中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】不正をする子どもの心理

今回は、「嫌な」後味の話題です。

しかし、避けては通れない話題でもあります。

隣や前の子の答案を盗み見る

一番多いカンニングがこれですね。

授業中のちょっとした小テストなのに、必ず他の生徒の答案を盗み見ようとする生徒がいるのです。

数えたわけではありませんが、20人いれば1人や2人はいるかな。

4年生くらいまでのカンニングは可愛いものです。首を亀のように伸ばして見ていますので。

こうした「罪の意識」がないカンニングについては、毎回厳しく注意をしているうちに、だんだん減ってきます。カンニングが悪いことであることを理解してきますし、ばれたら怖いということもわかってきます。なんといっても自分のためにはならないという自覚が芽生えてくるからです。

しかし、6年生のこの時期になってもまだカンニングしている子は、重症ですね。

顔を伏せ気味にして、前髪で表情を隠しているつもりでも、目だけは思い切り「すがめ」となっていますから。もうその表情は「醜い」の一言です。

また、片腕を額のあたりにあてて、教師の視線をさえぎる素振りをする子もいますね。全てバレています。

 

机の中に隠した解答を盗み見る

 ふだんのちょっとした小テストだと、こうした生徒もみかけます。覚えてこなかったのでしょうね。情けない話です。

 

教師はカンニングを放置する

 全員ではないでしょうけれど、多くの塾の教師は、カンニングを見つけても放置します。せいぜい全体に向けて厳しく注意をする程度です。

 あとは、くだんの生徒の脇にたって見張ることもしますし、席順を一番前に変えたりもします。もっともこうした生徒は、一番前の席に座って左右が空席となっていても、さらに2つ離れた生徒の答案を見ようとしますから。

 一般には、親が点数にこだわる家庭だから、と言われていますが、そんなこともないと思います。子どもなので、自分の弱点=答案用紙の空欄を正面から受け止められないのでしょうね。かといって適当な答えをかくほど図々しくもない。そこでキョロキョロするのだと思います。

 しかし、とくに6年生にもなると、教師の注意は有効ではありません。本人は絶対に認めようとはしませんし、御家庭とのトラブルに発展することが多いのです。

だから放置します。

 お子さんの答案用紙を丁寧に調べてみましょう。順番に答えを導く問題なのに、いきなり問6の答えから書いていたりはしませんか?

 

答を書き写す

 6年生のこの時期から、過去問の演習を家庭でやるようになります。塾に提出させる場合も多いですね。

 しかし、そうして回収した生徒の解答を見ると、模範解答を書き写したものが必ずあるのです。しかも記述答案です。

 さすがに教師はプロですからすぐに見抜きます。生徒を呼んで問い詰めても、認めないですね。あくまでも「自分で考えて書いた」「たまたま解答が似ただけだと思う」と主張します。

 これは危険な兆候です。

 なぜなら、受験校の過去問で高得点を取るので、親が勘違いするのです。

「この学校の合格点をいつもクリアしている。合格できる!」

 試験範囲の無い模試と、過去問演習の得点があまりに乖離している場合は要注意だと思います。

 

どうしたら?

 難しいですね。

 お子さんがそうした「不正」の常習犯である可能性のほうが小さいからです。無実の子どもを問い詰めるわけにはいきません。かといって、不正を放置すると、受験本番で痛い目に合うことになります。

 もし少しでも怪しい兆候を感じたのなら、塾の先生に相談したほうがよいかもしれません。ただし、何を言われても動じないでください。

 不正をしてしまうという弱い心も含めて、お子さんを受け入れて理解しなくてはならないのですから。