今回は嫌なテーマです。
しかし避けて通るわけにもいかないテーマです。
これについては、昨年詳しく記事にしました。
昨年のこの記事をぜひとも読んでほしいのですが、まだ書き足りないこともありました。
そこで、前回の記事の続きとして、今回の記事を書くことにしました。
カンニングをする子としない子
これは、はっきりと分かれます。
しない子は、本当にしないのです。
たとえテスト中に前に座っていた子が答案用紙をそのまま放置してトイレに行っていて、解答が丸見えになっていても、決して見ようとはしません。
しかし、する子はします。
たとえ教師の私が正面に仁王立ちしてにらみつけていたとしても、カンニングをしようとします。
いったいどこがこの子たちの分かれ目なのかは、正直いってわかりません。
(1)親が点数にこだわる
一般にはこのように言われていますね。親が厳し過ぎるから。点数にこだわるから。だから子どもがカンニングするようになった。
しかし、親が子どものテストの出来具合を気にすることは当たり前です。それでも、カンニングをしない子は多数いるわけですので、これが理由とは考えづらいですね。
(2)本人の道徳意識が低い
それはそうかもしれません。「ズル」をしてでも自分が得をできればそれでいい。そういう考え方なのかもしれません。しかし、よく考えれば「得」なことなど何一つありません。そこに思い至らぬほど愚かなのでしょう。
(3)幼い
低学年、1年生~3年生くらいまでのカンニングは、これがほとんどです。
カンニングという行為を認識しておらず、それがやってはいけない行為であるということすら理解できていないのです。
まるで亀のように首を伸ばして前の子の答案をのぞき込んでいる子も見かけますね。
(4)負けず嫌い
負けず嫌いならカンニングをしなさそうなものですが、案外逆のケースも多いのです。解答がわからないと悔しいのですね。解けないと嫌なのですね。空欄は残したくないのです。そこで、あらゆる手段を使ってでも解答欄を埋めようとする。その手段がカンニングなのです。
(5)見栄っ張り
努力もしていないのに、「出来ない」と思われたくないのでしょう。
みじめです。
カンニングをしない子の特徴
(1)幼い
カンニングをするということすら思い至らないこもたくさんいます。もしかしてこの子たちが多数派かもしれません。
たとえ前の子の答案が丸見えだったとしても、気が付きもしないのです。ひたすら自分の答案に向かっています。
(2)正義感が強い
ずるいことが大嫌いです。カンニングはするのはもちろん、されるのも大嫌いです。
真面目な小学生に多いですね。
(3)勉強を頑張っている
勉強を頑張っているのです。その日のテストにそなえて必死に勉強してきました。だから、自分ひとりの力で解きたいのです。姑息な手段など絶対に使いたくないのです。
これが理想ですね。
カンニングのバリエーション
(1)机の中のカンペを見る
さすがに小学生で、「カンニングペーパー」を用意している子はいません。
テキストやプリントを見えるように机の中に隠し、教師の目を盗んでこそこそ見るのです。
はっきりいって重症です。
「わからない問題をちょっと見てしまった」レベルでないからです。
テストを受ける前から、答を見る気満々です。
(2)自分の解けない問題だけ、他の生徒の答案を盗み見する
まだ軽症?かもしれません。
一応自分の力で頑張ってはみたのです。でも、どうしても知らない知識・覚えていない知識があるのですね。そこでつい隣の子の答案を見てしまう。
理科・社会のような知識系教科に見られます。
(3)最初から最後まで、全て他人の答案を盗み見する
はっきり言って重症です。
自分で努力する気がゼロだからです。
こういう子は、第1問から解こうとはしません。見えた答から写していくのです。また、隣の子が解き終わるのを待ってから盗み見して書き写します。
塾は注意できない
教壇に立つ立場になってわかったのですが、生徒のカンニングは、軽微な物でも100%わかるのですね。
しかし、教師はそれを注意しないことがほとんどです。
せいぜい教室全体に向けて、「カンニングしないように」と厳しく注意を与える程度です。
残念ながら、カンニング常習犯の耳にはこのメッセージは届きません。
そこで、こうした生徒の座る席を、カンニングができない席に移動させます。
これは、物理的にカンニングを防ぐ「対処療法」にすぎません。抜本的な治療ではないのです。
しかし、そうした生徒の「心の闇」にまで入り込んで矯正することは、塾の教師にはほぼ不可能です。なぜなら、接している時間が短すぎるからです。週1~2回、1~2時間程度の時間しか接していませんので。
本来ならご家庭に連絡をして、家庭で解決していただくべき問題です。
しかし、家庭に連絡することはありません。
「お宅のA太君がカンニングをいつもしています」
「そんなことあるはずないでしょ!」
「お宅のB子さんがカンニングしていますね」
「B子! そうなの?」
「ううん、私やってないよ」
「娘はやっていないっていってるじゃないですか!」
返ってくる反応が予想できるからです。
「お宅のC男さんにカンニングされている子からクレームが入っているのです」
「やっぱりそうですか! そうではないかと薄々気づいていたのです。ご迷惑をかけて申し訳ありません。私からも厳重に言い聞かせますので、もし今後とも続くようなら、先生からも厳しく指導をお願いします」
こんなご家庭は皆無です。
「うちの子がカンニングなどするはずがない」と思い込むことと、わが子を信じることは違います。
子どもの弱い気持ちも十分に理解して受け止めてほしいと思います。
対処法
勉強を頑張らせる
結局はこれが最善手です。頑張った生徒はカンニングしません。する子は、頑張り切れていない子、まるで頑張らなかった子ばかりです。