
今回は、正解などない事に正解を無理やり出そうとする記事となります。
※できれば父親は読まないほうが。母親限定の記事ですので
(私の記事では、失礼を承知で「父親」「母親」と表記しています。他意はありません。また、子育ては母親の仕事だなどという昭和の価値観も持ってはいません。念のため)
父親が非協力的
生徒の母親と相談していると、よく聞くのがこのパターンです。
中学受験にまつわる全てを母親に丸投げしているのですね。
これにもいくつかのパターンはあります。
①子どもの中学受験に反対
父親が、公立中学→公立高校→国立大学、といったルートをたどっていた場合、首都圏の中学受験の過熱ぶりに眉をひそめている場合というのがあります。
たしかに中学受験はある意味「異常」なほど勉強をさせますので、実情をしらない方から見れば、「みな狂っている!」と感じるのかもしれません。
それでも母親に押し切られ、しぶしぶ中学受験を認めているのです。これは協力する気ゼロですね。
②忙しすぎる場合
中学受験世代の父親は、仕事でもまさに脂ののった時期ですので、とにかく忙しい。海外出張があったり、海外単身赴任があったり。家族と住んでいても、早朝から深夜まで仕事に忙殺されている方も多いと思います。
必然的に、中学受験への対応が全て母親の役割となってしまうのでしょう。
父親が途中から登場
最初のうちは、塾の面談、保護者会、学校訪問、説明会など全てを母親に「押し付け」ていました。ところが小6の夏以降くらいに、急に父親が前に出る場合があるのです。
本来なら喜ばしい事態のはずですが、それまで全く子どもの受験勉強に関わってこなかった場合には、弊害も生じます。
ある生徒の面談に父親と母親の二人そろってやってきました。
小6の11月ですから、志望校確定の最終面談です。
A中学を第一志望として、第二志望はB中学、さらに安全のためにC中学、といった受験ラインナップを母親と半年かけて練り上げてきていました。そこに照準を合わせて過去問も解いてきていたのです。しかし、その情報を家族できちんと共有していなかったのでした。
「先生、B中学まで下げる必要はあるのですか? 別に行くつもりもない学校なら受ける必要はないですよね」
「いや、下げるというレベルの学校ではないですよ。B中学を第一志望とする生徒も多い学校です。お子さんの学力ですと、B中学は油断できないと思います」
「A中学しか行かせるつもりはないですから。まあA中学に合格したら、Z中学にチャレンジしてもいいですが」
ちなみにこの生徒の学力では、A中学も相当なチャレンジ、ましてZ中学は合格可能性がゼロに近いのです。実際の実力適正校はC中学、もしB中学に合格できれば大金星でした。
「A中学にチャレンジするのなら、C中学で確実に合格を、」
私の提案は、一笑に付されたのです。
「あんな名前さえ書ければ受かるような学校は受けませんから」
ご自身が中学受験をした〇十年前から、全く情報がアップデートされていないようでした。それにしても、「名前さえ書ければ受かるような学校」という表現には嫌悪感を覚えます。身内だけで話すのならともかく、赤の他人の私の前で使うのはどうなんでしょうか。
これに類した話はたくさんあります。
途中から、「何もわかっていない」父親が登場することの弊害です。
(もちろん「わかっている」父親の登場なら大歓迎です)
父親が勉強を見る
本来ならとても望ましいのですが、時折、「誤った」方針で教える方がいるのです。
「先生、あんな年代暗記なんて意味のないことはうちではやらせませんから」
私が子供たちに1週間で歴史年代を160個丸暗記させていたときに言われました。
「子どもにちょっと聞いてみたら、何もわかっていないのですよ。だから、毎週私が歴史を教えることにしました。時代の流れを理解できなければ意味が無いですから」
これは大人が陥りがちな罠ですね。
「本質的な理解」こそ大切で、「丸暗記」は意味がない、という誤解です。
これは、英語に置き換えればその「矛盾」がすぐにわかると思います。
「英語なんて、その国の文化や歴史について本質的に理解をしていなければ、単語だけ覚えても何の意味もない。だから単語は覚えない」
そんな人はいないでしょう。
小学生にとって、歴史の人物や用語は、まさに英単語のように「未知のワード」です。
まずは覚えないことにははじまらないのです。
本質的な理解については、「小学生でも理解できるレベルの理解」を「小学生でもわかるように」説明するスキルが必要です。残念ながら小学生の指導経験のない父親にはこれはできません。
例えば、こんな例を考えてみます。日本に原爆が投下された理由について。
A:戦争を早く終結するため。
まずこれが「最も表面的な理解」になります。
しかし、もう少し掘ると答は変わってきます。
B:アメリカの圧倒的な優位を見せつける形での戦争終結をはかったため。
米ソの冷戦はすでにスタートしていました。そして日本が降伏する予定であることもアメリカは掴んでいます。このままではソ連の対日参戦により、戦争終結の手柄をソ連に持っていかれます。戦後の日本の支配がソ連に行ってしまう危険性があり、戦争終結を急ぎました。
しかし、さらに掘ることで、答は変わってきます。
C:新型兵器の実用実験を行うとともに、アメリカの勢力を世界に示す目的。
広島に投下された「リトルボーイ」はウラン235を使用したガンバレル型の原子爆弾で、その細長い形状から名付けられました。一方、長崎の「ファットマン」はプルトニウム239を使用したインプロージョン(爆縮)型の爆弾で、丸々と太った形状から命名されています。つまり、広島・長崎で米軍は「実証実験」を行ったのです。
そのことは、アメリカ政府が公開した「目標選定委員会」の議事録からも明らかです。
まず、原爆単一による破壊効果を正確に計測するため、すでに通常の空襲(焼夷弾など)で破壊された都市は除外されました。さらに、候補にあがった広島、京都、小倉、新潟などには通常空襲が禁止されたのです。原爆の効果を測定する目的で都市を「温存」したのですね。
さて、生徒にはどこまでの理解を求めるのかは、学力・志望校によって変わります。
しかもこれを普通に語ってしまうと、「反米」に生徒を押しやることになりますので、それを中和しながら説明するスキルが必要です。
父親が分析に走る
なぜか、母親より父親のほうが「分析」好きな方が多いような気がします。
子どもの志望校の過去問を徹底的に分析し、出題傾向に沿った勉強「しか」やらせない場合があります。これも弊害が多いですね。
たった1校しか受験しない方はおそらくいません。
また、学校の出題傾向が変化するのも普通です。
あまりに「特化」した学習は、かえって得点力を弱めるのです。
父親のかかわり方の正解は?
私の考える正解は、「最初からきちんと関わる」、です。
中途半端なかかわり方は弊害が大きいのです。
中学受験を考えたときから、夫婦できちんと関わるべきだと思います。
ただし、父親と母親が二人で「熱く」なることはまずいのです。子どもの逃げ場が無くなりますので。
夫婦で役割分担をして、子どものメンタル面、健康面、勉強面、それらを総合的に見ながら関わるべきだと思います。