今まで数多くのご相談を受けてきました。
その中から、よく聞かれた相談についてお答えしたいと思います。
6年生の場合
すでに新6年生としての授業が2か月弱行われていますね。今は春期講習の時期でしょうか。来年のXデー(2/1)まで10か月となりました。
「どこまで高望みしてもよいのか?」という疑問は、二つに分かれます。
10か月でどこまで総合的な偏差値が伸びるのか、そして受験校に特化した対策をすることで、それ以上に合格可能性が増すやり方はあるのか、この2点です。
教室責任者をしていた当時、私はこう考えていました。例えば、開成に合格した生徒たちの中で、10か月前の偏差値の幅を見るのです。そこで一番低い偏差値が、例えば53だったとします。ちなみにSAPIXの偏差値表で開成は68です。つまり、10か月前には偏差値が53だった生徒が、開成に合格しているのです。この53の生徒を「希望の星君」とみなします。
次に、来年開成を志望している生徒の偏差値を見ます。例えば10名いたとして、そのうち8名が53以上だとしたらどうでしょう。
単純に考えて、この8名は、希望の星君に続く可能性があるとみなせます。この8名すべてが合格できなければ、それは教師の指導力不足であるのだと。
もちろん現実はそう単純な話ではありません。この考え方で次年度の合格者数を数えると、開成すべての合格者数をはるかに上回る合格者が出ることになってしまいますので、非現実的な考えです。希望の星君についても、たまたまその時のテストが悪かっただけで、普段は60オーバーの実力者であるかもしれません。統計学上は「外れ値」として除外すべきデータかもしれませんが、「外れ値」を生徒に使うのは嫌ですね。むしろ「当たり値」です。人を相手にした仕事の場合、統計や偏差値の限界というものがあるのです。この場合は、経験が物を言います。「たしかに去年の希望の星君だったA君は、夏の頑張りがすごかった。あれで9月以降にじわじわと伸びたのだった」そうした指導経験が重要です。
いったい10か月でどれくらい伸びるのかについては、確たる数字は上げられないのです。
もう限界まで時間をつかって勉強していて偏差値53の生徒が、これからさらに伸ばすのは限界かもしれません。
それでは、さほど勉強していない生徒が53なら伸びしろがあるかといえば、そうともいえないのです。現状の53という数字は、「努力をすることのできなかった現実」を表すともみなせるからです。努力することもまた才能です。
私の主観にすぎませんが、こつこつと日々の努力を継続してきた生徒のほうが、じわじわと伸びてきた気がします。逆に、マンスリーテストではクラス落ちするものの、試験範囲の無い組み分けテストでクラスを上げてくるような生徒のほうが要注意です。
実際には、これから偏差値を大きく伸ばすのは大変なのは間違いありません。皆が同時に加速してくる受験学年ですので、そこから大きく抜け出るのは難しいのです。それでも、偏差値にして5くらいなら可能性はあります。10伸ばすのは非現実的です。実際にはがんばって3くらい、そう考えておくとよいと思います。
次に、志望校の問題に特化した対策の効果ですが、これが効果的なのは、一部の学校に限られます。麻布・武蔵・海城・鴎友・栄光・芝、そして公立中高一貫校のような、思考力系の記述問題を出題する学校です。こればかりは、きちんとした対策をしないと難しいですし、逆にいえば対策をすることで、偏差値以上の合格が出る学校でもあります。とくに麻布については、合格者の偏差値の幅が広いのです。これは、一般的な模試では、麻布的な問題を解く力がきちんと測定できないことも意味します。
無謀なチャレンジはするべきではないですが、安全志向に走りすぎるのも、お子さんの可能性を矯めることになってしまいます。
憧れの学校があるのなら、夏まで「必死に」努力してみるのが一番だと思っています。
5年生の場合
すでに志望校の説明会や見学会にたくさん足を運んでいると思います。憧れの学校が決まってきましたね。5年生の1年間は、その憧れを現実的な志望にと変える時期なのです。
したがって、現状の成績によらず、大いに高望みしてください。
ただし、偏差値で30以上も離れた上の学校を目指すのは無謀です。20くらいなら、まだ夢を持ってよいと思います。
4年生以下の場合
現状の成績よりも、お子さんにあった学校を探す時期になります。この1年間は、偏差値を気にせずに、幅広く学校を見てください。
お知らせ
4月から、新しい論述指導をスタートしました。
興味のある方は、HPをぜひご覧ください。
