
あと1週間で入試が終わります。
今はただ、目前に迫った試験のことしか考えられないことでしょう。
しかし、子どもはそれでよいとして、大人はそうはいきません。
受験の後のことも考えておくのは大人の責務ですから。
実は遊んでいる場合ではない
何年か前に、こんな女子生徒がいました。
小学校で人間関係に悩んでしまい、いわゆる「不登校」になってしまったのです。学校や地域の相談センター等に相談をし、5年生の途中から、小学校は「ほぼ休む」という決断をしました。
このまま何もしなければ、元の人間関係のまま、地元の公立中学校に進学することになってしまいます。
そこで、中学受験が必須となりました。
近くの個別指導塾にはときどき通っていましたので、まったくのゼロからのスタートというわけではありません。しかし、中学受験生たちの中では最底辺の学力しかありません。そこから本腰を入れた受験勉強が始まったのです。
小学校に行かないのですから、1日全ての時間を受験勉強に捧げられるめぐまれた環境ではあったのですが、なかなかそうもいきません。
親も子供に気を使って無理をさせない方針でしたので、朝から塾の自習室に行く日もあれば、昼頃起き出して結局一日大して勉強もしないで過ぎる日もありました。
こうした勉強態度でしたので、蓄積が物を言う分野は身に付きませんでした。
国語は、長文読解はできるのに、漢字が悲惨です。算数は、数の性質や図形問題はできるのに、基本的な計算問題や一行問題を間違えます。理科は、生物や地学分野が苦手です。社会は壊滅的でした。
それでも、最終的には、その子の学力からすれば「上出来!」の学校に進学できたのです。
問題はここからでした。
「もうこれで勉強しなくていい!」と浮かれた子どもは遊びます。
「お疲れさま!」ということで、春休みは家族旅行に出かけます。
そうして4月の「新中1生活スタート」を迎えるまで、ペンを一度もにぎらずに、2カ月間を過ごしたのです。
周囲の同級生たちも同じような状況、といいたいところですが、そうではありません。
この2か月間を有意義に過ごした子たちもたくさんいるのです。
そして致命的だったのは、英語でした。
小学校では英語の授業があります。大した内容ではないとはいっても、毎週英語に触れる時間はありましたし、英語に対する抵抗感も低くなるのです。
しかしこの子は、小学校に行っていませんでしたので、英語に触れる機会がゼロのまま、中学生になってしまいました。
アルファベットですらまともに書けません。まして英単語など全くしりません。
こうして、不幸な「周回遅れ」状態での中学校生活がスタートすることになりました。
(※ここにあげた例は、個人情報保護の観点から複数の生徒達の話を一つにまとめましたが、実話に基づきます)
入試が終わっても、そこが次のスタートである。
そんな当たり前のことに気づかなかった親の責任です。
学習習慣
中学校に進学して最初に気づくのが、「学校の先生は何も言ってくれない」という事実です。
小学生時代は、小学校では生活全般に対する細かい注意をいつもされましたし、塾ではノートの取り方まで細かく指導されました。
言われたことをやるだけでよかったのです。
しかし、中学生になると、もう教師はそんな細かい指導はしません。
自分で自覚して勉強するのが当たり前だと考えているからです。
とくに中高一貫校は、高校生までを指導している教師が中1の指導にもあたります。手取り足取り子ども扱いの指導はしないのは当然ですね。
何も言われないからと放置しておくと、とんでもない未来が待っています。
高校に上がれない可能性すらあるのです。
中1の入学人数と、6年後の卒業人数が異なるのは普通です。学校によっては、1クラス分の生徒がどこかに消えています。
せっかく進学した中高一貫校を途中で退学する理由は想像がつきますね。
この2か月間は、中学生に向けての新たな学習習慣を構築する大切な期間なのです。
英語
中学受験生の多くは英語が苦手です。これは仕方がないですね。算国理社に特化して全ての時間を費やしてきましたから。
しかし中学校に上がると、同級生たちの中には、「英語の猛者」がごろごろしています。
帰国生はもちろんのこと、いわゆる「純ジャパ」の子たちの中にも、中学校卒業程度の英語力を持っている子(英検3級相当)など普通にいます。
だからこそ、これからの2か月間は、それこそ必至で英語に取り組むべきなのです。
親は受験終了後を見据えておいてほしい、そう思います。