先日、こんな本を出版しました。
この本で書ききれなかった、社会科の具体的な学習法について、実は昨年記事にしているのです。
改めて読み返してみると、自分で言うのも何ですが、実によくまとまっています。
これは海外で社会科を学ぶためのアドバイスですが、もちろん国内受験生にもそのまま適合します。
ここで、簡単に抜粋してみます。
【教材】
(1)小学校の教科書
当たり前ですが、これが基本です。
ただし、あまりに「基本」過ぎて、中学受験には全く物足りません。
ここでは、学年を先取りした学習用の教材として扱います。
1年~2年先取りするくらいでちょうどよいと思います。
(2)中学生の教科書
これがベースとなります。
何せ中学入試問題は中学校の先生が作成していますので、日頃手元にあり親しんでいる教科書レベルの問題が作られるのです。
地理・歴史・公民の3冊に分かれています。
出版社はどこのものでもかまいませんので入手してください。
※注意
どこの出版社のものでもかまわないといいましたが、以下の出版社から選びましょう
◆東京書籍
◆教育出版
◆帝国書院
◆山川出版
◆日本文教出版
◆学び舎(歴史)
これらを選ぶ理由は簡単です。私立中学の採用が多いからです。
(3)日本のすがた(国勢社)
これは地理資料集&解説が小学生向きに書かれたものです。
「日本国勢図会」という毎年刊行される分厚いデータ集があるのですが、その簡略教育版といった位置づけです。元の「日本国勢図会」は大人向けなので、子どもに与えてはいけません。大人でも退屈です。(仕事柄私は好きです)
そこで「日本のすがた」にしましょう。
(4)地図帳
中学校用のものを用意します。帝国書院のものを買ってください。
(5)歴史史料集
これは、いくつかの出版社でだされています。「中学生用」のものを入手してください。
用意するものは以上です。
「あれ、参考書は?」と思われるかもしれません。
たしかに書店にいくと、「中学受験 社会科」のジャンルの分厚い参考書が並んでいます。
「応用自在」「自由自在」といった昔からあるものから、最近のものまで。
ただし残念ながら、これらはほとんど役に立ちません。
あまりにも知識が要約されすぎていて、頭に入りにくいのです。
しかもデータが古い。
したがって買う必要はありません。
(6)問題集
知識暗記型の一問一答式の問題集は1冊あっても良いと思います。暗記の道具として使います。
それ以外の問題集は不要です。
(7)入試問題集
これが、6年生になってからの学習のメインとなります。5年生までに知識の取得はほとんど終わっていますので、6年生以降はひたすら入試問題を解き、その間違い直しをする学習スタイルになります。
【学習法】
教科書を精読し、資料集や地図帳を開く。シンプルですがこれが基本の学習スタイルです。
最近の教科書は、生徒にいろいろなことを考えさせる工夫が見られます。とくに中学校教科書は工夫されていますね。これを丁寧に学ぶだけで、相当な理解が得られると思います。
そして、前述したように、6年生になるとひたすら過去問演習を実施してください。
とくに記述が重要です。
これだけで、中学入試に必要な社会科の力はつくのです。