
以前の記事で、早実や早大本庄、慶應中等部等で女子の募集定員が少ないことに触れました。
気になったので、他の共学校についてもいくつか調べてみることにしたのです。
高校募集まで手を広げると大変なので、中学受験に絞ってみます。
慶應中等部
男子120名
女子50名
女子比率:29.4%
募集定員はこうなっています。
出願者数と合格者数はこうです。
〇出願者数 男子:834名
女子:401名
〇合格者数 男子:139名
女子:57名
この学校は、HPでは入試結果詳細を公表していません。出願者数だけでは、実際の受験者数がわからないので合格率が算出できないのです。人気校ほど、とりあえず出願はしたものの実際には受験しない受験生がいますし、不人気校ほど、出願はしたものの実際には受験しなくてすんだ受験生が多くいます。また慶應中等部は、1次試験が3日、2次試験が5日ですので、開成・桜蔭・女子学院・麻布等の他の第一志望校に合格して1次試験や2次試験を受けない受験生が多いのです。
結果詳細は説明会の配布資料にあったような気もするのですが手元にないので、受験産業が出した数字から孫引きします。精度は保証できませんが、複数参照したのでそう間違ってはいないはずです。
男子の場合、1次試験未受験者が19%、2次試験未受験者が17%ほどいます。
女子の場合、1次試験未受験者が20%、2次未受験者が7%ほどでした。
女子のほうが中等部第一志望率が高いのでしょう。
〇受験者数 男子:672名
女子:322名
〇合格者数 男子:139名
女子:57名
〇合格率 男子:20.7%
女子:17.5%
〇合格者に占める女子比率:29.1%
早稲田実業中等部
男子70名
女子40名
女子比率:36.4%
〇受験者数 男子:345名
女子:202名
〇合格者数 男子:80名
女子:46名
〇合格率 男子:23.2%
女子:22.8%
〇合格者に占める女子比率:36.5%
これをみると、合格率は男女同等ですね。
合格者最低点を見てみましょう。
男子:184点
女子:196点
ああなるほど。やはり女子にとっては男子よりも難関となっています。
たとえば、190点をとった生徒がいたとして、男子なら合格できますが女子なら落とされる、そういうことです。
男女別定員を設ける以上、仕方のないこととはいえ、学校側は何も感じないのでしょうか。まるで男子に有利なクオータ制のようです。
「いやあやっぱりうちの学校は女子のほうが優秀ですね」などという会話が職員室でされていないことを願います。
渋谷幕張
男女215名
とくに募集定員に男女差は設けていません。
入試結果を見て見ましょう。
1次入試と2次入試を合わせた数字です。
〇受験者数 男子:1574名
女子:773名
〇合格者数 男子:549名
女子:234名
〇合格率 男子:34.9%
女子:30.3%
〇合格者に占める女子比率:29.9%
合格者の進学率が男女同等と考えると、学校の生徒数に占める女子割合はおよそ30%になると思われます。在校生人数の他データとも一致します。
男女別合格率に5%近くの差があることも気になりますが、受験者数そのものが少ないことが、女子比率の少ない原因でしょう。
いったいなぜ女子上位層が渋谷幕張を回避するのか、それはわかりません。もしかして、桜蔭や女子学院に流れているということなのかな? それとも、渋谷渋谷に流れているのかもしれませんね。
渋谷渋谷
男女187名の募集です。
3回入試+帰国生入試を合わせた入試結果を見て見ましょう。
〇受験者数 男子:982名
女子:940名
〇合格者数 男子:257名
女子:180名
〇合格率 男子:26.2%
女子:19.1%
〇合格者に占める女子比率:41.2%
さて、受験者数はさほど変わらないのに、女子の合格率が明らかに低く、そのため合格者の女子比率が41%しかいません。進学率も同等と考えると、生徒に占める女子比率も4割程度なのでしょう。
Q&Aにはこうありました。
Q:合格者の男女比率を考慮していますか?
A:基本的には成績順で男女比を考えずに合格者を決定します。
ただし、合格者の男女比バランスが6対4、7対3などの場合、男女の合否ラインに差をつけることもあります。
これは、あまりに女子が少なすぎるときは優遇する、そういう意味でしょうか?
つまり、渋谷渋谷を受験する生徒は、女子のほうが学力が低い?
これは私の感触と矛盾しています。
女子最上位層の受験校としては、従来は桜蔭・女子学院が人気を二分していました。近年は、そこに渋谷渋谷が加わり、女子最上位層の人気を3分している印象があるのです。
しかし男子で成績最上位の子たちは、渋谷渋谷を志向する子多くはないですね。筑駒を筆頭に、開成・麻布、そして最近は聖光、このあたりが男子トップの人気校です。東大や医学部を将来狙うつもりの子たちにとってはいまだに男子校が人気です。駒東・海城といったあたりを志望する生徒の併願校として渋谷渋谷の名前があがってきます。
だから、てっきり渋谷渋谷については、女子のほうが成績が上位の受験生&合格者が多いと思っていました。
かってに考察すると、桜蔭・女子学院のような伝統校は、幅広い層から受験生を集めるのに対して、渋谷渋谷を好む層は薄いのかもしれません。
もしかして、渋谷渋谷は、1日・2日・5日と3回も受験チャンスがあるので、「ワンチャンあるかも」といった学力未達の層が受験しているということなのかもしれません。
慶應湘南藤沢中等部
男女:100名(うち帰国生30名)
〇志願者数 男子:262名
女子:345名
〇入学予定者数 男子:53名
女子:62名
〇入学予定者に占める女子比率:53.9%
こちらの学校は、受験者数・合格者数については男女分けて公表していないので、志願者数と入学予定者数だけ載せました。
女子のほうが激戦であり、進学者も女子のほうが少し多い、そんな結果です。
広尾学園
男女240名(うち帰国生35名)
〇受験者数 男子:1201名
女子:1491名
〇合格者数 男子:362名
女子:388名
〇合格率 男子:30.1%
女子:26.0%
〇合格者に占める女子比率:51.7%
男子よりも女子に人気があるようですね。男女の合格率は女子のほうが4%ほど低く、なっていますが、合格者からみると、学校の男女比はほぼ半々ではないかと推測されます。
中央大学附属横浜
男女:160名
〇受験者数 男子:490名
女子:701名
〇合格者数 男子:177名
女子:249名
〇合格率 男子:36.1%
女子:35.5%
〇合格者に占める女子比率:58.5%
HPのQ&Aにこうありました。
Q:男女比はどれくらいですか? 合格を出すの際に、男女で人数をコントロールするために基準を変えるなどをしているのですか?
A:学年によってばらつきがありますが、男子の割合は、全校でおよそ40%です。成績順に合格を出しておりますが、男女別の合格を出したり、偏らないように男女で合格基準点を変えているなどはしておりません。
男子よりも女子が優秀なのでしょうね。「大学は中央大学に行ければ十分だ」と考える男女の学力差ということなのだと思います。
明大明治
男子75名
女子75名
〇受験者数 男子:433名
女子:481名
〇合格者数 男子:144名
女子:130名
〇合格率 男子:33.3%
女子:27.0%
〇合格者に占める女子比率:47.4%
この学校は、男女同数募集ですね。志願者は女子が若干多く、合格者は女子が若干少ないため、合格者の女子比率が少し低くなっています。
同数募集なのに女子の合格者を少し絞っているのが不思議です。おそらくは、男女の辞退率が違う、つまり男子の辞退率が多い点を考慮した調整でしょう。
法政第二中
募集定員 男子:70名 女子:70名
志願者数 1161名【男子576名、女子585名】
受験者数 940名【男子479名、女子461名】
合格者数 男子:103名(合格最低点:219点) 女子:97名(合格最低点:218点)
こちらの学校は、男女別の合格最低点まで公開していました。
男女同数の募集ですが、結果としてほぼ同数の男女が、しかも得点調整しないで合格しています。
見えてくること
その他の学校も確認しましたが、一部の学校を除いて、募集段階および合格判定で女子に不利な学校はありませんでした。
もちろん結果として女子が入りづらい学校は存在します。男子よりも女子に人気の学校、男子よりも女子のほうが成績上位者が受験する学校ですね。
もちろん逆のケースもあります。
一般的傾向として、成績最上位グループは男子優位です。理由はわかりません。男子のほうが女子よりも幼いので、余計なことを考えないで勉強に邁進できるのでは、というのが私の予想です。
中堅層は、女子のほうが厚い印象がありますね。
また、男子よりも女子のほうが、受験に際しては安全志向が高く、大学附属人気も高い傾向があります。
さらに、「共学校がいい!」という男子よりも、「絶対共学校!」という女子のほうが多い気がします。これも男子のほうが幼いからでしょうね。
また、女子校=伝統校=校則が厳しい、そうした印象があって女子が敬遠することがあるのかもしれません。
たしかに、女子校はそうした傾向があることは否めません。スマホの使用制限であったり、寄り道に対する規制であったり、今時の子供たちがいかにも嫌がりそうですね。
某伝統女子校では、修学旅行の最中に、何人かの生徒が「重大な規則違反を犯した」ため、途中で修学旅行から帰されたと聞きました。親が現地まで迎えに来させられたそうです。いったいどういう規則違反があったのかは不明ですが、なかなか厳しいですね。
昭和の価値観の私に言わせれば、学校など理不尽に厳しい規則があるのは当たり前なのですが、今時の女子生徒には受けないのでしょう。
その点、最近急増している共学新興校は、いかにも自由でのびのびした印象がありますので人気を集めているのもわかります。
私が懸念していたのは、男女同数の募集だったり、男女で募集を分けていないのに、こっそりと男子優位な合否判定をしている学校があることだったのです。
東大や医学部などの実績を出そうとすると、男子を鍛えたほうが数字が伸びそうですから。
しかしそんな姑息かつ非道な学校はなさそうなので安心しました。
結局のところ、入試結果に見えるように、学力だけで合否が決まっていくようですね。
一部の女子の募集を絞っている学校さえ避ければ問題は無さそうです。