元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

この時期の風物詩 高校別東大合格者ランキングを見て考えること その3

前回、前々回に続き、41位から60位の学校を見てみましょう。

※手入力で表を作りましたので、数字・学校名にミスがあるかもしれませんがご容赦ください。

※特定の学校を持ち上げるつもりも貶める意図もありません。ただの私見です。

東大ランキング

40位が6校ありましたので、46位からのリストです。

攻玉社は近年は10名台で推移していましたので、平年並みといったところでしょう。

気になるのは巣鴨ですね。

巣鴨は、1990年代には50名以上が当たり前の学校だったのです。1992年には78名を記録し、その後も60名台が続きました。2002年の63名を境目に実績は下がり始めます。最近の実績は、2022年から順に、8名、3名、5名、1名でした。昨年の1名から今年の13名は大躍進といえるかもしれません。

巣鴨の実績が低下した理由は、やはり校風でしょう。質実剛健な厳しい校風で知られていました。5月に新入生が行う「大菩薩峠越え強歩大会」などその象徴です。夜から朝にかけて徹夜で30キロ以上の山道を歩くその大会の体験記を本にまとめて配布するのですが、1ページ目を開いた私は目が点になりました。

「『大和魂!』先生の掛け声で、僕たちは歩き始めた。」

ううむ。これはさすがに時代錯誤過ぎます。

他にも、中1が2キロを泳ぐ「巣園(そうえん)流館山水泳学校」といったものもあります。一般的な水泳ではなく、日本泳法を合宿で学びます。

もともとは、開成受験生の押さえとしての位置づけで受験する子も多かった学校ですが、こうした硬派の管理型教育は、昨今の保護者や生徒には刺さらないのでしょう。個人的には、こうした校風の学校もあってよいと思うのですが、合う・合わないは子供次第といったところでしょうか。

桐朋も、昔からくらべると少々寂しい数字です。1986年には64名を記録し、40名台、50名台で推移していた学校ですが、気が付くと10名がやっとという学校になってしまいました。

原因はやはり自由な校風でしょうか。麻布や女子学院を例外として、どうしても自由な校風と東大実績は相反するようです。生徒をきっちりと管理し、大学合格まで導いてくれる学校のほうが人気を集め、実績を伸ばしていると思います。

また、立地も微妙です。国立駅から大学通りの並木道を歩き、一橋大学を通りすぎたところという文教地区の立地です。その環境はとても素晴らしいのですが、多摩地区以外の生徒にとっては通いづらいのも確かです。さらに鉄緑会やSEGにも通いづらい。そのことも理由の一つかもしれません。

しかし、昔から根強いファンのいる学校の一つです。学校自体が劣化したわけではありません。昔も今も「桐朋」らしさは健在です。

 

都市大付属は伸びましたね。かつての武蔵工業大学付属時代の面影はありません。近年は6名、6名、12名となっています。

理由としては、成績別のコース制があげられます。東大を始めとした難関国立大への合格を教員がサポートする体制がとられています。

栄東は、受験時から「東大コース」を別枠募集している学校です。

また、受験規模が巨大です。1万人以上が受験して、5000名以上が合格します。そのうち東大クラスの合格者は2000名弱となっています。

学校をあげて「東大合格」を推進している印象です。その成果なのだと思います。

学校の公式HPに掲げられている合格実績のレイアウトデザインを見てください。

www.sakaehigashi.ed.jp

学校の姿勢を物語っているそれは、私のような塾屋にとってはなじみ深いものです。