元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

広尾学園の発展

広尾学園が大阪に開校するというニュースが公表されました。

大阪北区にある金蘭会中高を共学化して「広尾学園大阪」として2028年に開校します。

そう聞くと、「ああ、定員割れした私立女子校を共学化するアレね」となりますが、もう少し詳しく調べてみましょう。

金蘭会高等学校・中学校とは?

所在地は、JR大阪駅から西におよそ1km、歩けない距離ではないですが、普通は一駅乗って福島駅から徒歩500mです。

四谷大塚偏差値は37、日能研偏差値は35とありました。

今年の中学入試では、募集定員60名のところ、入試日程6回合計で応募者数が56名でしたので定員割れしています。昨年が応募者数が65名、一昨年が67名でした。これは「応募者数」ですので、実際の受験者数はもっと少なかったはず。完全に定員割れが続いていたと思われます。

ちなみに吹田市の金蘭千里学園は法人が異なる別の学校です。

学校法人金蘭会学園の役員名簿を見ていると、何人か気になる名前がありました。

理事長 大橋博

 この方は1966年に学習塾を開き、それが「学校法人創志学園」の母体となったようですね。クラーク国際学園(通信制高校)、環太平洋大学(岡山)、専門学校などいくつもの学校を経営しています。

そういえば広尾学園の創立者(そう言ってもいいですよね。順心女子時代とはつながっていませんから)の大橋 清貫氏もまた、塾の経営からスタートしています。大橋 清貫氏は、その後広尾学園理事長から、三田国際学園の設立を指揮し、サレジアン国際の学園長となりました。なんだかカルロス・ゴーンのような「プロ経営者」のような印象を私は受けますが、凄腕の学校再建人?なのでしょう。

同じ苗字ですが、縁戚関係にあるかどうかはわかりません。しかし、大橋 清貫氏の後に、大橋博氏は広尾学園の理事長を務めていますから、かなり濃い関係にあることは確かです。

この創志学園と広尾学園はカリキュラムや指導について提携関係にあるようですね。

理事 大橋節子

 この方は、広尾学園小石川の運営学校法人村田学園の理事長ですね。環太平洋大学の学長でもあり、大橋博氏の奥様です。

理事 南風原 朝和 

 この方は、広尾学園校長ですね。

 

広尾学園と創志学園が協力しあいながら学校経営をすすめている、ということだと私は理解しました。

 

今後、広尾学園大阪が、東京の広尾学園のような人気を集めるのかどうかはわかりません。東京と大阪は求められるものが違うと思いますので。

しかし、選択肢が増えるということは良いことだと思います。

 

どういう学校になる?

こればかりはまだわかりませんが、学校のHPを見るとある程度の予測はつきます。

冒頭にはこうあります。

3校目の広尾学園へ。
東京都港区で培われ、小石川へ受け継がれた教育の思想と仕組みを、大阪の地で新たに展開します。

港区や広尾と言う地名になじみがない大阪の方にはどう映るのでしょうか。

広尾学園という学校。
高い学力と国際性を育み、生徒一人ひとりの可能性を世界へ広げる。
ここでは、広尾学園(東京都港区)が培ってきた教育の成果をご紹介します。

進路の選択肢は、日本から世界へ。
2026年 合格実績
国公立大学合格者数92名

医学部医学科合格者数113名

早慶上理ICU合格者数403名

海外大学合格者数322名

どうやら、広尾学園の特徴として、海外大学合格者数を全面に出してきています。

たしかに他校の追随を許さぬ見事な実績です。ここは魅力的に映ることでしょう。

しかし、ひとつだけ気になります。

「広尾学園の教育理念を受け継ぐ」とはありますが、「広尾学園大阪」としてのビジョンは見えてこないのです。

生徒は「広尾学園大阪」を選ぶのであって、「広尾学園(港区)」に進学するのではありません。

広尾学園大阪の教育構想、募集要項などの詳細は、決定次第順次公開します。

とありましたので、まだ決定していないだけなのですね。今後の続報、とくに新学園長の声を待ちましょう。

それにしても、教育構想(=理念)がまだ決まっていなくても学校って作れるものなのですね。