
長年サピックスの6年生、それも最上位コースばかり教えていたので、すでに受験校については決められている方ばかりでした。また、情報も得やすい時代ですし、ご自身が中学受験経験者(中には私の元教え子も・・・・)の方も多くなったので、「先生、うちの子はいったいどんな中学が向くのでしょうか?」といったご相談も減りました。
しかし、考えてみれば世の中にはそうした方ばかりではありません。
そこで改めて、全くのゼロから学校を選ぶステップについて記事を書くことにします。
「地方出身で中学受験は全くわからないなあ。名前を聞いたことのある学校は、開成・桜蔭、あとは慶応くらいかな」という方をイメージしています。
- 【1stステップ】・・・基本情報を得る
- 【2ndステップ】・・・学校を見に行く
- 【3rdステップ】・・・求めるものをはっきりとさせる
- 【4thステップ】・・・学校を絞り込む
- 【5thステップ】・・・志望校を確定する
- アドバイス
【1stステップ】・・・基本情報を得る
まず最初に、各塾・出版社が出している「中学校案内」の分厚い本を入手します。

〇SAPIX
〇四谷大塚
〇日能研
これら3大塾の出しているものに加えて、出版社系のものはこれがあります。
〇声の教育社
〇朝日新聞(アエラ)
私の一推しは、SAPIX版です。必要な情報が過不足なくまとめられていて見やすいのです。どうしてもSAPIXが嫌いな人は、四谷大塚版でもよいでしょう。四谷大塚提携塾に通っているのならこちらがよいかもしれませんね。さらに、これらの本に載っていない学校情報も幅広く得たいのなら、声の教育社版ということになります。白黒で夢がふくらみにくい見た目ですが、首都圏模試の偏差値表が付属しています。
日能研版は、データ一覧はよいのですが、学校紹介の情報が少なすぎて役立ちません。朝日新聞版は情報が薄すぎて選ぶ意味はないでしょう。
※少し古い記事になりますが、もう少し詳しく書いています。
※BOOKOFFで買ってはいけない
本は高いですからね。私も愛用しているブックオフですが、学校案内は中古はやめましょう。最近学校は目まぐるしく変化していますので、古い情報は役立たないのです。それに「縁起が悪い」気がしませんか? 途中に書き込みなどあると最悪です。
「2007年受験用」を買ってください。だいたい6月くらいに新しいものが出版されています。
この「学校案内」を熟読すれば、かなりの基本知識は身につきます。特に私は「大学実績」をチェックします。入学偏差値では見えてこない学校の実力があからさまになるからです。
【2ndステップ】・・・学校を見に行く
学校を見に行くのに、早すぎるということはありません。「中学受験をする」と考えた段階で、さっそく足を運んでみましょう。
・学校説明会
・学校見学会
・オープンキャンパス
・イベント(文化祭・体育祭等)
様々な機会があります。ただし大半の学校がWeb予約定員制ですので、早めに行動しましょう。
見に行く学校は、◆近い学校、◆気になった学校 の2種類ですね。
とくに近い学校は、将来進学する可能性が高い学校です。6年間通うことになるのですから、近さは正義なのです。
※好きなタイミングで訪問してもよいのか?
学校によっては、随時見学できます、と正式に謳っているところもあります。その場合はかまいません。また、とくにそうした制度は無くても、門前払いせずに親切に対応してくれる学校も多いです。しかし、それに甘えてはいけません。学校の先生方もお忙しいのです。必ず正規のルートによる見学・説明会に参加してください。
【3rdステップ】・・・求めるものをはっきりとさせる
・共学校か別学か
・大学付属か進学校か
・管理型か放任スタイルか
・制服の有無
・土曜授業の有無
・自宅からの距離
・大学実績
ご家庭によって求めるものは様々です。何をもっとも優先し、重視しないものは何か。これを家族で話し合って決めていきましょう。
ここが定まらないと、学校選びがブレてしまいます。
【4thステップ】・・・学校を絞り込む
何校も説明会等に参加するうちに、学校を選ぶ物差しのようなものができてくると思います。
「この学校はグローバルを標榜するわりには学内の掲示物が日本語オンリーだな」
「図書館はきれいだけれど、本が全て真新しい。生徒が利用していないのだろう」
「廊下の掲示物が古い。きちんと張り替えていないのか」
「すれ違う生徒の様子が嫌だな」
結局のところ学校選びは主観です。実際に見た印象というのが大事です。
無理なく通学できる学校の中から、5校くらいに絞れるとよいですね。
もちろん成績も考慮します。
【5thステップ】・・・志望校を確定する
6年生になるときには、実際に受験する志望校を確定しましょう。
そうしないと、過去問演習ができません。
アドバイス
◆どれくらい上の学校を目指しても無謀ではないのか?
塾に相談すると、とにかく上の学校を目指すことを推奨されると思います。塾の営業戦略でもあり、偏差値至上主義が身に沁みついているからでもあります。
しかし、現実は甘くはありません。
直近3回のテストの偏差値を平均してみましょう。それを「仮の立ち位置」とみなします。
小4・・・+20
小5・・・+10
小6・・・+5
これくらい上の学校を目指すのは珍しくはありません。ただし小6の場合は、実力適正校・安全校まで用意するのなら、もう少し上を目指すのも普通です。
◆説明会で見るべきポイント
まずは校長先生のお話をしっかり聞いてください。学校の責任者によって学校の雰囲気は変わります。また、廊下や教室の掲示物にも注目しましょう。生徒の素の姿がうかがえます。さらに、説明会に参加している他の保護者の方の様子も気にしましょう。私が参加したある一般向け説明会では、校長先生や教務主任の先生方がお話されている間、私語を交わす親がおり、さらに隣の母親がずっとスマホでゲームをしていました。また、別の学校では、ダメージジーンズに室内でもキャップを被ったままの父親や、近所のコンビニ帰りにしか思えぬ装いの方が散見されました。これらの学校は、私の価値観では候補にあがりません。そうしたご家庭の子どもが通う学校だと思うからです。もちろんカジュアルな雰囲気が気に入る方もいるでしょうけれど。
◆魅せ方が上手な学校に注意
最近の学校は、魅せ方が上手になりましたね。とある学校は、外資系企業の広報担当の人をヘッドハンティングして、学校の広報責任者にしました。その甲斐あって、学校の人気も偏差値も上がりましたね。
きれいな設備や海外研修を売りにする学校も多いのですが、教育の本質はそこではないというのが私の考えです。学校の本質をきちんと見極めましょう。
