中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中高一貫】中学1年、夏までに大切なこと

中学進学、おめでとうございます。

真新しい制服を着て臨む入学式がそろそろですね。

今年は、4/5(土)に行う学校が多いようです。

さて、そんな喜びに水を差すようで恐縮ですが、少々厳しい話をしようと思います。

勉強のスタートダッシュについてです。

目標は、定期試験の満点

 

3期制・・・1学期中間試験:5月中旬~下旬

      1学期期末試験:6月下旬~7月中旬

2期制・・・前期中間試験:6月中旬

 

入学してから、一か月半~2か月半ほどで、最初の定期テストがやってくるのです。

新生活で浮かれていると、あっという間にテストがやってきます。

最初から全力の勉強モードで行く必要があるのです。

もちろん目標は、全科目満点です。

主要教科はもちろん、副教科も手を抜くことは許されません。

 

まさかと思いますが、こんな風には考えていませんよね?

「とりあえず平均点くらいでいいだろう」

「赤点さえとらなければOK」

「まずは学校生活(遊び&部活)を最優先で」

 

甘すぎますね。

いったい何のために苦しい中学受験勉強生活を何年も送ってきたのでしょうか。

しかも、同級生たちは、みなさんと同等かそれ以上の学力・実力の持ち主しかいないのです。一切の手抜きは許されないですね。

 

学習は、授業に始まり授業に終わる

 

中高一貫校の中学生の学習内容は、まさに学校によって、先生によってバラバラです。

文科省の検定教科書を使う場合もありますが、教科書も使う、といった程度でしょう。

しかも進度もバラバラです。

〇数学・・・体系数学1をかなりのスピードで進む

〇英語・・・ニュートレジャー使用。単語数がやたらに多い

〇国語・・・検定教科書使用。ただし独自プリントで文法を詳しくやる

〇理科・・・教師自作プリント。なぜか進化を詳細に学ぶ

〇社会・・・教師自作プリント。相当詳しい世界地理

 

一例ですが、こんなかんじです。

授業に全力集中で臨まないと、簡単に置いていかれます。

中高一貫校は、落ちこぼれるのは簡単なのです。

 

市販の参考書や塾は全く頼れませんので、授業で全てを吸収・理解するしかないのですね。

 

塾には頼れない

 

中高一貫校生を対象とした塾がいくつもありますね。

◆鉄緑会

◆SEG

◆JPREP

◆平岡塾

◆グノーブル

すぐに思いつくのはこれくらいですが、もちろんこのほかにも無数にあります。

塾の世界の常識ですが、その指導力・学習内容はまさに玉石混交です。

なかには、入試合格発表直後から、「早く申し込まないと空席がなくなる!」と焦らせる塾もありますね。

 

こうした塾は、学校の定期テスト対策としては、まったく役に立ちません。

指導方針もカリキュラムも、何もかもが特定の中学校のほうを向いていないからです。

 

つまりこれらの塾に中1最初から通うのは、以下のような生徒達ということになります。

◆学校以外にも塾に行かなくてはならない!と受験産業に洗脳されている

◆東大・医学部を目指すので、学校の勉強よりも塾の勉強を優先する

◆周りが皆塾に行くらしいので、焦って自分も行くことにした

◆塾に行くことが勉強だと勘違いしている

◆学校の勉強では物足りないはずなので、さらに負荷をかけたい

まだ中学校の授業が始まってもいないのに、塾に通うというのは、「冷静な判断力」を疑ってしまいます。

 

本来なら、中高一貫校に通いながら、塾が必要な生徒は以下のパターンだけなのです。

◆明らかに中学校の勉強内容のレベルが低すぎて物足りない場合

◆学校の勉強も、塾の勉強も、パラレルに完璧にこなす能力がある場合

◆学校の勉強が全く理解できず、基礎的な補習塾を必要とする場合

◆男子校(女子校)なので、異性との出会いを求める場合

 

お子さんがこの4パターンのどれかに該当する場合なら何も申しません。

そうでないのなら、今の段階で塾は不要です。

 

家庭学習時間が足りない

 

とある私立中学校の時間を見て見ましょう。



8:25     予鈴
8:30~8:40   朝礼
8:40~9:30     1時間目
9:40~10:30      2時間目
10:40~11:30    3時間目
11:40~12:30    4時間目
12:30~13:20    昼休み
13:20~14:10    5時間目
14:20~15:10    6時間目
15:15              終礼
15:25~17:30 部活動
18:00             最終下校

 

もちろん学校によって、礼拝があったりHRがあったり掃除タイムがあったりと様々ですが、大同小異でしょう。

 

18時に学校を出たとして、家に帰りつくのは、18時半~19時くらいでしょうか。

そこから夕食・入浴等に1時間、もし22時に就寝なら2時間しか勉強時間はありません。23時まで起きていたとしても3時間です。

 

中学受験時代と同じように、すべての無駄を排除し、一切の遊びの要素を取り除いたとしても、この程度しか学習時間は確保できません。

しかし、せっかくの中高一貫校の生活ですから、今まで我慢していたテレビやYouTubeや音楽や楽器や読書等にも時間を使いたいですね。

となると、さらに学習時間はありません。

 

勉強は家でやるもの

→勉強は学校の授業で全て理解し、その定着を家ではかる

 

このように切り替えないといけないのです。