元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

この時期の風物詩 高校別東大合格者ランキングを見てかんがえること その4

58位が4校ありましたので、62位からのランキングを見てみましょう。

5名以上合格者のある学校を網羅したつもりです。

※手入力で表を作りましたので、数字・学校名にミスがあるかもしれませんがご容赦ください。

※特定の学校を持ち上げるつもりも貶める意図もありません。ただの私見です。

62位~89位

100位~116位

64位の雙葉、89位のフェリス、100位の鴎友と吉祥、そして116位のノートルダム清心が女子校です。
雙葉は昔から、10名前後の合格者で推移しています。雙葉といえば「お嬢様学校」の印象が強いですが、実は進学校です。優秀な生徒が多い学校です。そういえば代々木の鉄緑会に急ぐ雙葉の制服を良く見かけましたね。この学校も、とくに東大や難関大学を学校が推奨することはありません。それでも医学部に85名も合格している実力はさすがです。

鴎友も吉祥女子も、コンスタントにくこれくらいの合格者を出す学校です。

桜蔭や女子学院を第一志望にする受験生が、安全を考えて選ぶ学校として、洗足・鴎友・吉祥の名がよくあがります。住んでいるエリアで選ぶ学校が変わります。最近は洗足が頭一つ抜けた印象です。

フェリスについては、「洗足に抜かれた」「神奈川トップは洗足」という声も聞きますが、それは違います。東大・難関大実績を競っている学校ではないからです。たしかに同じ神奈川県ですが、フェリスを目指す子はフェリスを、洗足に行きたい子は洗足を受験するだけです。フェリスは女子学院と並び日本最古の女子校ですから、その歴史に魅力を感じる子もいます。また横浜の山手地区という立地に惹かれる子も多いでしょう。学校近くの登坂はつらいですが。また音楽教育や手厚い進学支援に魅力を感じて洗足を選ぶ子もいます。ただそれだけだと思います。

広尾学園は、入試偏差値が57~61と高い割には東大実績に目立つものはありません。ただし、この学校は海外大学への合格実績が目立ちます。計375名(2025)という数字はおそらく国内の一条校としてはトップではないでしょうか。一人の受験生が多くの実績を稼げる海外大学特有の状況を考えても大したものです。海外帰国生と相談していると、まっさきに名が上がる学校の一つです。この海外大学実績が帰国生だけではなく、どこまで国内の一般生徒が頑張って寄与した数字なのかまではわかりませんが、向いている方向が東大だけではないのでしょう。

 

100位に千葉の東邦大東邦がいますね。昔は、1月のお試し受験校として、開成・麻布・桜蔭・女子学院等の最上位層がこぞって受験したものでした。また、東邦大医学部への推薦を目指す子もいたものです。東邦大東邦の受験が怖い(お試し受験で不合格は避けたい)生徒は男子校の市川、これがお試し受験の定番校だったのです。しかし渋谷幕張の登場によって、千葉の受験地図は大きく塗り替えられることになりました。SAPIX偏差値では、渋谷幕張(1月)が64、市川が57、東邦大東邦が54となっています。新宿起点で考えると、本八幡からバスの市川が一番近いですが、それでも1時間以上はかかるでしょう。東邦大東邦の最寄り駅は京成大久保駅で、津田沼からだとバス利用になります。渋谷幕張は海浜幕張駅から徒歩10分ですが、それでも新宿駅からだと駅to駅で1時間以上かかります。

1月のお試し受験には、私は反対の立場です。行く気もなく通学困難な距離の学校を、ただの「予行演習」として受験するのは、受験料も無駄ですし、風邪・インフル等の感染リスクもあります。そもそも「本気の受験生」に対して失礼だと思います。ただ、最近は「渋谷幕張なら、手続きをして押さえておいて、通うことになってもよい」という声をよく聞きます。それだけ魅力的な学校なのは認めますが、家のドアから学校の校門までが1時間というのが現実的なラインです。これが1時間半を超えると、負担になると思います。

116位の世田谷学園は、二けたに達するときもあるのですが、最近は一桁台後半で推移しています。曹洞宗の学校ですが、それがバックボーンとなって、質実剛健なイメージの学校です。最近続けて、説明会に参加して気に入ったという声を聞きました。見かける生徒も地味ですがまじめそうです。ただし、進学校としては珍しくスポーツ推薦組がいます。柔道・空手・野球等に有望な生徒が集まっています。

 

東大実績のみにしぼってみてきました。なにせ「東京」大学ですから、東京・神奈川、そして千葉・埼玉の学校に有利なのは当然です。それでも地方のトップの県立高校が頑張っている様子もうかがえました。

現在東京・神奈川等に住んでいて、私立中高一貫校をいくらでも選べる環境にいることが、どれだけ恵まれていることか、あらためて感じます。

リストの最後に沖縄の昭和薬科大付が入りました。

沖縄は教育環境がお世辞にも恵まれているとはいえません。島全体がのんびりした雰囲気に満ちているといったら失礼すぎるでしょうか。そもそも中学受験のカルチャーも希薄です。上を目指す生徒は、久留米大付設やラサール等に流れているとも聞きました。

中学受験で進学する学校としては、昭和薬科大学附属中学校をトップとし、沖縄尚学高等学校附属中学校が続きます。そして県立中高一貫校として開邦・向陽・与勝緑が丘の3校があります。昭和薬科大付属の大学実績を確認すると、医学部に相当進学しています。また、琉球大学には45名(2025)、そのうち20名は医学部となっていました。

 

自分で東大のリストを作っておいて言うのもどうかと思いますが、全国の優秀な高校生が必ずしも東大を目指すわけではないのは当たり前のことですね。各地に魅力的な大学はたくさんありますし。

個人的には、生まれ変われるのなら、京都大学に行ってみたいですね。あるいは琉球大学から交換留学でハワイ大学というのも素敵です。

 

 

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