元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】通っている塾の指導内容を総点検したほうがよいのかもしれない

中学受験生のほとんど(ほぼ全員)が塾に通っていると思います。

通信教材&自宅学習のみでチャレンジする方もいるかと思いますが、これも「通信教育」という名の塾の一種です。

しかし、今お通いの塾は、本当に最後まで信頼できる塾でしょうか?

 

塾との信頼関係が大切

本来は、塾と生徒と保護者、この3者が信頼関係でつながっているのが「理想」の塾でした。私も「全て先生におまかせします」、こう言われて奮い立った経験などいくらでもあります。信頼されない塾は自ずから淘汰されていったのです。

しかし、近年はだいぶ事情が変わりました。「塾は利用するだけの存在」と考える保護者が増え、塾も「お金だけいただければ・・・」という姿勢になります。これは別に悪いことではなく、「信頼」から「ビジネス」へと関係性が変化しただけです。

しかし、子どもたちは違います。塾といえども、「先生」と呼んで教えを乞うわけですし、そこにはやはり「古典的な信頼関係」が成立しています。

 

信頼に値しない塾も多い

全ての生徒にとって「完璧」な塾などありません。通っていれば何かの不満が生じるのは仕方がないのです。とはいえ、プロの私の目からみて、「それでいいのか?」と疑問に思う塾もたくさんあるのが事実です。

私が考える、「信頼に値しない」塾について考えてみます。

(もし現在お通いの塾が該当するとしても、あくまでも私個人の教育観に基づく意見ですので、無視していただいて結構です。ご自身の目で確かめるのが一番ですから。あくまで参考意見程度にお考えください)

(1)まともに教えていない

いくらなんでもそんな塾は無い! と思いたいですが、現実にはたくさん存在します。

私は高学年を指導することがほとんどですので、小6になってから初めて教えるようになる生徒がたくさんいます。そうした生徒たちに、基本的な質問をしてみると、驚くほど答えられない生徒がいるのです。

「日本の平均耕地面積は?」

「日本の経営耕地面積が増加したのはなぜ?」

「日本は狭い国?」

「集約農業について説明して」

「大農法と集約農業の違いは?」

「水田耕作の利点を5つあげて」

「北海道の一戸当たりの経営耕地面積が広い理由を説明して」

「日本の一戸当たりの経営耕地面積が狭い理由を5つあげて」

「やませについて説明して」

これらは、小4のときに学ぶ、地理の基本です。

6年生にもなってこんな基本的な質問にも即答できない子が普通にいるのですね。

これは、はっきりいって、通っている塾の怠慢です。きちんと指導していないのです。そのあとに定着させることもしていないのです。

 

(2)塾の特殊なやり方を押し付ける

ある中堅塾の生徒を6年生から指導しました。この塾は、5教室程度の校舎展開をしていて、地元での評判も良いとされている塾です。合格実績もそれなりに出ています。

しかし、かなり癖のある塾ではありました。

〇外部模試は一切うけさせない

〇進路指導は教師の勘で行う

まず、外部模試は一切受けさせないのです。この塾の規模では、内部の生徒だけのテストでは、まともに偏差値すら算出できません。したがって子供の成績が把握できず、受験生全体の立ち位置も把握できないのです。

「授業の様子とベテラン教師の判断で志望校を決める」というのが方針でした。

あり得ません。

首都圏なら、四大模試・・・SAPIX/四谷大塚/日能研/ONETES(旧首都圏模試)のいずれかの模試を受験するのが常識です。模試の偏差値だけで志望校を決めるわけではありませんが、参考データとして必須です。

おそらくは、外部模試を受験されてしまうと、「塾の指導力が無い」ことがバレるので、受験させないのでしょう。少なくとも私にはそれ以外の理由は思いつきません。この塾の評判を支えているのは、「たまたまうまく行った」生徒たちだったのだと思います。少なくとも私の指導した生徒は、3年も通っていたのに可哀そうなくらいに知識不足でした。

 

(3)洗脳系

はちまきで子供を煽ったり、精神論を振りかざす塾は、それだけで信用に値しません。精神論では受かりません。

子供はやはり子供で、大人がその気になればいくらでも「洗脳」することは可能です。しかしそれをやってしまえば、もはやそれは「教育」でもなければ「ビジネス」でもないですね。

また、洗脳の矛先は保護者にも向くのです。

「〇〇先生がそうおっしゃるのなら」とばかりに、どんな理不尽な指導にも無条件でついていくようになればおしまいです。とくに個別指導の先生に多いのですが、もはやそうなってしまうと外部のまっとうな意見に耳を貸してはくれません。

だいぶ昔の話ですが、とある中学校の入試会場で見た光景は今でも覚えています。

当時は校門前での入試激励が慣例でした。

その学校の校門前に私もたって生徒と握手などしていたのですが、近くには某塾の塾長がいて、生徒たちを一列に並ばせて、頬にビンタをしているのです。それを遠巻きに母親たちが見守って、「〇〇先生ったら相変わらずね」と嬉しそうにしているのです。

わが子が他人に殴られているのをニコニコ笑ってみている母親。もはやこれは「宗教」ですね。あまりに異様な光景でした。

幸いにしてその塾はとうの昔に潰れてなくなっています。それはそうでしょう。

 

(4)安請け合いする

これも多いですね。「全ておまかせください!」という塾を私は「おまかせ系塾」と名付けました。本当にまかせても大丈夫なら良いのですが、残念ながら「おまかせ系塾」にまともな塾はありません。入試を知れば知るほど、「大丈夫、まかせてください!」などと言えるはずもないからです。それを言うということは、嘘でもなんでもとにかく生徒を集めさえすればよくて、合格に導く責任感などない塾だということです。