中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【入試問題分析】2025 洗足学園 算数

久々に算数が解きたくなったので解いてみました。

解いたのは、2025年 洗足学園1回の問題です。

洗足学園は、問題・解答用紙・模範解答に加えて、小問ごとの正答率や採点者所見まで公開してくれているのです。

こうした情報公開の姿勢は、学校の評価につながると私は思っています。

洗足学園の大学実績大躍進の遠因の一つだと思うのです。

 

速さの問題を紹介

 

こんな問題でした。

7200m 離れたP町とQ町があります。AさんはP町からQ町へ分速 50mの速さで出発し,同時にBさんはQ町からP町へ分速 40mの速さで出発しました。
2 人は途中で出会い,10 分間話をした後,AさんはP町へ,BさんはQ町へ,それぞれ来た時と同じ速さで引き返しました。2 人が別れて 6 分後にAさんはBさんにプレゼントを渡すのを忘れていたことに気づき,速さを 2 倍にしてBさんを追いかけプレゼントを渡しました。プレゼントを渡した後,すぐにAさんは速さを元に戻しP町へ戻りました。このとき,次の問いに答えなさい。
(1)プレゼントを渡した場所はP町から何mのところですか。
なお,この問題は答えまでの考え方を表す式や文章・図なども解答欄に書けます。
(2)AさんがP町に戻ったのは,P町を出発してから何時間何分後ですか。

おお、典型的な「旅人算」ですね。

この問題の正答率は、(1)が81.3%、(2)が51.8%でした。

さすがにこれを大人が間違えるわけにはいきません。

 

まずはダイヤグラムを書きましょう。これが、この問題を解くときの王道です。

問題の条件を図に落とし込むのですね。

実は、この段階で間違える生徒がいるのです。問題の条件を図示することがうまくできない生徒です。

逆にいうと、きちんとしたダイヤグラムさえ描ければ勝ったも同然です。

 

まず、AとBの二人が出会った地点アですが、これは単純な「出会い算」です。

7200÷(50+40)=80

ということで、80分後に出会いました。

出会った地点は、

50×80=4000 Pからの距離4000m

40×80=3200 Qからの距離3200m

わざわざ両方計算する必要はないですが、足すと7200mで検算となります。

こういうちょっとした数字も確認しながら進めるのも悪く無い習慣です。

 

10分間休憩した後、別れて二人は出発地点に戻ります。

ここで引き返さずにそのまま進むなどと考えるとアウトですね。

そして別れてから6分後にAがBを追いかけ始めます。

典型的な「追いかけ算」です。

6分間で二人の距離は離れています。

(50+40)×6=540m  これが二人の距離です。

今度はそれを縮めます。

540÷(100ー40)=9

9分で追いつきました。

※AがBを追いかけるときだけ、スピードが倍、つまり100m/分となっていることを忘れてはいけないですね。

 

あとは、AがBに追いついてプレゼントを渡した地点エがPからどれくらい離れているのかを計算しましょう。

地点イはPから4000m離れていました。

そこから6分間AはPに近づきました。

50×6=300

4000-300=3700 つまり地点ウはPから3700m離れています。

そこからBを倍速で追いかけます。追いつくまでに9分かかりました。

100×9=900 地点ウとエの距離です。

3700+900=4600  これが地点エのPからの距離です。

 

4600mの距離を、今度は元のスピードでAはP町まで戻ります。

4600÷50=92  戻るまで92分かかりました。

あとは、最初からの時間を全て足してみましょう。

Aがアまで進む時間・・・80分

Aがイまで進む時間・・・80+10=90分

Aがウまで進む時間・・・90+6=96分

Aがエまで進む時間・・・96+9=105分

AがPまで戻るのにかかった時間・・・105+92=197分

つまり最初から3時間17分かかりました。

 

丁寧に式に書きましたが、実際の解答ではここまで丁寧には書きません。

ただしダイヤグラムだけは丁寧に書きましょう。

あとは計算しながらそこに数字を書き入れていけばいいのです。

 

学校の採点者所見はこうでした。

(1) ダイヤグラムをかくと状況把握ができます。旅人算との融合問題でしたが、全体的によくできていました。正解でなくとも、必要な数値を部分的に出せているものが多かったです。
(2) A さんの動きを整理し、それぞれにかかった時間を求めていきます。(1)を正解していれば、そのまま(2)も正解しているものが多かったです。

 

洗足の算数平均点は61.4点(100点満点)、合格者最高点は96点、合格者最低点は56点となっています。

 

いかがでしたでしょうか?

易しかったですね。この程度の問題、間違える受験生がいることのほうが不思議なレベルです。

ということは、多くの受験生はこのレベルで苦戦しているのです。

お子さんの算数の指導をする自信がわいてきた?のならよいのですが。

 

 

典型的な旅人算の入試問題を見て見ました。

学校によって、分野によって問題の難易度は様々です。

 

同じ年度・回数の洗足の算数で、最も正答率が低かった問題を見て見ましょう。

何と正答率が6.0%しかありませんでした。

 

図形と面積の問題

 

直径 12cmの円の周上に円周を 12 等分する点をとります。色のついた部分の
面積の和は何cm2 ですか。

 

まず、移動しましょう。

次に、補助線を2本引きます。

次に、緑の扇形の面積を出します。

中心角が60度であることが分かれば簡単です。

6×6×3.14÷6=18.84

さらに、青の三角形の面積を出します。

3×6÷2=9

合わせておきましょう

18.84+9=27.84

ピンクの三角形の面積を出しましょう。

3×3÷2=4.5

最期に、ピンクの三角形の面積を引きます。

27.84-4.5=23.34

採点者所見はこうでした。

平面図形の問題です。2 つの色のついた部分の一方を対称移動し、一つの図形にまとめられるか、適切な補助線を引いて「扇形」に注目できるか、30 度・60 度・90 度に注目して必要な長さを求められるかがポイントでした。誤答として多かったのは 18.84cm2でした。

なるほど。18.84ということは、緑色の扇形の面積を出したところで挫折?あきらめた?勘違いした のでしょうね。

 

いかにも生徒が苦戦しそうな問題です。

この手の図形問題は、「閃かない」限り永久に解けないのです。

そして閃くのか閃かないのかは、トレーニングしかありません。

算数の問題のバリエーションなど限られたものです。

ある程度問題演習量をこなしていれば、似たパターンの問題を必ず解くと思います。

 

みなさんはこの問題は解けたでしょうか?

解説を見てしまえば、「何だ簡単!」という問題ですが、それが思いつくかどうかがポイントなのです。

こればかりは大人でも慣れが必要です。

 

「受験算数は難しい!」と腰が引けているかもしれませんが、まずはチャレンジしてみましょう。

舐めてかかるわけにはいきませんが、大人に歯が立たないレベルではないと思うのです。