
今回は、ロジカルライティングの番外編として、日記について書いてみます。
真面目に毎日日記をつけている人は読まないでください。
日記とは?
ミユキ:先生、助けて!
私:どうした? 夏休みの宿題か?
ミユキ:どうしてわかるの? 実は、日記の宿題が出てたんだけど。
私:まさかとは思うが、書くのを忘れてたのか?
ミユキ:その通り! さすが先生!
私:さすがじゃない! それで、どれくらいさぼってたんだ?
ミユキ:全部
私:全部? まさか夏休み全部か?
ミユキ:最初の何日かは書いてたんだよ。そのうち、後回しにしてたら、気づいたら全く書いてなかったんだ。だいたいひと月分以上たまってる。
私:先生に謝るしかないだろう。
ミユキ:そこを何とか!
カホ:先生、手伝ってあげなよ。ミユキが困ってるじゃない。
アヤネ:先生のアドバイスっていつもすごく助かります。お願いします。
私:まさか3人とも書いてないのか?
一同:YES!
私:ひどいね。
カホ:私だって書こうと思ったんだ。それで学校の先生に何をかけばいいか聞いたんだよ。そうしたら、日記だから、毎日起きたできごとを書けばいいんだって。でもさ、私だってミユキだってアヤネだって、毎日塾の夏期講習に行って、家で勉強してただけだから。さすがにそれ書くわけにいかないじゃない。
私:それでいいんだ。
ミユキ:嘘!
私:日記だからな。学校の先生のおっしゃる通りだ。毎日起きたことをそのまま書くだけでいい。
アヤネ:それではつまらないと思います。
私:日記だからな。つまらなくていいんだ。おもしろくする必要は全くない。
つまらぬ日常
私:そもそも日記なんてものは、きわめて個人的な記録で、人に見せるものではないんだ。それをあえて課題にして提出させるというのが本来は間違っている。
カホ:私もそう思う!
私:だから、おもしろいこととか、変わったことを書く必要は全くない。
ミユキ:そうなんだ。
私:それに、その時の自分の気持ちについても書かなくてよい。
アヤネ:そうなんですか?
私:人の心なんて、そう簡単に揺り動かされるものではないからな。毎日暮らしていると、少しだけ考えたり思ったりするが、そんなささやかな心の動きなんて、すぐに忘れるだろ? だから、日記に書きようもない。どうしても書こうとすると、「おもしろかったです」「凄いと思いました」「楽しかったです」「つまらなかったです」なんていう、実に幼稚な感想しか出てこないものだからな。
ミユキ:そうそう! さすが先生、わかってるね! 最初の何日か書いてはいたんだけど、なんだかすごく幼稚な文しか書けなくて。それでさぼってたらこんなことになったんだよ。
私:そこで、日記には、出来事だけを箇条書きに書けばいい。
カホ:そんなので、学校の先生に怒られないかな?
私:怒る先生もいるかもしれないな。
カホ:どうしたらいいの?
私:怒らせておけばいい。そもそも理不尽な課題なんだ。書いて提出するだけで十分だろう。
カホ:もしかして先生、日記嫌いでしょ?
私:ばれたか。先生も子どものころ日記の課題が大嫌いだった。だから、夏休みの初日に、40日分の日記をまとめて書いていたんだ。
ミユキ:未来のことを?
私:そうだ。それで一度も怒られたことはない。
カホ:ある意味それって凄い。
アヤネ:でも、せっかく書いて出しても怒られるのは嫌です。
私:わかった。それじゃあ、究極の奥義を伝授しよう。
一同:お願いします!
今日の一句
私:それは、毎日の箇条書きの出来事報告の最後に、「今日の一句」というコーナーを設けて、そこに川柳を一句書くんだ。
ミユキ:川柳?
私:そうだ。川柳は知ってるな?
ミユキ:俳句みたいなのだよね。
私:俳句は季語を入れたりとかいろいろ面倒な掟があるからな。でも川柳は自由だ。5・7・5の字数で書くだけだ。ちょっとやってみよう。なんでもいいぞ。一句作ってごらん。
カホ:「夏休み 日記書けずに 困ってる」
私:それだ! そういうのでいいんだ。
ミユキ:「暑すぎる 海にも山にも 行く気無し」
私:いいね!
アヤネ:「冷蔵庫 何度も開ける 熱帯夜」
私:いいね! うん、熱帯夜の雰囲気が良く出てるぞ。暑くて寝苦しくて、冷蔵庫の冷たい麦茶を飲みに何度も起き出すイメージだな。
ミユキ:先生って何かアヤネには甘い気がする。「かわいくて 頭いいから えこひいき」
私:そんなことはない!
ミユキ:でも、先生、ありがとう。これなら何とかなりそうだよ。
カホ:うん。夏休みにどこにも行かなかったから日記書けないと思ってたけど、そんなのでいいんだね。「夏休み どこにも行けず 受験生」ってね。
アヤネ:ありがとうございます。「ご指導に 感謝しかない 私たち」
カホ:またアヤネ、いい子ぶりっ子して!