
夏休み直前のこの時期に多くなる相談があります。
「どうしたら国語の成績があがるでしょうか?」
例えば算理社の偏差値が60くらいあるのに、国語だけ40しかない、そういった相談です。
これが4年生くらいならまだいろいろな手が打てるのですが、6年生ともなると打てる手は限られてきます。
今回は、6年生を想定した、「緊急避難的国語力向上」大作戦とまいりましょう。
1.現状把握
そもそもどうしてこんなになるまで放置していたのでしょうか。
おそらくは、塾では「算数が大事!」「中学受験は算数で決まる!」といった間違った指導を受けてきたのだと思います。
塾にとっても算数は指導で差をつけやすい科目ですから自ずから力が入ります。
また、算数は家庭で教えづらい科目です(本当はそんなことは無いのですが、そう見えるし、塾もそう言い続けます)。そこで、家庭学習といえば、算数から始まり算数に終わる、つまり算数をやっているだけで時間がなくなるのですね。理科・社会については、塾の小テストなどがある直前にちょこちょこと暗記を試みるだけ。そして国語は後回しにしてしまいます。国語は今さぼっても点数には即座に反映しませんし、まじめに取り組んでも点数に反映しづらい科目です。そこで、漢字や語句をちょこちょことやるだけで、長文読解にとりくむことなく日々が過ぎていくのです。
これでは国語ができるようになるはずがありません。また、親の側にも「国語なんか勉強しなくても点数がとれたよ」という思い出があり、どうしても子どもに真剣に取り組ませません。
もし今この記事を読んでいるのが小5以下なら、今から国語の学習に力を入れてください。今からならまだ間に合いますので。
さて、国語が苦手な生徒を見てみると、いくつかの特徴があります。
(1)字が汚い
別に達筆である必要はありませんが、漢字問題のような丁寧に書かねばならないものまで、雑に書きなぐってあるのです。記述にいたってはひらがなですら読解に苦労するレベルです。経験上、読みづらい答案は内容もダメな場合がほとんどです。逆にきれいな字で読みやすく書かれた答案は、内容も良いものなのです。
字が汚い理由は、おそらく文字・文章を書くのが嫌なのでしょうね。そして「丁寧に書こう」「読んでもらおう」という意思がないのだと思います。
(2)漢字を使わない
知っている漢字もすぐにひらがなで書こうとします。書けないわけではないのです。ただ、漢字を書くのが面倒なのですね。そして、文中の語句を使った記述や、抜き出し問題ですら、勝手にひらがなに置き換えて書くのです。
(3)漢字・語彙・文法問題を必ず落とす
そもそも語彙力が低く、文法知識も曖昧です。
(4)問題の指示を無視する
「文中の言葉を使って」という指示があるのに、それを守らない。
「次の語句を用いて」とあるのに使わない。
「正しいのか間違っているのか、どちらかを選び、その理由を説明しなさい」とあるのに、どちらともとれるような文を書く。
「具体的な例をあげて説明しなさい」とあるのに具体例を書こうとしない。
これでは得点できません。
(5)読解が雑
これが最大の問題です。
登場人物 が何人も出てくると混同するのです。
「祖母は孫の教育に反対なのに、どうして賛成しているって書いたんだ?」
「あれ? あっ! 賛成しているのは母親だった。母親のつもりで書いたから」
よく見かけるエラーです。また、場面転換も無視します。
「物語の舞台はどこかな?」
「学校の教室」
「最後まで?」
「うん、そう」
「それでは最後のこの会話は教室で交わしていたのかな?」
「そうだよ」
「ということは、病院のお医者さんが教室までやってきたってことになるね」
「あれ? 変だな?」
場面が変わったことにすら気づかない生徒もたくさんいるのです。
(6)思い込みで読む
いわゆる「感情移入型」の読書しかしてこなかった子は要注意です。とくに、児童文学ばかり読んでいた子に多くみられます。
読書ならそれでもいいのですが、「読解」となるとそうはいきません。
そもそも登場人物が、小中学生とは限りませんし、性別も同じとはかぎりません。小学生男子が年上の女性に密に抱く淡い恋心や、両親の離婚で苦しむ子どもなど、どう感情移入すれば? シングルマザーの母親の新たな恋に同様する子どもまで登場するのですから。
「国語の成績が悪い」といっても、お子さんの現状はどういったものなのか、まずはその分析から始めましょう。