中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】この時期だからこそ気を付けたい、課金の罠

今回は、「嫌な気分」になるお金の話です。

しかし、避けては通れない大切な話です。

塾は営利企業

当たり前すぎるほど当たり前ですが、塾は営利企業です。利潤追求が目的です。

とある塾で働く先生がぼやいていました。その塾では、父親が創業社長、二代目の息子が跡継ぎです。若くして副社長につきました。本社ビルの駐車場に、副社長が運転する超高級外国製スポーツカーが出入りしています。助手席には若い女性がいることも多い。また、塾が所有する豪華クルーザーが「社員の福利厚生」のため湘南に係留されていますが、もちろん社員で使った人間は皆無です。

「俺たちが教えている生徒たちの御家庭が支払っているお金があそこに流れ込んでいるのかと思うとやりきれない」

気持ちはわかりますが、資本主義はそういうものですから。

また、別のある塾では、校舎のビルは大半が創業社長名義になっている。塾は社長に賃料を払って営業しています。

ある塾では、社員旅行で海外に行きました。ただし、同行した社長一家だけは飛行機も宿泊ホテルも別だったそうです。「普段は一緒に生徒のために頑張ろうなんて訓示を垂れていても、俺たち社員と同じエコノミークラスには乗れない、同じ安ホテルには泊まれないってことなんでしょうね」とは、やはり社員の愚痴でした。

 

別に珍しい話でもなんでもありません。会社の経営者が利益を手にすることは当然のことですね。それが嫌なら自分で起業しろという話です。

しかし、どうして塾でこういう話を聞くと違和感があるのでしょう?

それは、塾が「教育」の皮を被っているからに他なりません。

たとえば学校法人で同様のことがあれば、保護者や世間から糾弾されることは容易に想像がつきますね。学校法人は非営利性と公共性が前提ですから。しかし塾は違います。

つまり、学校法人でもなんでもない、利潤追求を目的とした「営利企業」の塾に、「教育」の幻想を見ることに問題があったのです。

塾は営利企業である。

そのことを再認識しましょう。

 

塾は不安産業である

塾の先行きが不安と言う意味ではありません。(それとも不安なのか?)

保護者の不安を煽ることで利潤につなげる産業構造だという意味です。

塾に頼らないと合格できない

この前提が崩れると、成り立たない産業です。

だからこそ、保護者の不安を煽ることに注力します。

「このままでは算数が落ちこぼれます!今すぐ補習を!」

「低学年から通塾しないと間に合わない!」

「家では勉強なんかできません! 毎日塾に通わせましょう!」

「〇〇特訓講座を受講しないと受かりません!」

こんなセールストークが飛び交う世界です。

※誤解なきよう言っておくと、現場の先生方の多くは、利潤追求のために親を煽っている意識は無いと思います。心の底から「この講座は必要だ!」と信じている方が大半でしょう。生徒と直接接している先生方がそこまで腐っているとは思えません。

しかし、「オプション講座受講率」「特訓授業受講率」のような数字を算出し、教室毎に競わせて、賞与の算定に使っている塾もいくつもあるのです。現場の思いと経営者の思いが乖離しているのでしょうね。

 

個別指導・家庭教師は死活問題

 集団指導塾ならまだしも、個別指導や家庭教師のように、一人の生徒しか教えていない場合は、生徒が受講してくれないことは死活問題です。とくに授業単価が高い受験学年の生徒は奪い合いなのです。

 受験が迫ってくると、親も平常心を失いがちです。ついつい教師のいうがままに、講座時間を増やしてしまいます。

 集団指導塾とは違い、個別指導・家庭教師は高額です。その時間を増やせば、とんでもない金額の課金となってしまいます。

「週1回では十分な指導ができません。週3回に増やしましょう」

「私が全て面倒みますから、毎日通わせてください」

「お通いの〇〇塾では過去問演習がきちんとできないですね。そちらは辞めて、私の指導1本にすべきです」

 そうした話が飛び交うのも、この時期の特徴です。

 

もちろんそれが「嘘」「詐欺」というつもりはありません。個別指導や家庭教師については、力量の高い先生に指導を受けられれば、集団指導塾以上の効果があがることは確かだからです。心ある先生なら、それがわかっているからこそ、「集団指導塾は辞めて私の指導1本に絞りましょう」と言ってくださっているのでしょう。要は、費用対効果、つまりどれだけ指導力のある先生なのか、ということに尽きるのです。

 

その費用、本当に必要ですか?

 

中学受験にはお金がかかります。

塾・家庭教師等に費やす費用以外にも、受験料もかかります。

さらに入学金・寄付金・授業料がこれからかかるのです。

場合によっては、入学金を複数の学校に納めて「押さえる」必要があるかもしれません。

そして、入学後もお金はかかります。通学定期代、部活費、合宿費、さらに塾に通わせるかもしれません。また、夏休みを利用した短期留学、2週間行かせただけで100万円くらいは普通にかかるのです。

 

合格のために本当に必要な出費ならよいのです。信頼できる先生と出会えたのなら、その先生の指示に従うことで合格が近づくかもしれません。

しかし、そうした「良心的」かつ「実力のある」指導者はとても少ないのがこの世界です。

受験産業の口車に乗せられて、不要な出費をしてはいないのかどうか、今一度冷静になりましょう。

 

★塾には行かなくとも合格はできる。そのノウハウを本にしました。

この本なども、塾から見れば「目の上のたんこぶ」に思えるのでしょうね。