
よく中受はマラソンに例えられます。
そして親の役割は子の並走であると。
しかしこの「並走」に疲れてしまった場合、どうすべきでしょうか。
並走に疲れるわけ
子供がきちんと勉強して順調に成績を伸ばしているのなら、並走は疲れません。
もちろん疲れないわけではありませんが、少なくとも「達成感」を伴う疲労です。
しかし、並走に疲れるというのは、成果が上がらない状態なのですね。
つまり、問題の焦点は、子供の伸び悩みにあります。
伸び悩みの正体
まじめに勉強しようとしない、親の言うことをきかない、ズル(答を丸写しする等)ばかりする、塾をさぼる、宿題を出さない、隠れてゲームしてる・・・・・
こんな状態では、並走のしようもありません。そもそも子供本人が走ってすらいません。
こんな状態でも成績が伸びていればよいですが、さすがにそれはあり得ません。
親の気持ちばかりが焦っても子供が動かない。
こうしたご相談も多いのです。
「いったいどうしたら〇〇〇スイッチが入るのでしょう?」
「うちの子の〇〇〇スイッチはどこにあるのでしょう?」
こう聞かれることもあります。
しかし断言しますが、そんなスイッチなど存在しません。これは「うちの子はやればできる子だから」「いつかその気になったら自分で走りだすに違いない」という願望が生み出した妄想です。
また、かろうじて子供が走ってはいるものの、あまりにも遅い、だらだら走っている、すぐ立ち止まり、並走者(親)が叱咤激励するとやっと走り出す、そうした場合もあるでしょう。
これは疲れますね。
対策
そもそも走ろうとしない場合。さすがに子供を背負って走るのは無理です。
この場合は、マラソンコースに乗るかどうか、つまり中学受験をすべきかどうかの見直しが必要です。
「勉強しない」子に育ててしまったことに問題があると考えるしかありません。
きちんと計画的に、幼少時より子供が興味を持てるような勉強をすすめてきたり、勉強するのが当然という環境を家庭内に作っていなかったのが原因でしょう。
小3までは自由に遊ばせていて、4年生からいきなり塾に入れて「さあ走りなさい!」とやってはいませんでしたか?
(もちろん例外はありますが)
中学受験からの撤退を真剣に考える必要があると思います。
ただし、それは勉強からの撤退を意味しません。中学生に向けて勉強の内容を変えるだけの話です。
具体的には英語と国語の強化、そして理科・社会の基礎の取得でしょう。
本当は算数も、といいたいところですが、その負荷はかけられないでしょうね。
とくに英語は突破口になり得ます。英語は「地頭」よりも「蓄積」が物を言う科目だからです。仮に中学入学時に英検で3級レベルならば、公立中学の英語はかなり楽になるでしょう。3級といえば中学卒業レベルとされていますので。
そして国語力は全ての科目の基盤です。しかも一朝一夕には構築できません。小学生の段階からの継続が必須です。
しかし、もしそうした勉強すらやらないとしたら。
残念ながら、そのまま公立中学に進学しても、問題を先送りにするだけになるでしょう。
ほぼ全員が挑まなくてはならない高校受験は、ある意味中受よりも過酷です。
勉強の重要性
こうした子がいました。
とりあえず中受塾には通っていたのですが、全く勉強しなかったのです。とにかく勉強が大嫌いだった。
いちおう受験しましたが、どこにも合格できませんでした。
そこで公立中学に進学したのですが、ここでも勉強しなかったのです。結局は通信制高校しか選択肢はありませんでした。
最近よく見かける、「通学制通信高校」に行くことになったのです。ここでやっと目覚めました。まじめに通学し、勉強も普通に取り組むようになりました。
最終的には、なんとか大学生になれました。
これは、見守り続けた親の忍耐力の勝利だと思います。
普通はなかなかできないですね。
またこんな子もいました。
やはり中受の塾には通っていましたが、とにかく勉強は嫌いだったのです。
そこで親は塾を辞めさせ、英語塾にだけ行かせることにしました。英語塾といっても、厳しいところではなく、楽しい系の塾です。これがどうやらはまったようで、英語だけは楽しく継続できました。
そして、「英語だけの単科入試」で入れる私立中学校に進学できたのです。実は定員割れしていた学校でしたが、本人も親も満足しているそうです。
ただし相変わらず勉強はしません。高校は卒業できましたが、その先の大学入試は無理だとのことで、専門学校に進学しました。親の判断としては、「この子は結局勉強できない子だった。それなら早くに社会にでて自分で稼げる子にしよう」ということでしたね。
人生のいずれかの段階で勉強は必要です。あるいは全ての段階で必要です。
これを回避する術はありません。
塾は親が子供に頼んで通っていただくところではありません。
親の並走が無理なら、どの段階で勉強すべきか、もういちど検討するしかないと思います。
そこまで覚悟できないのであれば、どんなに疲れても並走し続けるほかないのです。