
今日は1月1日です。
入試まで文字通り一か月となりました。
千葉・埼玉の一月校を受験する方にとっては、もう3週間もないのです。
親も焦ります。子も不安になります。
だからこそ、親が子のメンタルを安定させる必要があるのです。
中学受験の直前期。ここまで頑張ってきたお子さんの姿を見ながら、
「本番で力を出し切れるだろうか」
「緊張や不安で体調を崩さないだろうか」
と心配する保護者の方は多いはずです。
この時期の面談で、涙ぐむ母親がいるのもそれが理由でしょう。今まで頑張ってきたわが子の姿を身近で見てきたからこそ、不安でいたたまれなくなり、また悩むわが子の姿に思わず「可哀そう」という感情が制御できなくなるのだと思います。
実際に、私に寄せられる相談でも、「中学受験におけるメンタル対策」 に関するものが多くなる時期でもあります。勉強に関しては、やるものは決まっています。今更新たな学習に着手する時期ではありません。受験本番の緊張をどう克服するか、それが最も気になるのでしょう。
この記事では、よくご相談される、「受験直前の子どもの心を安定させるにはどうしたらよいのか」「受験本番の緊張をどう克服するのか」について、過去の実際の合格家庭の取り組みも交えながら、受験直前に子どものメンタルを安定させる方法について徹底解説したいと思います。
受験直前に子どもが不安定になるのは自然なこと
まず、これを前提にしましょう。
子どもはわずか12歳です。たった12年の人生経験しかないのです。そのわずかな人生経験の中には、中学受験のような大きなものはありません。まさに子どもにとって、今まで経験したことのない試練にこれからぶつかろうとするのです。
6年生になったころで多いご相談は、子どもが一向に受験生らしくないというものでした。
「うちの子は、いったいいつになったら受験生であるという自覚が芽生えるのでしょうか?」
こう相談されることがとても多いのですね。
しかし、さすがに1月にもなると状況は変わります。
子どもにも、目に見える形で何等かの変化が見られるのです。ただし、その変化の表れようは様々です。
◆イライラする
これが最も多いでしょう。「最近妙に口答えするな」「切れやすくなった気がする」「弟・妹にきつくあたるようになった」そんな様子があるとすれば、それは子どもの精神状態が不安定になっていると考えられるのです。
◆「受験したくない」と言い出す
これはわかりやすいですね。「もう受けたくない」そう弱音を吐くのです。今までそんなことを一度も言わなかったわが子が言い出すと、親も動揺します。
◆体調を壊す
子どもの体調には、精神状態を反映する場合もあります。お腹がいたくなったり、夜すぐに眠くなったり。
◆テンションが上がる
何だか「躁状態」とでもいいたくなるほど、テンションが上がるのですね。元気で微笑ましいと言っている場合ではありません。明らかに「明るく」ふるまうことで、不安を解消しようという無意識の働きなのだと思います。
◆勉強から逃げる
急にアニメや漫画やゲームに夢中になる子もいます。
男子最難関校を受験したA君がそうでした。受験前日、1月31日の夜に、お母さまから泣きながら電話があったのです。「うちの子が、ゲームを止めようとしない。指の腹から血が出ているのにゲームのコントローラーにしがみついている!」
その時期に家にゲームがあることが問題なのですが、A君は必死で受験から逃げようとしていたのでしょう。
◆達観する
「ま、なるようにしかならないよ」
「今さら勉強したところで、入試結果なんて変わらないんだから」
「受からなくたって、公立中学があるよ」
そんな風に、急に悟りを開く子もいます。もちろん、これは非常事態から逃げようとする心の働きに他なりません。
◆塾からなかなか帰ってこない
授業が終わっても、いつまでもダラダラ残っている子が増えるのもこの時期です。これは不安なんでしょうね。塾にいれば、同じ状況の仲間=戦友もいますし、受験のプロもいますし。
こうした兆候は、決して「子どもが弱いから」「だらしないから」ということではありません。これが普通の状況なのだと理解してあげてください。それだけ真剣に中学受験に向き合ってきた証拠だと思います。
子どものメンタルを安定させる5つの具体策
① 睡眠リズムを整える
ものすごく当たり前のことですが、最重要なことでもあります。
入試当日は、早起きから1日が始まります。試験開始時刻には、脳をフル稼働させておかなくてはなりませんので、5時台に起きるのが普通でしょう。
それを習慣づけるためにも、1月は早く寝る必要があります。それまで10時11時まで起きているのが当たり前だったとしたら、何としてもこの一か月で、「朝型」に体内リズムを調整しましょう。
やり方は簡単です。時差ぼけを直すようなものだと思ってください。
◆就寝・起床時間を一定にする
夜9時には布団に入る
朝5時に起床
これが基本です。これで8時間の睡眠時間ですから、これ以上は減らせません。
5時におきたら、ルーティンとしての勉強に取り組むのです。
こうすることで、入試本番当日も、きちんと早起きして、計算練習や漢字練習をして、余裕をもって朝食や身支度ができるようになるでしょう。
※場合によっては、塾の早退も視野に入れてください。この時期になってまで、10時過ぎまで授業をやっている塾は、配慮の無いダメ塾です。
② 栄養バランスを意識した食事
すでに実践されていると思います。
脳のエネルギー源となる炭水化物、集中力を支えるタンパク質は欠かせません。
おすすめは、
朝:おにぎり+卵料理+フルーツ
夜:消化の良いご飯+魚や鶏肉+野菜スープ
こんなかんじでしょうか。何も特別な食事を用意する必要はありません。普段通りの食事で、バランスだけを気を付ければいいのです。
※注意
甘いものを食べすぎると血糖値の乱高下で不安定になりやすいため注意が必要です。とくにお菓子や間食には気を付けましょう。
③ 親の声かけは叱るから認めるへ
親としては、今までさんざん子どもを叱ってきたことだと思います。しかし残り一か月の今、もう叱るのはやめましょう。それより褒める・認めるに切り替えてください。
ただし、必要以上に気を遣う必要もありません。良く入試直前には「落ちる」「すべる」は禁句だなんていいますが、そんなことはありませんから。
④ 適度な休憩で気分転換
不安で勉強が手につかなくなる時期だからこそ、リフレッシュが大切です。
軽い散歩くらいがちょうどよいでしょうね。あるご家庭では、家の前でバドミントンをやったそうです。いいですね。簡単にできますし、適度に体も動かせますし。
リフレッシュといっても、特別なことをする必要はないのです。近所のコンビニに子どもと好きなデザートを買いに行くだけでも良いと思います。
⑤ 特別なことをしない
「さああと一か月!」
そう張り切って、新しい教材や問題集に手を出すことはやめましょう。今までどおりの学習をたんたんとこなす。今まで通りの生活をたんたんと送る。それこそが、平常心で入試に向かうのに大切です。
避けたい親のNG行動
せっかくの努力を逆効果にしてしまう言葉もあります。
「もっと頑張らないとダメ」
「偏差値〇〇では無理かも」
「どうしてこんなミスをするの?」
こうした発言は、子どもの 受験本番 メンタル を揺さぶり、不安を増大させるだけです。直前期は「追い込む」のではなく「支える」ことを意識してください。親の不安や緊張を子どもにぶつけることは最悪ですから。
子どもは親の顔色をうかがいます。子どもが寝た後(寝たと思った)、夫婦で「この成績じゃあ、結局どこも受からないかもしれないな」「第一志望校、まあ記念受験になりそうだけど」などと話することは危険です。それを聞いた子どもの気持ちを考えましょう。
前日・当日のメンタルケア実践法
前日の過ごし方
・新しい問題には手を出さず、軽く復習だけ
・夕食は消化の良いものを早めに
・持ち物を一緒に確認して安心感を与える
・布団に入る前に軽い会話でリラックス
こんなところでしょうか。
とくに当日の電車の経路や持ち物については、子どもに確認させましょう。私もいつも生徒には、「親を信じるな」とアドバイスしています。すいません、失礼なアドバイスで。
でも結局のところ受験するのは子ども本人なのです。自分で確認することは当然です。そうした綿密な準備が、心の平安をもたらすのです。
当日の過ごし方
朝ごはんは消化の良いものを。暖かいスープも良いですね。
家を出る前には忘れ物チェックだけをします。
会場前では「ここで待っているよ」とだけ言って送りだすことにしましょう。
親が落ち着いているだけで、子どもの受験本番の緊張克服に大きくつながります。
実は、私が生徒にするアドバイスはこれです。
「緊張するのは当たり前だから」
緊張するなというほうが無理です。「受験を楽しんでおいで」「今まで通りでいいから」なんてアドバイス、空虚です。今まで以上の集中が必要なことなんて、子どもはわかっているのです。
緊張は適度な集中をもたらします。緊張がダメなのは、微妙な体のコントロールを必要とする、例えば楽器の演奏の場合です。しかし、テストは違います。たとえ緊張で手が震えていても、鉛筆は持てます。字もかけます。
リラックスして入試に臨むより、緊張を味方につけることのほうが正解です。
合格家庭の体験談
この生徒は、1月は小学校を休みました。これは、誰にも勧めるわけにはいきませんが、御家庭の判断次第です。さてこのご家庭では、父親は有給休暇をここぞとばかりにここにあてたそうです。そして毎日、朝から晩まで父親が子どもの勉強に付き合いました。それが可能だったのは、それまでも、勉強については父親が見てあげていたからですね。子どもも勉強に関しては父親に信頼を置いていたのです。
入試問題もよく研究している父親が傍にいてくれる安心感は絶大なものがありました。母親は、おいしい食事を作ることに専念したのです。勉強は父親、食事と息抜き担当は母親、そういう役割分担となりました。
入試本番も、学校には父親が付き添います。母親曰く、「自分が付きそうと、自分の不安な気持ちが子どもに伝わるから」ということでした。
入試当日は、父親と子どもは学校近くのホテルに宿泊します。当日の朝、余裕をもって朝食をとって学校に行くためです。
そこまで準備しても、前日の夜、子どもは腹痛を訴え、熱も出たのです。保健室受験も覚悟したそうですが、翌朝はすっかり回復し、万全の体調・精神状態で試験に臨み、合格を勝ち取ったそうです。
「あの夜、自分がそこにいたら、うろたえてしまっただろう。いなかったのが正解だった」とは母親の話でした。
まとめ
受験直前の子どものメンタルを安定させるには:
・睡眠リズムを崩さない
・食事で栄養バランスを整える
・何より親が動揺を見せないこと
・適度な休憩で気分転換
・普段通りに過ごす
これらがポイントとなるでしょう。
そして何より大切なのが、親自身が落ち着いていることなのです。第一志望校に不合格だったとして、それが何なのでしょう。すべり止めの学校に進学したとして、その学校が子どもに最適の学校になるのです。
親がそこまで悟りを開けば、親子で安心感を共有することにあります。
受験はゴールではなく新たなスタート。直前期こそ、親が穏やかに支え、子どもが安心して本番を迎えられるよう、心のケアに力を注ぎましょう。
★最後にもう一つアドバイスします。
この時期は、ネット情報を封印してください。ろくな情報がありませんので。むしろ悪意ある誤情報があふれています。見ないのが吉というものです。
ここにも関連記事を載せました。毎年同じようなテーマで書いているのです。