中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】5年生が一番大事!

中学受験に向けて、どの学年が一番大切だと思われますか?

もちろん受験学年の6年生は大切です。しかし、実は5年生の1年間が最も大切な学年なのです。

この記事は、現在5年生の方が読むと、少々つらいかもしれません。でもまだ3か月ありますので、やれることはたくさんあります。

現在6年生の場合は、こんな記事を読んでいる場合ではありません。入試問題に取り組みましょう。

現在4年生以下の方は、ぜひ参考にしてください。

志望校を決める

志望校を決めるにあたって、学校に足を運ばなければ何も始まりません。5月~11月あたりに各学校は説明会・オープンキャンパス等をたくさんん実施します。それらに参加することで志望校を決めていくのですが、大きくわけて4段階に分かれます。

 

◆第一段階:手あたり次第に学校を見る・・・小1~3

 成績を気にせず、先入観に捉われずに、とにかく手あたり次第にいろいろな学校を見に行くのが第一段階のこの時期です。とくに、ご自身が中学受験経験者の両親の場合には、思い込みを捨てることが大切です。

こうして多くの学校を見に行くうちに、「学校選びのものさし」のようなものが出来てくると思います。「A中学よりB中学のほうが雰囲気が良かった」「C中学が一番生徒が真面目そうだった」といった具合ですね。学校選びについては、ネット情報は無論のこと、ママ友情報や雑誌の情報も信頼できません。とにかく足を運ばないことには何もはじまらないのです。

ちなみに、この段階で子どもを連れて行く必要はありません。

 

◆第二段階:候補に考えた学校を再訪・・・小4

夫婦で気に入った学校がいくつかみつかりつつあります。お子さんを連れて行く時期が来ました。本格的な模試も始まっていて、ある程度お子さんの成績も見えつつありますね。「目標をもったチャレンジ」は素晴らしいことですが、「無謀なチャレンジ」は不毛です。そのあたりも考えながらの学校選びをしていくのがこの時期になります。

 

◆第三段階:志望校を仮決めする・・・小5

受験日ごとの受験校を決めるのにはまだ早いですが、「ぜひ進学したい」「進学してもよい」学校を決めるのがこの時期です。受験機会は限られています。気に入った学校を複数回受験することも普通ですので、多くても5校くらいまでが実際に受験可能な学校数だと思います。その5校を仮決めするのがこの時期なのです。

迷った場合は、何度も足を運び、家族で話し合ってください。6年間(10年間)お世話になる学校です。安易な学校選び、偏差値だけに頼った学校選びはしたくないですからね。こうして5年生の間に、志望校を仮決めしなくてはなりません。

もちろん「仮」決めですから、最終決定はまだですが、仮決め=本決めになるのが理想です。

 

◆第四段階:志望校を確定する・・・小6

実は、小6になってまで志望校を迷うべきではないのです。とくに夏以降は本格的な過去問演習に入ります。小5までに志望校を「仮」決めしておいて、それを確定させるのがこの時期の「志望校選び」になるのです。

 

本格的な「受験」勉強に切り替える

ほとんどの塾では、4年生から受験カリキュラムが始まっています。5年生から本気になっても少し遅いのですが、実際には多くの受験生が4年生の間は、のんびりとしたものです。

「まだ4年生だからねえ」「あと3年もあるし」「今から勉強やらせすぎると受験前に燃え尽きるからね」

そうやって、一所懸命に勉強しない言い訳をしながらのんびりと塾に通います。

しかし、5年生にもなるとそれではいけません。

模試の回数も増えてきますし、志望校の話を聞く機会も増えてきます。通塾日数・時間も増えました。ここで「本格的な受験勉強」モードに切り替えるべきなのです。

 

算数のカリキュラムはこうなってくる

ここで、とある塾の4・5年生の算数のカリキュラムを見てみます。

【4年】

・大きな数・角度・植木算・場合の数・およその数・数列・図形の性質・和差算・規則性・約数と倍数・面積・分数の計算・つるかめ算・過不足算・少数・立体図形・やりとり算・消去算・方陣算・平均・円・おうぎ形・速さ

 

【5年】

・平面図形・分数・少数・数の性質・和差算・約数・倍数・旅人算・立体図形・規則性・比と割合・場合の数・多角形・線対象・点対象・時計算・仕事算・流水算・相当算・ニュートン算・速さ

 

別の塾の5年のカリキュラムも見て見ましょう。

・約数・倍数・図形の面積・差集め算・濃度・売買損益・多角形の回転・場合の数・速さ・グラフ・旅人算・数列・点の移動・・相似・面積比・年齢算・仕事算・数の性質・立体切断・体積

 

算数は、同じ分野の問題を、難易度をあげながら何度も繰り返すのが普通ですので、塾によっての差はあれど、大差はないと思います。

もし4年生のときに算数が不得意だったとして、5年生で頑張ればリカバリーできます。

いずれにしても、最も生徒がつまずく「比・割合」は5年生になってから登場します。比と割合については、あらゆる問題に関連させられますので、入試問題の難易度を上げるために良く利用されるのです。しかも、中学数学になると本格的に運用します。

その「比・割合」を5年で学ぶということからも、この学年の重要性がわかっていただけると思います。

 

社会科の地理を学ぶラストチャンス

 社会科のカリキュラムは、ほとんどの塾で、5年生の途中から歴史に入ります。だいたい9月以降の塾が多いと思います。その理由としては、5年生の最初から歴史に突入すると、地理の定着が不十分なままになることとともに、他塾から移籍する生徒が来なくなるからです。お互いにそれを意識しながらカリキュラムを組んだ結果、見事に横並びとなりました。

また、地理といえども、山地・山脈・川・平野の名前を覚えたり、農産物の生産順位を覚えることだけではありません。「なぜ北海道の平均耕地面積は広いのかの理由を複数あげさせる」「亜熱帯性植物の稲の栽培が東日本でもさかんな理由」「減反政策とその影響」「農産物の輸入自由化がもたらす影響」「農家のかかえる問題点」といった内容を考えさせるのは、4年生ではさすがに早いのです。そこで、視点・切り口を変えながら地理の復習をしつつ深堀していく授業を夏までに行います。

もし4年生のときに社会科に手を抜いていて、地理が不得意なら、ここが巻き返すラストチャンスとなります。

さらに、歴史が始まります。全員が同じスタートラインに立って学びますので、これまで「社会科が苦手」だった生徒が巻き返すことのできるビッグチャンスです。

ただし、歴史はスパイラル学習のカリキュラムが組みづらい分野です。「どうせ後でまた出てくるから」という姿勢が通用しません。今出てくる歴史人物・事件等を都度定着させながら進むべきジャンルです。これも5年生の学習が重要な理由の一つです。

 

転塾のラストチャンス

転塾などいつでもできます。しかし、5年生になると、移りづらいのです。もし4年生の1年間でお通いの塾に「疑問符」しか感じないのなら、思い切って転塾も選択肢となります。多少のカリキュラムの相違はまだ何とかなります。5年・6年の2年間をどういった学習環境で過ごすのかを再考するべきでしょう。