
中学受験のための塾、実にたくさんありますね。
いったいどの塾がよいのでしょう?
そして、いつから通うべきなのでしょう?
今回はそうした基本についてまとめてみます。
入塾のタイミング
考え方は2通りあります。
(1)思い立った時
(2)戦略的に時期を見極める
(1)の考え方をとる場合は、この記事は不要でしょう。今すぐ近所の塾を訪れてください。そして気に入ったところを選べばよいのです。
しかし、(2)の場合は、次の2つに分かれます。
A:すでに(中学受験を意識した)家庭学習を始めている場合
B:今まで(中学受験を意識した)勉強は何もしていなかった場合
塾の中学受験に向けたカリキュラムのスタートは小学4年生からとなっています。
正確には、小学4年生になった4月からが、中受カリキュラムのスタートとなっています。
あれ? 2月スタートじゃないの?
あれ? 小3からって聞いたけれど
あれ? 小学1年生からってチラシに書いてあった
その疑問はもっともですね。でもこれらは、いわば塾の戦略なのです。
中学受験は2月の最初の1週間で終わります。
1月の最終週あたりで、どの塾も「6年生=受験学年」の授業は終わります。そうすると、塾の生徒数ががくっと減りますね。小6が卒業しますので。そこで塾では、2月からの学年を「新学年」と称して、小学校よりも2か月早く学年が持ち上がるのです。
すでにその塾に通っている生徒にとっては別に問題ではありません。「僕は小学校ではまだ5年生、3学期が始まったばかりだけど、塾では新6年生になるんだね」で済む話です。
しかし、今から塾を考えている、例えば小3の子はどうでしょうか。
「えっ! うちの子はまだ小3なのに、もう塾では4年生の授業が始まるんだって!」
このように焦りますよね。
それが狙いです。
小6が抜けて減った生徒数を、何とか埋めないと、塾の経営が立ち行きませんので。
しかし、一つ問題があります。
それは、新規に入塾してくる生徒の入塾タイミングがバラバラだという点です。
たとえば、現在小3の小学生が、4年生から塾に行こうと考えていたとします。
この子たちの入塾のタイミングは、小3の12月くらいから小4の4月まで、4か月ほどの幅があるのです。
もし小3の12月から、「新4年生」のカリキュラムをスタートしてしまうと、その後に入塾してきた子たちに未修分野が出来てしまいます。
もし小3の2月からスタートしても、やはり状況は変わりません。
そこで、各塾がどのような戦略をとるのかはわかりますか。
そうです。この4か月は、「先へ進まない」カリキュラムを立てるのです。
その内容は、塾によって様々ですね。
「小学3年生総復習」と銘打って、3年生までに塾でやっていたような内容を総まとめする塾もあります。あるいは、4月以降のカリキュラムにシームレスにつながるような内容を、角度を変え切り口を工夫して扱う塾もあります。あるいは、算数の基本的な計算演習、国語の漢字や熟語、といった、実に基礎的なトレーニングを繰り返す塾もあります。
中学受験を考えているご家庭で、小3までまったく何も勉強しないでいたとは考えにくいですね。漢字ドリルや計算ドリルくらいは、きちんとやってきたことでしょう。
そうしたお子さんにとっては、塾のこの時期の授業は、もしかすると「退屈」で「意味のない」ものである可能性もあるのです。
もちろん、塾によってはとても工夫したカリキュラムで魅力的な講座としている場合もあるでしょう。
しかし、低学年の指導は、実は一番難しいのです。全ての塾が最適な指導方針を持っているとは思えません。
こうして、入塾のタイミングが確定します。
A:すでに(中学受験を意識した)家庭学習を始めている場合
小4の4月
ここがベストです。
ここから本格的な中学受験に向けてのカリキュラムがスタートしますので、ちょうどよいのです。
B:今まで(中学受験を意識した)勉強は何もしていなかった場合
小4の2月~3月。
ここがベストのタイミングになります。
前述したように、塾では今までの学習を総復習したり、あるいは基本的なことを教えたりと、いわば「通塾入門編」のような授業を行います。
まさに、小4からの本格スタートの準備としてはうってつけですね。
迷っている塾があるのなら、春期講習を「体験」のつもりで受講するのもよいかもしれません。
◆新小1~新小3の場合
別に慌てる必要はありません。
塾に通う必要すらないくらいなのです。
それでも近くに魅力的な塾があるのなら、無理のない範囲で通ってもいいかもしれません。
小3までの塾のカリキュラムは気にしなくて結構です。どのタイミングから入っても問題ありません。
◆新小5~新小6の場合
すでに中学受験のための学習をしているはずですね。塾のカリキュラムを検討して、なるべくずれないようにしましょう。
塾の選び方
これについては、簡単な結論が出ています。
時間の無駄の少ない塾
これです。
小学生には、とにかく時間が足りないのです。学校で学ぶ内容が入試に直結している高校受験とは異なり、中学受験では小学校の学習内容は役立ちません。
これは小学校の勉強は無駄である、という意味ではありません。中学受験のテストを突破するためには役に立たない、そういう意味です。
中学受験のレベルは、大雑把にいうと高校受験と同等かそれ以上のレベルとなっています。
英語や数学はやりませんが、国語・理科・社会の3科目で中学受験生と高校受験生が同じ問題で勝負すると、小学生のほうが勝つと私は思っています。
そのレベルの学習を、小学校以外の時間でこなすところに、中学受験の難しさがあるのです。
つまり、無駄にしていい時間は1分たりとも無い、それが中学受験の世界です。
家庭学習の時間が勝負を分けるのです。
そう考えると、まっさきに候補から外れるのが、「遠くの塾」ですね。
いくら高い合格実績を誇っていても、評判が良くても、通うのに時間がかかる遠くの塾は選択肢に入りません。
自宅最寄りの駅前を基本として、せいぜい電車で2・3駅程度、そこまでが現実的に通塾できる塾と考えましょう。
全く同じ理由で、次に候補から外れるのが、「拘束時間の長い塾」です。
拘束時間の長さを売りにする塾というのが、以前は見られました。
「わかるまでとことん教えます!」
「理解できるまで居残り補習をします!」
そういったタイプの塾ですね。
しかし、今は絶滅危惧種です。といいたいところですが、実はけっこう生き残っています。
小学校が終わって家に帰って、軽食を食べてから塾に向かう。だいたい5時くらいでしょうか。それから3時間授業を受ければ8時になります。それから帰宅して、夕食・風呂等をすますと、寝る時間になりますね。
そんな状況なのに、塾で10時まで拘束されたらたまりません。確実に体調を崩します。
通塾日数も問題です。
小4・5・・・週2~3回
小6・・・週3~4回
これが限界でしょう。
ところが、拘束日数の長さを売りにする塾がけっこうあるのですね。
「毎日来させてください!」
「徹底的にやらせます!」
といったタイプの塾です。
これをやられると、家庭学習時間がとれずに、成績は伸びなくなります。とくに小6になって入試問題の過去問演習をしなくてはならない時期に拘束されると悲惨です。
通塾日数・拘束時間がなるべく少ない塾を選ぶことを推奨します。
個別指導・家庭教師
実は、時間の有効活用という観点からは、個別指導と家庭教師は効率が良いのです。お子さんのスケジュール優先で組み立てられますので。
ただし問題点が2つあります。
◆高額
◆講師のレベル
費用については、ある程度仕方がないでしょう。集団指導よりも高額になるのは当然です。
しかし問題なのは、講師のレベルなのです。まさに玉石混交です。良い先生、お子さんと相性の良い先生がもし見つかればそれはとても幸運なことだと思います。
オンライン指導
コロナ以降、どの塾もオンライン指導を充実させてきました。また、オンライン専業の塾・家庭教師も多数あります。
時間効率という点では、非常に魅力的です。
しかし、ここにも問題が2つあるのです。
◆高額
◆講師のレベル
個別の指導ですので、対面でもオンラインでも変わりません。高額なのは当然として、講師のレベルもまた玉石混交なのです。
良い先生との出会い次第です。