3期制の学校ならすでに、2期制の学校でもそろそろ、1学期(前期)中間試験が終わったと思います。
ずばり聞きます。
どうでしたか?
今回は、このテストに関する話題です。
1学期・前期中間テストの重要性
このテストで、中学校進学後の勉強姿勢がわかります。
たまに勘違いする子がいるのです。希望の中学校に進学することだけが最終目標だと。
だから、目標達成したら、あとは何も勉強しません。
こうした子に共通した言い訳があるのです。
「あんなに受験勉強頑張ったんだから、しばらく自由に遊ばせて!」
これは親も否定しづらいですね。頑張っていたのは事実ですから。まあ、中1の間くらいは自由にやらせてもいいだろう。この子だって馬鹿じゃないんだから、しかもこの学校に合格できたくらいの頭脳だったのだから、大丈夫だろう。
断言します。
大丈夫ではありません。
「だって、AさんもBさんも、全然勉強してないって言ってたよ。たしかに授業中寝てるしね」
「C君もD君も、部活命で勉強する暇は無いんだって。僕と一緒だね」
子ども特有の言い訳が登場しました。
「みんなそうだから」
これがいかに根拠の無い言い訳なのかはわかりますね。
AさんもBさんも他人です。彼らが勉強しないことは、自分が勉強しない根拠にはなりません。C君もD君も実は天才かもしれません。授業を受けるだけで、授業中に全てを吸収できているのなら、家で勉強しなくても平気です。あなたは天才ですか?
実は、中1最初のテストは、いわば学校にとっても試金石の役割を果たしています。
一応中学入試を突破してきた生徒たちです。学校の先生方が作成した、「こういう問題を解ける生徒に入学してほしい」というテストで得点できた生徒たちですね。
しかし、中学入試問題の制約というものがあります。小学生がどれくらいのレベルの勉強をしてきたのかについては、中学校・高校の先生方は知りません。だいたいこれくらいかなあ? という推測で作ったテストです。 したがって、先生方にとっては「不完全燃焼」なテスト問題だったはずです。
しかし、この学校の定期テストは違います。日ごろの授業で指導している先生が作成しますので、自分の指導方針を思う存分反映させることができるのです。
ある先生はこう考えます。授業をきちんと理解していない生徒が得点できないような問題にしよう。
ある先生はこう考えます。記述問題だけで構成しよう。暗記では歯が立たない問題がどこまで書けるかな?
ある先生はこう考えます。中学受験塾で叩き込まれた姑息なテクニックが通用しない問題を出題しよう。
ある先生はこう考えます。授業中に何気なく触れた知識をたくさん出題しよう。授業中寝ていた生徒が痛い思いをする問題だ。
実際にはどう考えるかはわかりませんが、私ならこう考えるかな。
そうして実施した中間テストの得点が低い。
先生方はどう考えるか、これはわかりますね。
「授業を集中して受けていなかった生徒」
このレッテルが貼られるのです。
印象は大事
あるお母さまから聞きました。その生徒は、最難関校の一つに、おそらく「ぎりぎり」の成績で合格・進学したのです。
実際の入試の成績はわかりませんが、親子ともども「うちの子はぎりぎりで合格させてもらったに違いない」と信じています。
私の目から見ても、奇跡の合格ではないが、トップ合格ではない、真ん中レベルとギリギリレベルの中間くらいだったのでは? と思われる生徒でした。
その中学校では、中1から、鉄緑会等の塾に通う生徒が多数いますが、この子は目もくれませんでした。
「まずは学校の勉強を完璧にすることが大事!」
そう考えていたのです。
親も同じ考えです。
「あなたのレベルでは、まずは学校の真ん中にいることを目指しなさい」
こうして、毎日の授業の復習を欠かさない学習姿勢を継続しました。例えば英語の授業では、教科書や副読本、プリント等に出てくる英文は丸暗記します。丸暗記を目指すというよりは、何度も何度も繰り返し声を出して読んでいたために、いつのまにか暗唱できるようになった、そんなかんじでした。
主要教科はもちろんのこと、副教科にも手を抜きません。まさに一所懸命勉強したのです。
最初の中間試験の結果は、悪くはありませんでした。
しかし、「みんな満点に違いない」と思い込んでいるので、手を抜きません。
夏前の担任教師の面談では、べた褒めだったそうです。
しかし、母親は信じません。「きっと誰のことでも褒めてくれる先生なのね」と思いました。
中2になるころには、職員室の先生方の間で、この生徒が真面目で優秀、いわゆる優等生であることは周知の事実となっていました。
他の生徒、保護者、あるいは複数の先生方からの話により、やっと親子で「学校でも優等生である」事実を受け止めることができたのです。
理想的ですね。
一度そう自覚すると、本人にも欲が出てきます。
なんとかこの評価を維持したい。
勉強、とくに中高一貫校の勉強とはかくあるべし、という見本のような生徒でした。
中間テストの成績が良かった場合
きちんと努力しての結果なら、言うことはありません。その調子で頑張りましょう。
しかし、大して努力していないのに結果が良かった場合は要注意です。中学受験勉強の貯金がまだ残っていた可能性があるからです。
これからの学習は、どんどん難しくなってきます。中学受験の貯金など夏前に枯渇します。「勉強してなかったけれどこの成績がとれたから大丈夫」などと決して思ってはいけません。「この成績はおそらくピークで、今後下がる一方だろう」と考えるべきでしょう。
中間テストの成績が悪かった場合
もし塾に通っていたら、すぐに止めるべきでしょう。中高一貫校の学校ごとのカリキュラムにフィットした指導をする塾は存在しません。学校の勉強と異なるカリキュラムの塾の学習が負担となっているのです。今すぐに、学校の勉強1本にしぼるしかありません。
もし塾にも通っておらず、成績が悪かったのなら、生活を見直してください。とくに睡眠時間が重要です。夜更かししてユーチューブ等見てはいないでしょうね?
中学生になって、スマホを買い与えられる子が大半です。そこでスマホの魔力に囚われてしまうのです。
親が管理を強化すべきでしょう。学校から帰ってきたらスマホを預かるくらいでちょうどいいのです。少なくとも、寝室や勉強部屋への持ち込みは禁止すべきです。
もし生活も乱れてはおらず、授業もまじめに受けているのに成績が悪かった場合は、3つの理由が考えられると思います。
①勉強以外のこと(部活等)に夢中な場合・・・子どもは器用ではありません。何かに打ち込めば、その分勉強に障ります。とくに始まったばかりの部活は要注意ですね。真面目に授業を受けているように見えても、頭の中はどうなっているのかはわかりません。また、女子は(もしかして男子も)、ファッションに興味を持ち始めたかもしれません。断言しますが、おしゃれすることと勉強することは相反します。別におしゃれするなと言っているのではありません。そういうものなのです。朝の支度に時間がかかるようになっていませんか? 受験勉強をしていた頃は、その時間に漢字や計算ドリルを片づけていたはずですね。
②勉強のやり方が間違っていた場合・・・一所懸命取り組んでいるのに成果が出ない場合は、学校の先生に相談に行きましょう。もちろん本人が、です。勉強のやり方や使うべき問題集など、詳しく相談に乗ってくれますので。
③まわりが優秀すぎる場合・・・難関校であればあるほど、優秀な生徒が多いのです。もう天才としか思えぬ生徒も、努力量が桁違いの生徒もいます。 そうした生徒たちに囲まれていれば、それは成績は伸びませんね。とくに、最難関校にそうした天才・秀才・多才な生徒がたくさんいます。「これ以上の偏差値だったらこの学校ではなくてもう一段上の学校を受験する」という層が存在しないからです。そこが最上位の学校ですので。開成・麻布・筑駒・桜蔭・女子学院・渋谷渋谷(女子)・渋谷幕張といった学校がそうですね。
この場合は、必死に食らいついていくほかないですね。そういう学校だからこそ進学したはずです。もっと緩い学校に転校する選択肢がない以上、努力しかありませんので。