
先日は防災の日でしたね。
家の防災グッズなど整理した方も多いと思います。
「防災」という観点から学校選びについて考えたいと思います。
遠い学校よりも近い学校
2011年3/11、何をしていましたか?
10年以上前なのに、鮮明に覚えていますね。
実は、あの東日本大震災を境に、学校選びの基準が大きく変わったのです。
以前なら、「女子なら1時間以内、男子なら1.5時間以内」の通学時間を目安とするよう指導していました。もちろん近いに越したことは無いですが、やはり遠くても通いたい学校はありますので、一応の目安として通学時間が1時間、男子ならもう少し頑張れるかな、といったあたりで考えていたのです。
しかし、東日本大震災が全てを変えました。
少しでも自宅に近い学校を選ぶ方が確実に増えました。
例えば、開成中学は西日暮里駅すぐ近くにあります。
そこから、そうですね、立川駅までなら電車で45分です。立川駅から徒歩10分のところに住んでいたら、ちょうど1時間で開成に通学できるということになります。
しかし、開成中学から自宅まで歩くとすると、36キロメートルの距離を8時間半かけて歩くことになるのです。
水道橋駅から徒歩7分の桜蔭中学までも電車で1時間で通えますが、歩くとなると、35㎞で8時間15分かかります。
無理です。
例えば、明大明治なら三鷹、早稲田実業なら国分寺、桐朋なら国立にあります。
女子校なら、吉祥女子が吉祥寺に、立教女学院が西荻窪にあるのです。
もちろん、開成や桜蔭には、無理をしてでも通いたくなる格別な魅力があることは承知しています。どんなに遠くたって憧れの学校に進学したいという気持ちも理解しています。しかし、防災という観点からは、リスクコントロール無しには通学時間が1時間を超える距離の学校はなかなか選びにくい学校といえるでしょう。
リスクコントロールの方法
その1・・・親の職場の近くの学校
子どもが学校にいるときに災害があった場合、学校は保護者の迎えが無い限り子どもを外に出しません。
そして、平日のその時間は、親が仕事に出ている時間でもあります。
親の職場が学校に近ければ、すぐに迎えに行くことができますね。
8時間以上の距離を親子で歩くのは願い下げですが、いざとなったら仕方がありません。とにかく親子が合流できることが重要です。
その2・・・学校近くに知人がいる
ある学校では、「災害時に保護者に替わって子どもを引き取る人」を提出させるそうです。まあ一般的なやり方です。
学校から徒歩圏内に頼れる親戚・知人がいると安心ですね。
その3・・・通学経路に知人がいる
あるミッション系の学校では、同じミッション系の学校同士で連携して、生徒を相互に援助する制度があると聞きました。通学途中に災害に会った場合は、とりあえずもよりのそうした学校に立ち寄ると保護してもらえるのです。
同じように、通学時の災害を想定し、通学経路上に何人か、いざというときに頼れる知人がいるのは心強いですね。
その4・・・学校の友人
中1の初めは難しいですが、信頼できる親同士の繋がりをつくることも重要です。とくに、自宅が近いか同じ沿線の友人(子ども&親)がいると、いざというときに互いに助け合えますので。その情報をきちんと学校に届け出ておけば、災害時にどちらかの親が二人の子どもを引き取って保護することも可能になります。
その5・・・非常グッズ
通学カバンの中に、最低限の非常用グッズを入れておきましょう。
◆携帯トイレ(百均で売っています)
トイレ問題は最重要問題なのですが、実際の使用場面を想定すると現実的ではないかもしれません。人目を避けて使用できる場所がトイレくらいしかないですし、それなら素直にトイレを使いますから。もうこれを使う場面というのは、人目などを気にしていられないような非常時なのでしょう。それでも、安心材料として鞄に入っていると良いと思います。
◆コンパクトな敷物(登山・キャンプ用に秀逸なものがあります)
百均で売っているようなレジャーシートはかさばるので持ち歩きに不適です。
↓ ちょっと検索すると、こんなものがヒットします。1000円程度です。私も旅行やビーチ等で使っています。防災限定でなくても、荷物を置く敷物としても活躍します。
◆非常食・・・チョコレート・キャンデー
本格的な非常食など不要です。空腹を紛らわす程度の何かがちょっとあればよいのです。防災用の溶けにくいチョコレートや、お気に入りのキャンデーがよいでしょう。
子どもはすぐ食べそうですので、補充を忘れずに。
◆現金(とくにコイン)
防災用ということでなくても、財布以外に非常用の現金を鞄の隅に入れている方は多いですね。それと合わせてコインを数枚入れておきましょう。自販機&公衆電話用です。
※子どもは公衆電話を使ったことがない!
そういう時代です。一度は練習させておきましょう。
◆連絡先メモ・・・スマホに頼っていて、電話番号を覚えていない子が多いのです。親の職場・学校・自宅・親の携帯・親戚の携帯、そうした番号リストを紙にしてお財布にでも入れておきましょう。
その6・・・シミュレーション
本当なら、歩いてみるのが一番よいのです。
しかし、8時間親子で歩くのはしんどいですね。
せめて、自転車で往復してみるのはいかがでしょうか?
都内の道を焦らずに普通に走ると、だいたい1時間で15~20㎞は走れます。(ただしこれはある程度ちゃんとしたクロスバイク程度の自転車の場合ですね。ママチャリだとそこまで距離は稼げません)
途中のカフェで休憩したり食事をしながらのんびり行くとよいでしょう。一度でも実際の風景を見ながら道を歩く(走る)と、イメージがつかめます。
その7・・・引っ越す
学校に合格したら、近所に引っ越す。
究極のリスクコントロールです。実際にそうした方も何人もいました。
もともと子どもが中学生になるくらいのタイミングで家を買おうと思っていた、そうしたケースもあるでしょう。
しかし、学校によっては千代田区番町や港区青山にありますから。おいそれと引っ越しするのも大変です。
しかし、もしできたら、通学時間が徒歩のみ10分以内という夢のような通学生活が待っています。
羨ましい話ですね。
自宅近くの歩いていける公立中学ではなく私立(国立)中学に進学するというのは、こうしたリスクコントロールとワンセットと考えるべきでしょう。
学校選びや受験についての基礎知識をまとめた本を書いています。ぜひお読みください。

