
私はことあるごとに「過去問演習」の重要性を訴えてきました。
とにかく、入試の得点力を上げるためには問題の演習量が必要なのです。しかも、歯ごたえのある「負荷のかかる」問題でなければ効果はあがりません。そしてそうした問題としては入試問題に勝るものはないのです。
しかし、いつからどのように取り組むべきかについては塾によっても様々で、軽視されがちな風潮すら見受けられます。今回は取り組むタイミングについて書くことにします。
やり方
特別な方法論はありません。ただ解くだけです。ただし、以下の点は守りましょう。
①必ず正確に時間を測って解く
終わらないから延長は厳禁です。また、早く終わったから終了してもいけません。見直しでよりパーフェクトに近づける練習をするのです。
②答え合わせは自分でやる
親が〇付けをして点数を出す、これではせっかくの過去問演習の効果が台無しです。自分で答え合わせをして、自分のミス・知識不足に正面から向き合うことが重要です。
※ただし国語の記述だけは大人が見てあげましょう。
③調べても解説を見てもわからないものは質問する
とくに国語で多いと思います。「なぜアではだめなの?」「この記述は部分点がもらえるの?」こればかりは、大人がフォローしないといけません。国語なら親が見ることは十分にできるでしょう。算数については、親が調べて説明するか、あるいは専門家(塾・家庭教師)に頼りましょう。
④ここでいう「過去問」は「志望校の過去問」のことではない
6年生の夏以降、志望校の過去問に取り組みます。この記事で「過去問」と呼んでいるのは、学力の向上に役立たせる目的の入試問題です。様々な学校の入試問題を幅広くとくことが大切です。
過去問に取り組むタイミング
算数
「過不足算」「流水算」「仕事算」「ニュートン算」などの、いわゆる特殊算に関する授業が一通り終わるタイミングから、解くことは「一応」可能です。「一応」と断り書きを入れたのは、入試問題はそう単純にできていないからです。いきなり取り組んでも打ちのめされる結果になるだけですので、せめて6年生になるまでは待ちましょう。6年生からは、易しめの入試問題から取り組み始めてもOKです。
理科
多くの塾で、全くの初出の知識を扱う授業は5年生でだいたい終了します。そこから先はより発展的な知識を扱うと思います。こちらも6年生になるころから、易しめの問題に取り組むことができるでしょう。最近の入試の理科の傾向としては、「資料の読み取り」「実験結果の考察」が良く出されます。これらは「知っている/知らない」では勝負はつきません。こうした問題に早くから慣れておくことはとても大切です。
社会
社会科だけは、知識の取得に手間がかかります。6年生の前半4月~7月くらいで、公民分野を「初めて」扱います。これは前倒しが無理なのです。現代社会の事象を扱いますので、ある程度頭脳が成長していないと理解できません。正直なところ、小6でも本当は早いのです。中学校教科書の中3の内容ですから。
したがって、本格的に過去問に取り組めるようになるのは、7月後半、夏休みからということになります。ここまでは基本知識の取得に全力をあげ、夏以降に徹底的な過去問演習に入るとよいでしょう。
国語
国語は、「範囲の無い」教科です。
漢字だけは、いちおう学年の区切りはありますが、多くの受験生は5年生で6年生で習う漢字もマスターします。
そこで、5年生から過去問を解禁します。
さすがに桜蔭や開成、麻布や海城、白百合や渋幕、武蔵などの難易度の高い入試問題は無理です。
しかし、中堅校やそれ以外の学校では、ごくオーソドックスな問題、読みやすい文章を扱った入試問題を出題する学校はたくさんあります。
国語力向上には、「読解した文章量」「書いた文字数」がものをいいます。これらに最適なのが入試問題なのです。
もし5年生1年間で毎週1本ずつ、計50本もの入試問題に取り組んだなら、6年生になったときにどれくらいの余裕が生まれることか。これは私が過去に実践して成果を上げた方法です。
※注意
国語に関しては、自学自習がほぼ無理です。自分で答え合わせができません。そこで大人の出番です。