のようにPCに入っていますね。
ビジネスのプレゼンのみならず、授業でも活用されています。まあ、授業=プレゼンと考えることもできますので。
私も愛用しています。
しかし、今回はパワポを使ったプレゼンへのアンチテーゼです。
パワポって、本当に必要なんでしょうか?
ビジネスにおけるプレゼン
何かでプレゼンを頼まれると、「パワポ作っておいてください」と頼まれることがほとんどですね。もうパワポの使用が前提となっているようです。
もちろん私も使います。
しかし、私がパワポのスライドを作るときには、以下の3点を意識しています。
1.枚数は少なくする
ビジネスプレゼン術的なノウハウを調べてみると、30分のプレゼンならパワポの枚数は15枚~30枚とありました。まあ20枚くらいのアドバイスが多いようですね。
3分で2枚、1枚あたり1.5分程度ということなのでしょうか。
私は、30分のプレゼンなら、5枚~10枚くらいしか作りません。
理由は簡単です。
プレゼン中に、スライドを切り替えた瞬間、聴衆の集中力がスライドの方に行き過ぎるのが嫌いだからです。
聴衆の反応を見ながらアドリブで話しているのに、スライドを切り替えた瞬間、何か作り上げたものが一瞬にして崩壊するような気分を味わうからです。
皆は、スライドを見に来ているのではありません。それならスライド集を印刷して配布するかデータで送れば済む話です。
パワポは紙芝居だ、という話はよく聞きますね。
「紙芝居」と言われても、どんなものかは知ってはいますが実際にみたことはありません。どうやら「紙芝居」の絵というのは場面ごとに書かれているのですね。それを話芸で繋いでいる。つまり紙芝居をめくるときというのは、場面が転換する時となります。
あまりに場面転換が煩雑すぎるのは考え物だと思います。
せっかくプレゼンという「場」を共有しているのですから、この「場」でしか実現できないものを提供したいというのが私の考えです。
そのためにも煩雑なスライド切り替えは邪魔だと考えています。
2.アニメーションは使わない
理由は簡単です。
鬱陶しいからです。
字が反転しながらクルクルと現れたり少しずつ消えたり。
時間の無駄です。
しかも、パワポで作れる程度のアニメーション効果なんか素人臭くて使いたくありません。
また、プレゼン直前に手直しをすることもよくありますね。
その際にもアニメーションは邪魔になります。
3.フォント・文字サイズにはこだわる
聴衆から見えなくては意味がありません。
会場のサイズ、モニター(スクリーン)サイズによって、見えやすい文字のサイズは異なりますよね。
最近気に入っているフォントは、「BIZ UDPゴシック」です。
すっきりしてとても見やすいフォントです。このフォントで、可能な限り大きなポイントの文字を使います。
横書きに使うと、60Pなら17字×7行程度、48ポイントなら21字×9行程度です。
※一つのプレゼンで文字のフォント・サイズをあまりに多種多様なものを使うと「格好悪い」のでお薦めできません。
Keynoteは若干ましである
Apple謹製のプレゼンソフトですね。
さすがプレゼンの天才のスティーブ・ジョブスが作った会社です。
このKeynoteは、マイクロソフトのPowerPointとは一線を画す出来だと思います。
見た目の格好良さは明らかに上ですね。
しかし、しょせんスライドです。
1枚1枚めくりながらプレゼンすることには変わりはありません。
利点としては、iPadやIPhoneでも動きますし、iCloudを使えばデータの共有も簡単です。
Macを使って作成したスライドを出先で修正したり、あるいは荷物を減らすためにIpadやIphoneだけを使ったプレゼンもできていいですね。
私がよくやるスタイルとしては、
会場のプロジェクター(モニター)にApple-TVを接続する
というやり方です。
コードに繋がれたPCの前から解放され、自在に会場を動き回りながらプレゼンができるのが素敵です。
プレゼンにリモコンは必須
「プレゼンテーション・リモコン」「プレゼンテーション・クリッカー」と呼ばれる器具を使えば、上述したiphoneミラーリングと同じことができます。
何なら、無線マウスを手に持ってもできますね。
私はクリッカーを忘れたときによくやります。
私が愛用しているのは、コクヨから販売されている「フィンガープレゼンター黒曜石」という商品です。
(↑別にアフィリエイトは設定していませんよ)
指にはめる小さなクリッカーなのですが、これを使うと、両手が自由に使えて最高です。
ただし、残念なことに指のサイズが私には全く合いません。ここが改善されるといいなあ。
しかし、いくらクリッカーを使おうと黒曜石を使おうと、iphoneを手持ちで行うプレゼンにはかないません。
なぜなら、今写っている画面を、手元で見ることができるからです。
いちいちモニター(スクリーン)を振り返るのが嫌なのです。
そこで、いつもは、聴衆と自分の間に、自分の方に向けたモニターを1台設置します。
そうすれば、聴衆の方から視線をそらさず、自分の背後に映っている画像も確認しながら話すことができるからです。
Preziは次元が違った
Preziというプレゼンアプリ、使ったことはありますか?
これは、前述したPowerPointやKeynoteとは設計思想がまるで異なります。
イメージとしては、巨大な模造紙なのです。
この巨大な模造紙上に、文字や写真・図やグラフなどを自在に配置します。
配置する向き・場所はそんなにこだわらなくても大丈夫です。
私はいつも右時計回りを意識しています。
そして、配置を終えた文字・図などに順番をつけていきます。
そうすると、1台のカメラが順番通りにズームアップしていく、そんなイメージなのです。
これは実際に見てもらわないとわからないと思います。
何というか、思考の流れ、講演の流れを一切遮断することなく、自在に聴衆の集中を操れるかんじですね。
一時期これには相当凝りました。
まあ、Preziも、あまりに凝りすぎると、見ているほうが酔ってしまうという問題もありますが。
しかし、現在は使わなくなりました。
作るのに時間がかかるのです。
もちろん時間をかけずに作ることは可能です。
でも、それでは気が済まない。気が付くと、物凄い時間を費やして凝ったプレゼンを作ってしまうのです。
そこで、私は今は封印しています。
パワポ(等プレゼンツール)はアドリブが利かない
私がパワポをなるべく使いたくない最大の原因はこれです。
話をするときというのは、聴衆の反応を見ながら話の内容・順番等を変化させるのが私のやり方です。
だから原稿は作りません。
話さねばならない内容を飛ばさないようにするための箇条書きのメモ(10行)だけを使います。
パワポを使うと、完全に事前に組み立てたストーリーをなぞらえるだけになるので、話していても面白くないのですね。
シンプルが一番
今私がたどり着いた境地は、
「A4-1枚プレゼン」です。
用意するものはA4にまとめた資料1枚だけです。
プレゼンというのは、相手の時間を大量に奪う行為です。
仮に30分のプレゼンだとしても、100人対象なら、30分×100人=50時間、そうです、50時間もの時間を奪う行為なのです。
あまりにも生産性が低すぎます。
そこで配る資料はA4のペーパー1枚、あとはフリーハンドで、つまりモニターもスライドも何もなしでプレゼンします。
機材のセッティングやスライド作成の時間が節約できます。
どんな部屋でも(例えば食堂でもエントランスでも廊下でも)プレゼンができます。
その状況で相手にきちんと情報を伝達したり説得できないのであれば、華麗なスライドや写真でごまかしても同じことだと思うのです。