
たまたま手元に届いた、某塾の「広告はがき」を見ていて、いろいろ考えさせられたのでその話題です。
※とくにその塾を持ち上げる意図も貶める意図もありません。ただの私の個人的な感想です。
大盤振る舞いの無料授業
まず目を惹いたのが、「7月+夏期講習無料体験授業」の文字でした。
「えっ! 7月一か月と夏期講習が無料?」
さすがにそんなわけはないだろうと、小さな小さなフォントの文字を解読します。
「授業料は全て無料です。体験諸費として3300円が必要。別途模擬授業代、教材費が必要となる場合がある」
「このはがきを持っていれば、体験諸費3300円が半額」
そんなことが書いてありました。
やはり無料?
さらに、「入塾月の授業料無料」となっています。
どうやら体験授業後にそのまま9月から継続した場合、9月分が無料になるみたいです。
さらに中学生のコースでは、追加費用無しで「短期集中特訓」「志望校別講座(5日間)」まで受けられるとなっています。
また、系列の個別指導教室では、「個別指導なのに最多25回も体験可能」となっていました。
さすがに夏期講習全日程が無料ということはないだろう、そう考えてHPもチェックしたのですが、どうやら本当に無料のようでした。
ところで、この「無料体験」は初めてこの塾のドアをたたいた生徒向けです。普段この塾に通っている生徒たちの夏期講習費用はいくらなのか、気になってHPを隅々まで見たのですが、わかりませんでした。
普段の小6受験学年は月額5万円くらいのようですので、まあ標準的な価格です。
もし夏期講習も他塾と同じくらいだとしたら。
ちなみにSAPIXは夏期講習が226600円、夏期志望校別特訓が72600円、合わせて299200円!です。
結局、いくらに相当する授業が無料になっているのかはわかりませんでしたが、いずれにしても大判振る舞いには間違いないでしょう。
その他の制度
予想通り、この塾も「特待生制度」があります。成績優秀者は授業料が無料です。
その費用の原資
外部の生徒を獲得するために、あの手この手の「餌」をぶらさげるのは塾にとっては普通の手法です。もちろんそうした手法をとらない塾もあります。SAPIXがそうでしたね。
しかし、そうした「無料体験授業」「特待生」の費用をいったい誰が負担しているのかについては考える必要があります。
もちろん、通っている生徒の授業料が原資です。
さらに、さまざまなコスト削減も実施しているでしょう。一番効果が大きいのは、人件費と教材開発費用ですね。しかしこの二つは、塾にとっては「生命線」に等しい大切なものです。良い教材と、それを指導できる優秀な教師。どちらにも費用がかかりますので。
この塾がいったいどのようにして巨額の「無料体験授業」費用を捻出しているのかはわかりません。もしかして私の思いつかないような、授業や教材の質を落とさずにコストダウンをはかれる技があるのかもしれません。
塾の戦略
考えるまでもありません。
いったん「無料体験授業」を受けた生徒に引き続き通ってもらうことが目的です。
そのためには「良い」授業を提供する必要がありますので、受講する生徒にとっては悪い話ではないのでしょう。
しかし、少しでも世の中を知っている大人から見ると、手放しで歓迎はできませんね。
「タダほど怖いものはない」のですから。
実はもう一つ、気になる情報がHPにありました。
家族や友達を紹介すると、QUOカード1000円分がもらえるのだそうです。
小学生ならともかく、中高生は塾を自分で決める場合が多いですから。友達を紹介しまくる子はいそうです。
これはさすがにモラルに反する、というのが私の考えです。