元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

教科書やノートのサイズについて考える

前回の記事で、教科書のデジタル化についての私見を書きました。そこでPCのモニターサイズと教科書サイズを比較していたのですが、あらためて気づいたことがあるのです。

学校教科書のサイズの豊富さについてです。

サイズ比較

◆B5判(182 × 257 mm)

 これが昔ながらのサイズです。教科書はB5、プリントはB4というのが定番ですね。

今でも主流だと思います。

しかしご存じのように、この「B判」というのは日本独自規格です。

A判

 
 

mm×mm

 
 

B判

 
 
 

mm×mm

 
 

A0

 
 

841×1,189

 
 

B0

 
 
 

1,030×1,456

 
 

A1

 
 

594×841

 
 

B1

 
 
 

728×1,030

 
 

A2

 
 

420×594

 
 

B2

 
 
 

515×728

 
 

A3

 
 

297×420

 
 

B3

 
 
 

364×515

 
 

A4

 
 

210×297

 
 

B4

 
 
 

257×364

 
 

A5

 
 

148×210

 
 

B5

 
 
 

182×257

 
 

A6

 
 

105×148

 
 

B6

 
 
 

128×182

 
 
 

A7

 
 
 

74×105

 
 
 

B7

 
 
 
 

91×128

ごらんのように、それぞれの世界では倍の展開ですが、両者に互換性はありません。

国際標準規格はA版です。それなのになぜB版なる日本規格が登場したのかは、明治時代に端を発します。

もともと、「四六判」という判型が書籍で使われていたのです。

江戸時代の少し前あたりから、紙が普及してきました。習字でもよく聞く「半紙」は、333mm×242mm、当時なら1尺一寸x8寸です。

しかし、美濃で大名が作らせた半紙のサイズは少し大きく、393mm×273mm(1尺3寸x9寸)でした。「美濃判」というわけですね。

明治になってイギリスからクラウン判とよばれる紙が輸入されましたが、これがちょうど美濃紙の8倍より少し大きいくらいだったのです。そこでこれが「大八ツ判」となり、この紙を32枚に断裁して、4寸2分×6寸2分のサイズの本が作られます。この本の版型を四六判とよびます。

さて、四六判のサイズは127 mm × 188 mm ということなのですが、全紙のサイズは 788 × 1091 mmです。そしてB判は765 × 1085 mmと似ているのですね。

そのため、長年親しまれてきた四六判を維持するために、B判が必要とされた、とこういうことのようです。

明治初期は、いろいろと場当たり的な施策が行われてその後に悪影響を与えましたが、これもその一つということだと私は思っています。

 

◆A4判(210mm × 297mm)

これが国際標準規格です。どうやらドイツ発祥のようですが。

装丁が大切な書籍は別として、あらゆる文書でA4用紙が使われています。ノートやテキストも同様です。

と言いたいところなのですが、アメリカではテキスト類で、8.5×11インチ(216×279㎜)の謎のサイズがはびこっています。「レターサイズ」というやつですね。

A4とB5、そしてA5サイズの教科書を並べてみました。

左から順にA4、B5、A5です。

社会科のように図版が重要な教科はA4がベストですね。でも大は小を兼ねると思うのです。国語だって数学だってA4判にそろえれば、レイアウトに余裕もできて使いやすいと思うのですが。

 

◆AB判 / ワイド判(210 × 257 mm)

これは、学校教科書で見かける謎のサイズです。縦はB5判と、横はA4判と同じです。

B5判の横サイズだけA4判と同じにした、とそういうサイズです。図版等を余裕をもって配置する目的とされていますが、それならなぜ素直にA4にしなかったのかは謎です。

 

サイズ違いの弊害

装丁や持ち歩きを重視するのならわかりますが、学習を目的とする教科書について、さまざまなサイズが混在するメリットが私にはわかりません。

教科書もノートもすべてA4サイズ、そうすればどれだけ管理しやすいことか。

 

実は私は過去に、SAPIXのテキストをA4に切り替える提案を何度もして、その都度壁に跳ね返されたことがあるのです。

ちなみにSAPIXのテキストは、B5の冊子と、B4の冊子(冊子というより、プリント形式のものをホチキス止めしただけ)、そしてB4とB5のプリントが混在しています。

「SAPIXは教材の整理が負担」と言われる所以です。

とくにB4のプリント類は整理がしづらいのです。

そこですべてA4に統一する。テキストには今まで以上の情報を余裕をもって盛り込めますし、プリントの整理も各段にしやすくなるはずです。

しかし、従来のリソース(棚・封筒・ファイル・バインダー・机等)を全て捨てなくてはならないので、予算の関係で却下されました。

 

A4への統一

個人的には、仕事環境は全てA4判で統一しています。PCベースで仕事をしており、基本はPCのモニターに映しますのでサイズは何でもよいのですが、大きめのモニター2枚に、A4書類が拡大して4枚同時に映せますので、効率が良いのです。ドキュメントスキャナー・フラットヘッドスキャナー・カラーレーザープリンター、全てA4です。もちろんファイルも棚もA4に統一します。

こうすると、実に作業効率があがると思います。

 

ところで、よく中学受験生のご家庭で話題にのぼるのが、「A3複合機」購入についてですね。

もちろん本格的な複合機は購入ではなくリースとなるので、一般家庭ではハードルが高すぎます。業務用になりますので。

それでも、レーザープリンターではなく、インクジェットプリンター方式のものが、家庭用として存在します。

どうやらこの機種が中受家庭一番人気のようです。

ブラザーのHPを覗いてみると、「中学受験の新定番!」となっていました。いかに中学受験に当該機種が適しているのか書かれています。

私自身は、レーザープリンターしか使いませんが、こんな複合機が4万円台前半で入手できるのですから良い時代です。

※ただしインクビジネスであることは承知しておきましょう。