
中学受験をめざす際に、かなり悩むのが英語の学習です。
「受験勉強で忙しいのに、英語はどれくらいやらないといけないの?」
これは中学受験生にかぎった悩みではありませんね。
そこで今回は、小学生の英語について考察します。
小学校における英語
小学校で学ぶ英語はどれくらいのレベル、量なのかをみてみましょう。
国際基準(CEFR)のA1〜A2(日常の基礎的な英会話や表現が理解できるレベル)が目安となっています。文法知識を詰め込むのではなく、コミュニケーションの基礎を築くことがゴールだそうです。
6年生になって習うのはこんな文章です。
I usually get up at 6:30.
My treasure is this bag.
It's from my mother.
I went to Okinawa.
I enjoyed swimming. It was fun.
I want to join the basketball club.
I want to be a flight attendant.
なるほど。
これらの文が、会話の中で瞬時に出てくればなかなかですが、それは難しいのでしょうね。
また、小学校で習う語彙数は、600〜700語程度ですが、以前の旧指導要領で中1で習った語彙数1200語の半分ちょっとですね。
小学校英語の特徴としては文法軽視があげられます。
とりあえず簡単な英文を話すのが目標です。
さて、小学校教育の特徴として、勉強適性が無い子も教室にいて、授業のレベル設定を上げるわけにはいかないことがあげられます。
生徒たちに、「小学校で英語やってるよね?」と問うと、みな首を横に振るのが現状を表しているのかもしれません。
目標とする英語レベル
まずは、どのあたりを目指すのかを決めましょう。
ここでは、「海外経験ゼロ、親もノンネイティブ、今まで英語未修」の小学生を想定しています。いわば、普通の一般的な小学生です。
まず、語彙数からみてみましょう。
文科省の学習指導要領によると、小中高生が学ぶ英単語の目安はこうなっています。
◎小学生・・・600~700語
◎中学生・・・1600~1800語
◎高校生・・・1800~2500語
トータルで、4000語~5000語となります。大学共通テストで必要な単語数が5000語レベルと言われていますので、だいたい一致しますね。
英検の各級に必要な語彙数ははっきりとはわからないのですが、だいたいこれくらいだと思います。
5級・・・・・600語
4級・・・・・1100語
3級・・・・・2000語
準2級・・・・3000語
3級が中学卒業レベルといいますので、こんなものでしょうね。
ここからは、中受の有無によってわかれます。
(1)中受をしない場合
中受をしない場合の小学生の勉強は、公立中学校で学ぶ内容の先取りになります。
とはいえ、数学は時期尚早です。まだ数学の抽象概念を扱える頭脳になっていませんので。
そこで学習のメインは、英語になります。
中学受験塾に行く代わりに英語塾に行ったとしましょう。
週2回3時間ずつ、そして毎日の家庭学習。
これだけやればけっこうな量になりますね。
そこで目標は、「英検3級レベル」を目指しましょう。
つまり、中学3年間で学ぶ段階まで先取りをするのが目標です。
ただし、理科・社会を全くやらないと、中学生になってから苦労しますので、ここもある程度はやっておく必要があります。また、国語については、これも全くやらないと中学生になってから困ります。こちらも継続して学習してください。
(2)中受をする場合
私立中に進学すると、とんでもなく英語ができる同級生がたくさんいます。海外からの帰国生もいますし、純ジャパであっても、親が英語をしっかりと鍛えて3級、あるいは準2級レベルの子などがいるのです。
しかし、合格しないことには始まりませんので、英語にあまり時間を割くわけにはいきません。
そこで目標としては、「中学で置いて行かれないレベル」ということにしましょう。少し情けない目標ですが、現実的な目標です。
英検級でいえば4級と3級の間、中2レベルまでといったあたりでしょうか。
学習法
塾、英会話教室、オンライン英会話、家庭教師、個別指導等、英語を教える教室は無数にあります。気に入ったところを選べばよいでしょう。
ただし、webアプリ系はお勧めしません。子どもにタブレットを与えて放置するのは最悪の勉強法です。
やるからには、親も覚悟を決めて、一緒にやりましょう。
また、ただの英会話教室も今ひとつですね。楽しいことは楽しいのですが、勉強にはあまりならないのです。
一番お勧めするのは、中学校の学校教科書を活用した先取り学習です。
中学校教科書は、音源・ドリル・問題集・ワークブックなども豊富で、実に学習しやすい教材です。内容もよく精査されていて安心感があります。
4年生からスタートしても、親子で楽しくページをめくりながら取り組めば、2年間で中3の教科書まで進むことはそう難しいペースではありません。
大人なら、中学英語くらいは「簡単に」教えられます。ただし発音に相当自信がなければ、読むのは「音源」に任せるべきでしょう。
ここで、生徒に勧められた参考書を1冊だけ紹介します。
私立中に進学したこの生徒は、中1の夏休みに独学でこの教材を繰り返し学習したことで、英語が得意教科になったのだとか。
たしかに中学英語にはその後の上達に欠かせない「基本」がつまっています。
大人の学び直し用という立ち位置の教材ですが、むしろ英語初修者にこそお勧めしたい。説明がものすごく「わかりやすい」のです。
英検の罠
英検は、実質上日本の英語試験のスタンダードです。豊島岡のように英検級で英語試験免除の学校もあれば、大学入試でも活用されます。
そのせいか、小学生のうちにこの英検級取得に「燃える」家庭も多くみかけます。
しかし、こだわりすぎるのも弊害です。
英検級は、あくまでも英語学習のわかりやすい目安にしか過ぎないので、別に小学生のときに受ける必要すらないのです。
英検対策に特化した学習は不毛です。
