
お子さんとの、「勉強やりなさい!」バトルに疲れると、ふと「中学受験する意義」について考え込んでしまう方がいます。
今さらですが、中学受験の意義について考察します。
1.大学進学に有利
私自身はこれが一番大事だとは思っていないのですが、大学進学への有利さを優先する方も多いですね。
中高一貫校と公立高校を比較すれば、一部の高校(日比谷高校・翠嵐高校等)をのぞけば、難関大学の合格実績上位を中高一貫校が占めていることは事実です。

東大ばかりを取り上げるのもどうかと思いますが、これが現実です。
それにしても、桜蔭は凄いですね。桜蔭に進学した生徒の顔ぶれを知っている私からすれば不思議でもなんでもないのですが。それこそ、「開成でも筑駒でも合格できる」レベルの女子をたくさん教えてきましたので。
また、近年は大学付属中高が人気ですね。大学入試を回避するために中学受験をするという方もたくさんいます。
2.高校受験を回避できる
高校受験の意義というのも理解していますが、高校入試問題、とくに公立高校入試問題を見る限り、あのレベルの問題で高得点を取るために中学3年間費やすと考えると、「足踏み」させられるような気がします。とくに私の専門の社会科については、都立高校の入試問題程度なら、小6でも解けると思います。
さらに「内申点」という不透明な要素があります。中学校できちんとした学習を積み重ねている子にとってはどうということもないのでしょう。しかし、日ごろ「入試の得点のみで合否が決まる」中学受験の世界に身を置いていると、客観評価ではない基準で合否が決まるというのは納得がいきません。同じ理由で、面接で合否が決まる中学も好きにはなれないのです。
3.中高6年間の環境を手に入れる
これを最重要と考える方も多いですね。公立中学を否定するつもりはありません。しかし、「試験をパス」した生徒で構成される中高一貫校の環境は格別です。授業も高度になりますし、教師も生徒の学力に合わせた、というよりそれを超えた授業を展開します。中学生に「共産党宣言」を読ませて議論する、などという授業があるのです。(もちろん共産主義を生徒に教え込む目的ではありません。当時のヨーロッパを震撼させた史料として原典にあたる、という授業なのですね)
4.設備が良い
私自身は学校の設備をさほど重視してはいません。そんなお金をかけさえすれば整えられる「見た目」よりも、教育の中身を重視しているからです。
とはいえ、設備が充実しているにこしたことはありません。カフェテリアやライブラリーがきれいな学校、羨ましいですね。
5.人間関係
3年で途切れるよりも、6年間一緒の関係は格別です。大人になっても続く「宝物」のような人間関係が得られます。
6.中学受験に向けて努力すること
実は、私が最も重要な意義だと考えているのはこれなのです。
中学受験をしない小学校生活を考えてみてください。
もちろん多くのご家庭が、小学校の勉強だけではなく、中学生になるための準備としての学習をやらせるでしょう。英語は必須ですし、国語も重要です。数学とは別世界に思える算数も、実は大きな意味があるのです。もちろん理科・社会も同様です。
しかし、努力してもしなくても自動的に進学できる公立中学進学に向けて、モチベーションを高く維持することは困難です。
その点、中学受験は非常にわかりやすい目標です。志望校合格という目標があるからこそ、今努力できるのです。
極論すると、志望中学合格という成果よりも、合格のために努力したことこそが値千金の経験であると思っています。