中学受験が近づくにつれて、やることが増えてきます。
しかし、一番大切な準備=勉強 は子ども本人の仕事です。
ここでは、親のするべき準備について詳細に検討してみます。
- ✔ 募集要項の準備
- ✔ 調査書の依頼
- ✔ 通知表のコピー
- ✔ 写真の準備
- ✔ お金の準備
- ✔ ホテルの予約
- ✔ 集合日・制服採寸日・説明会日程の確認
- ✔ 滑らない靴の用意
- ✔ 学校の下見
- ✔ 当日の服装
- ✔ 筆記具
✔ 募集要項の準備
当たり前のことですが、最重要の準備は出願です。
しかし、これがなかなか複雑なのです。
今はWEB出願になりました。そしてほとんどの学校が、「miraicompass」という同じシステムを使っています。東京だけですが、ほんの一部を紹介します。
穎明館・芝浦工大附属・國學院久我山・学芸大竹早・成蹊中・高輪・ドルトンン東京・白百合学園・跡見学園・桐朋女子・三輪田学園・渋谷渋谷・広尾小石川・三田国際科学・学習院女子・女学館・実践女子・攻玉社・成城中・お茶の水・大妻中野・城北・サレジアン国際・東洋英和・本郷・頌栄女子・世田谷学園・桐朋・芝国際・筑駒・桜蔭・恵泉・慶應中等部・成城学園・昭和女子大附・品川女子・明大明治・大妻多摩・広尾学園・香蘭・巣鴨・山脇・海城・開成・麻布・・・・まだまだあります。
事実上、出願システムのスタンダードとなっています。
すでに、説明会等イベントの申し込みで、ミライコンパスのID登録をしている方も多いでしょう。
全ての学校が全く同じ手順にしてくれればよいのですが、そうはなっていません。このシステムは、学校ごとに変更して使えるシステムなのです。
写真についても、一度登録すれば、あとは受験票に学校側(システム側)で写真まで印刷済のものが出力できる場合もあれば、自宅でプリントアウトした受験票に写真を自分で貼って持参する場合もありますし、そもそも写真すら不要の学校もあります。2回入試・3回入試等で、前日夜24時出願締切などという学校ですね。
また、志望動機を入力する必要がある学校や、WEB出願後に小学校の調査書を送付させる学校もあります。
受験予定校の全ての募集要項を手元に揃えるのが、準備の第一段階です。
それを見て、出願準備を進めるのです。
✔ 調査書の依頼
少数派になりつつありますが、小学校の作成する調査書を要求する学校もあります。出願書類の中に調査書書式も入っているはずですので、それを小学校の担任の先生にお渡しして記入を依頼しなくてはなりません。
この調査書は、学校の先生は自宅で作業できませんので、学校内で「原簿」を参照しながら記入するものなのです。仮に20名の生徒が3通ずつお願いすれば、それだけで60通も作らなくてはなりません。そこで、12月に入ったあたりのタイミングで、依頼する調査書を全てまとめて、担任の先生に直接お願いに行ってください。
もちろん、依頼には保護者が直接赴く必要があります。子どもにもたせるなどもってのほか。この作業は、学校の先生にとっては、「残業」を意味するのです。せめて直接お願いにうかがうのが筋というものでしょう。
ただし、受け取りについては、子どもにもたせる先生もいますので、そこは臨機応変に。
※中学校が要求する調査書内容は様々です。何をどこにどのように書いてほしいのか、わかるようにしておきましょう。
※書いていただいた調査書は学校の正式な封印が押されます。決して覗き見ないでください。今更見たところで仕方がありませんので
✔ 通知表のコピー
中学校によっては、通知表のコピーの添付を求める場合もあります。これも募集要項をきちんと確認し、必要な枚数+α、コピーして準備します。
✔ 写真の準備
写真撮影方法は4パターンです。
〇専門写真館
〇カメラ屋
〇スピード写真機
〇自宅撮影
このうち、最もお薦めできるのはカメラ屋です。自宅近くの駅中やショッピングモール等に、大手カメラチェーン店があると思います。そうしたところでは、証明写真の撮影も行っています。
例として、「カメラのキタムラ」のHPを確認しました。
スタンダードプランで、撮影&データorプリント(4枚1組)で2380円とありました。これに焼き増しプリントを追加しても、5000円でおつりが来ます。
そこにはこんな注意があります。
※出願する学校によって写真の規定が異なります。
・必要な写真:用紙に貼り付けるのか、持参するのか、データ登録なのか
・:カラーか白黒か
・サイズ:プリントの場合(縦4cm×3cmが一般的)とデータの場合(pixel)
・データ画像形式:ファイル拡張子は「.jpg」、「.jpeg」、「.png」が一般的
・ファイルサイズの上限(2MB以内、等)
学校によっていろいろですので、それらを一覧表に整理してカメラ屋に持ち込めばよいのです。
専門写真館での撮影については、自宅から最も近いのが写真館で、かつお金が有り余っている場合だけしか推奨できません。
例えば「銀座三越伊勢丹写真館」で調べると、女子のヘアセットを頼み、プリント6枚にデータをもらうだけで、22320円もかかります。細かい注文を出すと、その都度料金が跳ね上がるシステムです。
受験期は何かと物入りな時期ですので、無駄な出費は避けるべきだと思います。何より、わざわざ写真館まで行く時間が無駄です。その時間があれば入試問題を一つでも解いたほうが合格に近づきます。
◆スピード写真機
最近のものは、データがダウンロードできるものも多く、出願にも使えなくはないようですが、サイズの調整等自分でやるのが面倒ですね。
これは緊急時用ということで、一応自宅から一番近い証明写真機をチェックしておくだけでよいでしょう。
◆自宅での撮影
これはNGです。学校によっては、ミライコンパスの出願用写真は自宅撮影のものでも可としているところもあるようですが、はっきりと禁止している学校もあるのです。
※注意
某カメラ店の「受験生応援パック」というものを見ると、修正込となっていました。美肌補正・小顔補正・口角アップ・肌荒れ補正等様々な修正が提案されています。これらは決して頼んではいけません。お見合い写真ではないのです。写真の印象で合否は変わりません。むしろ写真の用途を考えると、修正加工などあり得ません。
✔ お金の準備
必要なお金は3種類です。
◆受験料
◆入学金・授業料
◆寄付金
◆制服・備品代
受験料については、出願をうまく工夫すると、節約できる場合もありますね。例えば2月3日以降の「押さえ」の学校については、受験しなくて済むかもしれませんので。
入学金については、合格を押さえる目的で納入させられる場合もあります。学校によっては、納入時期を遅らせて設定してある親切なところもありますが、他の学校の発表前に手続きをさせる学校もあります。
例えば慶應普通部は、合格発表が2月2日の19時~20時ですが、入学手続き書類の配布も同日の19時~20時となっています。そしてこんなことが書いてあるのです。
書類配布時間内(19時~20時)に書類を受け取らない場合は、事情の如何を問わず「辞退」として処理します。
ここまで「上から目線」の学校を私は他に知りません。
いちおうWEB発表もあるのですが、普通部受験生の保護者は、合格発表当日の19時に学校近くで待機している必要があるのです。慶應普通部の倍率は3倍弱といったところですので、不合格だった数百名の保護者が日吉からすごすごと帰ることになるのですね。その心中は察するに余りあります。
また、入学手続きは、2月3日の9:30~11:30/13:00~15:00です。詳細は募集要項には書いていませんが、それまでに入学金&授業料の1495000円を銀行振り込みしておく必要があるのだと思います。それ以外に、寄付金を最低36万円納入する必要があります。
寄付金については、あくまでも「任意」となっていますが、実質上「強制」と思ってください。これはどの学校もで同じですね。
例えば、慶應中等部や慶應湘南藤沢が本命で、普通部を「押さえて」置こうと思うと、これだけの費用がかかります。(授業料分納にすれば46万円くらい節約できます)
◆制服・備品代
以外とこれが高いのです。こちらも予算建ての必要があります。
✔ ホテルの予約
家から近い学校でなければ、ホテルへの前泊も検討する必要があります。
ホテル前泊のメリットについては以下の記事に詳しく書いています。
✔ 集合日・制服採寸日・説明会日程の確認
入試終了後も、学校に呼び出される機会は意外とあります。
まず集合日。これは、例年2月11日やその前後の土日があてられています。開成の場合は、2月11日に「合格者説明会」という名称で、受験生本人と保護者が1名行かなくてはなりません。
これは、実入学者の確定のためにあるのです。
例えば開成と筑駒と聖光を全て合格した生徒がいたとして、開成に入学金を納めて手続きしたものの、辞退して他の学校に進学する生徒も必ずいるのです。しかも、きちんと辞退連絡をしてくれればよいのに、そのままにしている家庭も多いのです。
開成の中学受験の募集定員は300名ですが、例年400名ちょっとの合格者を出しています。つまり100名は「辞退」しているのですね。
従って、どの生徒が「本当に通ってくれる入学者」なのかを確定するために、各学校が同じ日に「集合日」を設けるのです。
これは確実に参加しなくてはなりません。
受験終了後のご褒美家族旅行など企画している場合も、学校の集合日・備品購入日などをきちんと確認して、日程を調整する必要があるのです。
✔ 滑らない靴の用意
最近は受験当日に雪が降ることもなくなりました。とはいえ、こればかりは予測不能です。雪にならなくても、前日に振ったみぞれ混じりの雨が凍結しているかもしれません。しかも、なぜか学校は坂の上が多いのです。
いつも履いているスニーカー、靴の底が滑りやすくなっていませんか? 滑りにくい靴が一足あるだけで、どれだけ心強いことでしょう。
こんな非常用の商品もあります。タイヤチェーンの靴版のようなものです。
左側は簡易的なもので、巻いたり外したりが簡単です。こんなものでも、非常時にはとても役立ちます。右のものはけっこう本格的なもので、凍った雪道もガシガシと歩けますが、付け外しがちょっと面倒です。
その他、「靴・滑り止め」で検索すると、登山靴に装着するアイゼンまでヒットしましたが、さすがに雪山登山ではないので。
大人はこうした簡易商品でもよいですが、子ども用には、滑りにくいスニーカー、できれば雨にも強いものが1足あると安心だと思います。
今から履きならしておくとよいでしょう。
✔ 学校の下見
車両故障や大雨等、予定していた電車が止まるリスクは想定しておく必要があります。複数の駅を利用した学校までのルートの確認は大切です。
✔ 当日の服装
試験会場の教室の温度設定は微妙です。暑すぎたり寒かったりした愚痴を受験した生徒からよく聞きました。温度調節のしやすい服装をご用意ください。最悪なのは、薄着にダウンジャケットのような服装です。
✔ 筆記具
以前から、試験で使用する筆記具については書いてきました。鉛筆が基本です。今から慣らしておきましょう。