中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】小学3年の今、考えておくべきこと

現在小学3年生のお子さん・ご家庭へのアドバイスをいくつか書いてみます。

塾を選ぶ

現在小学3年生の場合、塾に通っていない方が多数派だと思います。

中学受験塾のカリキュラムは、小4からスタートするようになっています。別に示し合わせたわけではありませんが、ほぼすべての塾のカリキュラムがそうなっています。

これは、受験のXデーから逆算して3年間のカリキュラムがちょうどよいという理由以外にも、塾の事情があるのです。中学受験黎明期(1950年代~60年代)には、小6から塾に通うのが普通でした。そもそも中学受験そのものが「普通」ではない、一部の子の行動様式にすぎなかったため、こうした子たちは、「テスト会」が実施するテストを日曜日に受けるだけだったのです。「日進」というテスト会がありました。この塾はとっくにありません。やがて「四谷大塚」が登場し、日曜のテストを5年生から始めたのです。さらに「予習シリーズ」という教材を作り、5年生からの2年間カリキュラムを確立しました。それに対抗する塾が何を考えるかわかりますね。小4からスタートする前倒しカリキュラムを作ったのです。こうして塾が少しでも早く生徒を囲い込もうとした結果、小4からの3年間カリキュラムが確立しました。それなら3年生・2年生から始めたほうが有利にも思えますが、そうではないのです。まだ3年生以下の場合は、子供が幼過ぎて、一人での通塾が難しいのです。そうすると、親の負担が増えすぎるため、塾に通わせない家庭も多いのですね。さらに、一つの塾だけが単独で前倒しカリキュラムを始めると、4年生以降に他の塾から転塾しづらくなるのです。

そうした塾の思惑を背景として、現在は、小4年からの3年間カリキュラムが定着したという経緯があるのです。

現在、小1~小3まで開講している塾が大半ですが、いわゆる受験カリキュラムではありません。楽しませることを主眼とした準備段階といったところでしょうか。

 

さて、そろそろ塾を選ぼうと、いくつかの塾の「無料テスト」を受験した方もいるでしょう。

ここで、塾の簡単な選び方をお教えします。

(1)自宅から近いところを選ぶ

(2)誠実な塾を選ぶ

これだけです。

(1)近い塾

近さは正義です。これは、受験学年になったときに実感します。

中学受験の勉強は、小学校はあてになりませんので、小学校の時間以外でやるほかないのです。たとえ1駅といえど、電車に乗ることは無駄な時間を生みます。自宅もよりの駅にある塾から選ぶというのが正解です。もし塾が無い、あるいは良い塾が無い場合は、せめ1駅でも近いところから探しましょう。

 

(2)誠実な塾

難しいテーマですね。これは逆に考えるとよいと思います。どんな塾が「誠実でない」

のでしょうか。

 

◆無料テスト・無料講座で生徒を釣る塾

まっとうなサービスには適正な対価が伴います。

どんなサービスであれ、「無料」はあり得ないことくらい、考えなくても常識ですね。

つまり「無料」には訳があるということなのです。

 

例えば、「1円スマホ」というものがありますね。

数万円以上するスマホが「1円」のわけがありません。特定のキャリアと契約することが条件なのはご存じの通りです。その「通信料」で、スマホ代金を回収するのです。

そんなやり方で収益が上がるのですから、通信料金が割高なのは常識ですね。

 

さて、塾にとって「無料」のメリットも同様です。割高な授業料で回収し、さらに「合格実績」稼ぎに利用しようというのが「無料テスト・講座」の目的です。

サービス業とはいえ、いやしくも「教育」を看板に掲げている塾が、こうした阿漕な集客をすることが私は嫌いです。誠実とはとても思えませんので。

 

◆特待生制度がある塾

これも「無料テスト・講座」と本質は同じです。

合格実績稼ぎの生徒の費用をだれが負担するのでしょう。

そこに「誠実さ」は無いですね。

 

◆合格実績を水増しする

これは上述の「無料テスト・講座」とリンクしています。優秀な生徒を「在籍」していたことにして、合格実績を稼ごうとする塾は多く存在します。また、複数の中学の数字を合算して数字を大きく見せたり、系列塾の実績を合算してみたりと、やりたい放題です。不誠実な実績を平然とかかげている塾の指導が信頼できるはずもありません。

もちろん、誠実に実数を公表している塾もいくつもあります。実績の公表が早く、1名合格の中学、偏差値表の一番下の学校まですべて公開、さらに在籍していた6年生の人数を1名単位まで公表、各校舎単位での合格実績も公開、こうした塾は信頼性が高いと考えられます。

もっとも、個別指導も含めると、複数の塾に通う受験生もそれなりにいますので、「合格実績」は正確にはカウントできません。いくら実直に合格者数を公表している「誠実な塾」だとしても、全ての生徒がその塾だけに通っていることは確認できません。合格実績は参考程度に考えるのがよいでしょう。

 

◆金儲け主義が過ぎる

塾も営利企業ですから、金儲けに邁進するのは当然です。しかし、そのやり方次第だと思います。

有料オプション講座を強引に勧めてきたり、系列の個別指導の併用を勧めてきたり。6年生になると講習等で拘束日数が激増(費用も激増)したり。そうした「金儲け」の匂いが過ぎる塾は信頼できません。

また、受講費用を公表していない塾も怪しいですね。

 

◆安請け合いする

「うちにすべてお任せください」「絶対〇〇中学に合格させます」

こんな塾は信頼できません。できることとできないことをきちんと話してくれる塾を選びましょう。

 

塾に行かない道も検討する

 

べつに中学受験に塾は必須ではありません。

それについては拙著でまとめました。

お子さんにちょうど良い塾が見つからないのなら、無理してまで塾に通う必要はありません。

全く塾に通わない、あるいは一部だけ利用する、そうしたやり方も検討に値します。