
いよいよ2025年が終わります。
今年の「中学入試に出そうな」重大ニュースを振り返ります。
- 1.高市政権誕生
- 2.戦後80年
- 3.令和のコメ騒動
- 4.オーバーツーリズム
- 5.選択的夫婦別姓
- 6.合計特殊出生率1.15
- 7.ラジオ放送100年
- 8.大阪万博
- 9.ロシアによるウクライナ侵攻
- 10.イスラエル・パレスチナの紛争
- 11.普天間基地移転問題
1.高市政権誕生
間違いなくこれがトップニュースでしょう。
時系列はこうなります。
9/7 石破首相退陣表明(自民党総裁辞職)
10/4 自民党総裁選挙で高市早苗氏が新総裁に選出
10/21 臨時国会→衆参両院で、高市早苗氏が第104第内閣総理大臣に選出
総理親任式と大臣認証式が行われ、正式に総理大臣に就任
石破首相の退陣表明も、急というか、遅きに失したというか。
急な御案内で誠に恐縮であります。
この度、私は、自由民主党総裁の職を辞することといたしました。そのため、党則第6条第2項に基づく総裁選、すなわち、任期中に総裁が欠けた場合の臨時総裁選の手続を実施するよう、森山幹事長に伝えたところであります。したがって、党則第6条第4項に基づく臨時総裁選の要求手続を行う必要はございません。新総裁を選ぶ手続を開始していただきたい、このように考えております。
9月7日の記者会見冒頭の発言です。
参議院選挙の惨敗を受け、自民党内で石破首相(総裁)退陣要求の声が高まる中、「続投」を表明し続けた石破氏でしたが、ついに9月8日に党所属議員等から「総裁選要求」を突き付けられる直前に辞任することになったのです。
ここで注意が必要なのは、自民党総裁選と首相選出との関係ですね。
議院内閣制の日本では、衆議院・参議院で首相の指名投票を行い、そこで指名された人物が首相となります。本来自民党という一政党の総裁を選ぶことと、首相を選ぶことはイコールではありません。
第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
② 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
衆議院・参議院における首相選挙は、1回目の記名投票で過半数を得た議員がいなければ、上位2人の決選投票が行われ、多数票を得た議員を選出する仕組みです。
指名された議員は天皇の任命を受け、首相に就任します。
第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
② 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
仮に、高市氏が自民党総裁になった後の国会で、別の人物が指名されれば高市総理は誕生しないわけです。野党はいろいろ画策したようですが、実りませんでした。
首相になるのは、あくまでも国会で指名された人物ですので、最大党の党首がなるとは限りません。1994年に自民党・社会党・新党さきがけの「自社さ」連立政権のときには、最大党の自民党ではなく、社会党の村山富市が首相になりました。また、1993年の「55年体制」終焉の際には、社会党、新生党、公明党、民社党、社会民主連合、さきがけ、日本新党が連立を組み、35議席の小勢力だった日本新党の細川護熙が首相になりました。
このあたりはひっかけ問題で定番です。
さて、中学入試ですが、問題作成時期が間に合ったかどうかが微妙ですね。
ただし大きなトピックですから、入試に出題したいテーマです。
2.戦後80年
2025年は1945年の終戦から80年の節目の年でした。
これは入試に使いたいですね。
おそらくリード文として使いながら、戦後の日本の歴史を振り返るようなスタイルの問題が多そうです。
実は、重大ニュースは中学入試で使われる場合、「生」の情報がそのまま使われるというより、その話題を糸口として一般的な歴史や地理・公民の知識を問題とする場合がほとんどです。「2025年は第二次世界大戦が終わってから80年の節目の年でした。その間の日本の歴史や世界情勢についてまとめてみましょう・・・・・」といった問題文が目に浮かびます。
3.令和のコメ騒動
これは出題しないわけにはいかない話題ですね。
なにせ、主食であるコメの価格がたった1年で2倍に跳ね上がったのですから。政府は備蓄米を放出しましたが、焼け石に水であったことはご存じの通りです。
原因については、さまざまなものがあがりました。流通経路のどこかで滞留しているのではないか、あるいは意図的に売り惜しみされているのではないか、異常気象のせいではないか、地震のせいではないか、買いだめのせいではないか。
原因は一つということはないでしょう。しかし最も大きな原因は、コメ行政そのものにあったことは間違いありません。
食糧管理制度・減反政策についても出題されそうです。
4.オーバーツーリズム
2025年だけの話題ではありませんが、いかにも出題したくなるテーマですね。
関連して、「インバウンド」「観光公害」もキーワードです。
5.選択的夫婦別姓
これをどこまで深堀りして出題するのかは、各学校の社会科の先生次第です。賛否両論併記でお茶を濁すのか、それとも世界で夫婦同姓を強制しているのは日本一か国であることをとりあげるのか、平等権や自由権にまで踏み込むのか。
6.合計特殊出生率1.15
少子化についてはすでに定番化した出題です。
少子化の原因と対策については整理しておきましょう。
・女性の社会進出
・晩婚化
・出産年齢上昇
・核家族化
・教育費の高騰
・不景気
・子育て環境が充実していないこと・・・保育園不足
・社会の無理解・・・子育てを女性に押し付ける
・出産環境が整わない・・・産婦人科医不足
7.ラジオ放送100年
1925年は3つの出来事を覚えます。
・ラジオ放送開始
・治安維持法
・普通選挙法
どれも大切ですが、ここではラジオ放送をとりあげておきましょう。インターネットの発達によりマスメディアの役割が変化する中で、あらためてラジオ放送から振り返るスタイルの問題などすぐに作れそうです。
8.大阪万博
万博そのものは、入試に出したくなるような社会科的な重要性はありません。ただのお祭りにすぎませんから。もし問題をつくなら、こうした切り口が考えられます。
・1970年の大阪万博との比較、そこからの歴史
・オーバーツーリズムとからめて
さすがにカジノ構想とからめては出題できませんね。
9.ロシアによるウクライナ侵攻
これは正直言って、中学入試には出しづらいテーマです。いちおうロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキーの名前、ウクライナの位置くらいは押さえておきましょう。クリミア半島の位置も地図で要確認です。
出題するとすれば、NATO,EUとからめた出題になるでしょうか。
10.イスラエル・パレスチナの紛争
これも出題しづらいテーマですね。イスラエル建国の流れ、中東戦争からオイルショック、さらにユダヤ教を答えさせる、その程度の出題だと思われます。もちろん位置を地図で確認するのは必須です。
11.普天間基地移転問題
2025の重大ニュースではないものの、現在進行形の重大案件です。高度に政治的なテーマですが、社会科教師としては無視できないのです。ただし、その是非まで踏み込むことはないでしょう。もしそこまで出題する学校があるとすれば、鴎友と麻布くらいかな。
今までもよく出されているのは、沖縄本島の地図から、普天間基地・辺野古岬を選ばせる問題です。
戦後80年にからめて、沖縄戦の悲劇、米軍基地問題、産業の特徴(さとうきび・菊露地栽培)、そうした問題とともに出題したくなりますね。