元SAPIX 中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

頭が良い子の作り方

子どもについて「作り方」というのも失礼な言い方ですがご容赦ください。

前回の記事で、私が出会ってきた「頭の良い子」について紹介しました。

今回は、そうした子どもたちに見られた環境についてお話します。

本をよく読んでいる

 本を読むから頭が良くなったのか、頭が良いから本が好きなのか、これについてはわかりません。おそらく両方の相乗効果なのだと思います。

しかし一つ確実に言えるのは、本を読まない限り、インプット量が不足するということです。

子どもの住む世界は非常に狭いのです。

家庭・学校・習い事の教室・塾、以上です。

頻繁に親戚づきあいがあればそれも加わりますが、少子化・核家族化がここまで進んだ現在、親戚づきあいも希薄になりがちですね。

親戚どうしで集まる場所もなければ、機会も減りました。そもそも従妹の人数だって限られています。しかも今時の小学生は忙しいですから。

その狭い世界に暮らす子供たちが、何かを学ぼうとすれば、読書しかありません。

テレビは本の代替にはなりません。テレビは視聴者が完全に「受け身」であることが特徴であり、それは頭脳の発達には寄与しないからです。例えば、テレビのニュースを1時間見るのと、新聞を1時間熟読するのでは、どちらが多くを学べるのかは言うまでもありません。しかも新聞(もちろん大人向けの一般紙)には、子供の知らない語句がたくさん出てきます。それを周囲の大人に質問しながら読み進めるのですから、学びの質も違います。残念ながら、テレビのニュースでは、速報性と映像を除いては、新聞の代替にはなりえません。

ネットも最悪ですね。得られる情報が偏っていることと、不正確なことが問題です。ヤフーニュースは便利ですが、それが新聞は無論のこと、テレビのニュースの下位互換にすらならないことはご存じのとおりです。

 

しかし、読書から得られるものはとてつもなく大きいのです。

物語を読めば、主人公の体験を追体験することができます。

知らない時代、知らない国について深く知ることもできるでしょう。

論説文を読めば、ダイレクトに知識が増えます。

 

塾の隙間時間に、本を読んでいる生徒は、みな「賢い」子ばかりでした。なかにはハリーポッターを原書で読みふけっている子もいましたね。

 

ただし、ここでいう読書は、「負荷のかかる」読書でなければなりません。児童書のジャンルには、ただ楽に読めることを目的にしたような本が多数ありますので気を付けましょう。

 

読む本を探すのに役立つ記事を何本も書いています。

peter-lws.net

peter-lws.net

peter-lws.net

親子の時間がある

 仕事を持つ親にとって、子供と向き合う時間は限られています。でもその限られた時間でも工夫できることはたくさんあるのです。

 

 ある家庭では、リビングからテレビを撤去しました。テレビをつけると家族の会話がなくなるからです。それより、夕飯を食べながら学校の様子を聞くほうがよい、そういう判断だったのです。

 

ある家庭では、子どもの前で親がスマホを使うことをやめました。社会全体のスマホ中毒は深刻な状況になっています。気が付けば無意識のうちにスマホを手に取っている、そうした経験はありますよね。

親がスマホを見始めると、会話は止まります。学校や塾から子供が帰ってきて寝るまでのわずかの時間くらい、スマホを見なくても支障はありません。

 

ある家庭では、子供が勉強している横で、両親も勉強しました。父親は中学入試問題を解いていたそうです。なんとなく解き始めてみたら夢中になったのだとか。大人にとっては、パズルを解くような感覚だったのでしょうか。母親は、ギリシア語の勉強を始めたそうです。子供の受験が終わったら、ご褒美家族旅行でギリシアに行きたいと考えました。ギリシア語の料理メニューくらいはわかるようにしたいという目標を立てたのですね。

 

ある家庭では、積極的にニュースになっている事象を話題にしました。

父:ガソリン代が〇〇円になった! ひどいよなあ、これじゃあ車もつかえないよ。

母:今のうちにトイレットペーパー買いだめておこうかしら。

父:それじゃあオイルショックのときのトイレットペーパーパニックと同じじゃないか。すぐにトイレットペーパーが不足するわけでもあるまいし。

母:だって、無くなったら困るでしょ。

子:お父さん、トイレットペーパーパニックって何?

こんなかんじでしょうか。

 

子どもにとって最も身近な大人である父親と母親との会話は大切です。これは頭が良い子になるといった些末な目的というよりは、健全な親子関係にとって重要です。

 

頭が良い大人とは

逆に考えてみましょう。大人になって、「あの人は頭が良い」と言われる人は、どんな人でしょうか。

 

まず、知識量、それも教養が深いことがあげられますね。

仕事に必要な知識が豊富なだけでは「頭が良い」とはいわれません。理系大学出身で、物理に詳しくても「頭が良い」とはいわれませんね。

しかし、知識の幅が広い人は尊敬に値します。その知識を身に着けるのに費やした時間にも頭が下がりますし、好奇心の広さにも感心します。

そういう大人になりたいものです。

 

頭の回転の速さも重要です。しかしこれは、反応速度というより、相手の言うことや状況を的確に把握する力のことだと思います。相手を思いやる気持ちが、相手の話を聞く力を育てます。

 

最後に、学歴でしょうか。

そういうと、「学歴偏重」と批判されそうですが、学歴は、その人が学生時代に払った努力値の高さを反映します。例えば私大を受験するのなら3教科の勉強ですみますが、これが東大ともなると、共通テストで6教科8科目、さらに2次試験で4教科の勉強をしなくてはなりません。

「たくさんの教科を勉強したから優れているとはいえないでしょ」と言う方もいますが、とんでもない、誰にでもできる勉強量ではありません。

 

こう考えてくると、やることは簡単です。

 

◆本を読む

◆大人とたくさん会話する

◆思いやりの心を育てる

 

とても大切なことばかりでした。