元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】中受のデメリットを考える

前回の記事で、中受のメリットを考えました。

しかし、メリットばかり考えるのはよくありませんね。そこで今回は中受のデメリットを考えます。

※メリットもデメリットも、人がそれをどう受け止めるのかによって変わります。ここで書くのは、あくまでも私個人の意見としてのデメリットです。

お金がかかる

のっけから下世話な話で恐縮です。

しかし、まぎれもない事実ですから。

中学受験→私立中高進学にはお金がかかります。中学受験だけだったら、「塾に行かない」という選択肢を選ぶことで、500万円ちかくの費用が節約できます。

※興味のある方は、ぜひ拙著をお読みください。

多くの方は中学受験塾に通わせると思いますが、塾代だけでも300万円~500万円くらいはかかる覚悟が必要です。

さらに進学後の学費がかかります。いくら高校無償化とはいえ、全てが無償ではありません。また、制服代や、修学旅行代、部活費用や短期留学など、私立ならではの出費があります。友達どうしでの遊びでも、「近所で遊ぶ」公立中学よりは、お金がかかるでしょう。

遊びの費用はともかくとしても、勉強や有意義な体験に使う費用なら、せっかくの私立ですので出してあげたいですね。

これらの出費を「高すぎる!」「不要!」と考える場合には、お金がかかることは大きなデメリットになります。

 

通学時間がかかる

よほど近所の私立に進学しないかぎり、電車・バス等を利用した通学となります。

東日本大震災以降、非常時対応を考えて遠くの学校が選ばれなくなってきましたが、それでも片道1時間くらいは普通です。

これが、歩いて通える近所の中学校なら、往復で30分以内でしょう。高校になれば条件は同じになりますが、中学3年間の、1時間以上の時間の差は大きいですね。

 

地縁が薄れる

小学校は近所の公立小学校に通ったとしても、そこから私立に進学すると、小学校から公立中学校に進学した友人たちとの付き合いが希薄になることは止むを得ません。

よく聞く話としては、「成人式がつまらなかった」というものがあります。成人式では、出身中学校ごとに集まることが多いのだそうです。そこに居場所がありませんから。私自身はそこに何のデメリットも感じませんが、地域密着型のライフスタイルで、地縁を大切にする方にとってはデメリットとなるでしょう。

 

小学生なのに遊べない

これは、「小学生は勉強しないで遊ぶことが大切」という価値観に基づけば成立するデメリットです。

私自身は、小学生でも勉強すべきだという価値観なので、デメリットには思えません。

 

ひ弱な子が育つ

たしかに勉強漬けの日々は、運動不足になりがちですね。

もっとも今どきの小学生たちも、公園で走り回っている子はほとんどみかけません。公園のベンチで集まってゲームをしている姿はよく見かけます。

 

親どうしのつながりが薄くなる?

これは人によります。小学校時代に、近所にママ友が大勢いて、しょっちゅう集まっていた方にとっては、デメリットになるのかもしれません。もっとも卒業生の保護者に聞いたところ、自宅最寄り駅にも同じ学校に通う同級生が複数名住んでいたり、同じ沿線の近くの駅を利用したりしているのは珍しくはないそうで、よくランチで集まっているとのことでした。また学校オフィシャルの保護者の同好会?のようなものもあり、そこで大勢の同級生の母親・父親とつながって仲良くやっているそうです。

したがってこれはデメリットではないですね。

 

多様性が学べない?

これは、私立に進学する生徒の家庭環境が似通っている、ということなのでしょう。

たしかに公立中学校には、「近くに住んでいる」という条件しかありませんので、多種多様な家庭環境の子が集まります。

この多様性を「好ましく思う」のかどうかによって、メリットにもデメリットにもなるのでしょう。

また地域差も大きいですね。

公立中学校でも、落ちついた雰囲気で教育熱心な家庭の子供が多い学校もありますし、その反対もありますので。

反対に、私立に見られる様々な地域から生徒が集まる「多様性」もあります。

 

他人を見下すようになる?

この意見はたまに目にしますが、私には意味がわかりません。努力をした子が努力をしない子を見下す、ということなら、そんなのは当たり前です。来年の試合に向けて、毎日暗くなるまでボールを追いかけて練習した子が、練習も全くしないで試合でミスを連発した子に向かって、「練習をしない君が悪い」と言うことはいけないことなのでしょうか。ただし、それだけの理由で、「全てにおいて俺がすぐれている」と思いあがるのは間違っています。

結局のところ、人を見下す人間になるのかどうかは、中学受験とは無関係です。そうした人間はどんな道を選んでも関係なく、そういう行動をとるのだと思います。

 

勉強しかできない「使えない」人間になる?

これもよく聞きますが、やはり意味がわかりません。「使えない」というのは、社会で役に立たない、という意味でしょうか。勉強ができない「使えない」人間よりはるかにましだとしか思えません。

 

一所懸命「中受のデメリット」を考えてみたのですが、最初の二つ、「お金がかかる」「時間がかかる」以外に思いつきませんでした。

あとはあえて書きませんでしたが、「親が大変」というデメリットもあります。子供の成長のために自分も努力したり犠牲を払うのが嫌な親なら、これもデメリットと捉えるのでしょう。