中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】成功する親、失敗する親

30年以上にわたり中学受験の最前線に立っていると、何となく見えてくるものというものがあります。

「こういう親はうまくいく」

「これではうまくいかない」

今回は、中学受験で成功する親と失敗する親についての考察です。

※あくまでも私の狭い体験から得た主観にすぎません。一般的な法則でもありませんし例外も多数あることはご了承ください。

親の力量と子どもへの接し方

 

親子関係には様々な側面がありますし、単純化することには問題があることは承知しています。それを承知の上で、乱暴な分類を試みてみます。

 

親が、中学受験について詳しいのか詳しくないのか

中学受験について詳しいということは、以下を意味します。

 

◆中学受験の学習内容に詳しく入試問題が解ける

◆中学校の情報に詳しい

◆この時期の子どもの成長過程について詳しい

 

しょせん、12歳の子どもに解けるレベルの問題です。大人である親なら当然解けるはずです。また、そのために必要な学力レベルについても詳しいことが必要です。

子どもが6年間の大切な時期を過ごす環境について、詳しいことは当然です。子どもには調べることが難しいのですから、替わりに親が熟知している必要があります。

親が当然と思うことが子どもにはわかりません。できません。この時期ならここまで理解していれば大丈夫、この時期の子どもはこうしたところに躓く。そうした成長過程について詳しいことは求められます。

 

子どもに任せるのか任せないのか

子どもの自主性など斟酌せずに、すべて親がコントロールする。そうした家庭も多いですね。教育虐待と言われる危険性があります。

一方、子どもを信頼して、全てを子どもに任せる、そうした家庭もあります。放任と紙一重です。

 

4つの分類

上述した、親が受験について詳しいのかどうか、そして子どもの自主性を認めるのかどうか、この2点について4分類してみました。

A:親が中学受験に詳しく、子どもに任せている

理想です。

親が中学入試問題を解けるのです。学校についても詳しいのです。いつでも子どもに教えることができるのです。それなのに、勉強については子どもに任せています。

これは放任とは言いません。「見守り」といいます。

子どもに任せるということは、当然子どもの側にも「任される」力量が必要です。

◆言われなくても自主的に机に向かう

◆自分の弱点を把握して学習できる

◆学習習慣が完璧

◆自分で問題点を解消できる

 

こう書いていて、「こんな生徒いないぞ!」と私でも思います。ゼロではありません。過去に、ほんの数名ですがそうした生徒がいました。親の仕事は、「もう勉強は切り上げて寝なさい」という声をかけることだけだったとか。

誰もが憧れますが、実際には無理でしょう。

そこで、Aのパターンの発展形として、親は子どもを「原則として」見守る

くらいが実際的なのだと思います。

基本的には子どもに学習はまかせていますが、いつでも手を差し伸べられるように見守るのです。軽いアドバイスはするのです。

どう考えても、成功の匂いしかしない親子関係です。

 

B:親が受験に詳しいが、子どもに任せない

 子どもにとっては大変ですが、これも受験の成功パターンです。

何せ親が詳しいのです。いつでも子どもに教える力量があります。中学校についてもよく知っています。子どもとしては、親に頼ることに何の不安もありません。

もしかして時々息が詰まるかもしれませんが、それでも頼れる親ですから、子どもは従うことでしょう。

この親子関係は、中学受験ならではのものといえますね。

高校受験の15歳ともなると、意味もなく親に反発しますので。いくら親が「こんな高校入試問題満点が当たり前だよな」と実践してみせたところで、「そんなの当たり前だろ」

と返ってくるだけで、尊敬にはつながりませんので。

しかし、小学生ならうまくいきます。

◆問題点

中学受験まではうまくいくのです。問題はその後です。中学生になってから、徐々に子どもを独り立ちさせなくてはなりません。自主的に勉強できるように仕向けていかなくてはなりません。まさか大学入試まで付き合いますか?

 

C:親は入試に詳しくないのに、子どもに任せない

 最悪です。

親が入試問題を解けないのです。それなのに口出しをするのです。

「どうしてこんな問題間違えたの!」

「これ何度もやった問題でしょ!」

「どうして覚えてないの!」

こう発言するなら、親が全てを覚えて、全ての問題をミスなく解ける必要があるのです。

自分より力量が低い人間に教えを乞いたい人はいませんね。

学校についても、たいして詳しくないのに、偏差値や噂程度の情報で子どもを振り回すのです。これは、おそらくその時は子どもは気づかないでしょうけれど、中高生のどこかのタイミングで気づいたときが最悪でしょう。

「こんな学校行きたくなかったのに、お父さん(お母さん)がいい学校だっていうから」

そうなったら子どもが可哀そうすぎます。

 

D:親が入試に詳しくないので子どもに任せている

 これも最悪ですね。

もちろん、子どもが大人である場合は別です。

自分でなんでもできる、自分で自主的に学べる、親の手伝いを一切必要としていない

いわゆる「トンビが鷹を・・・」です。

過去にそうした生徒がいなかったわけではありませんが、限りなくゼロに近いと思います。

 

どうしたらいいのか

もうおわかりのように、目指すべき方向はAないしBです。

しかし残念ながら、最も多いのは、CとDなのです。

実は、Dの場合はまだ救いがあります。親が自分で何とかする努力を放棄して、外部に委託することで解決できるかもしれないからです。

塾に頼るのです。

しかし、頼れる塾、頼るべき塾、信頼できる教師に出会えればの話ですね。

大手集団指導塾に、「全てお任せします」と言ったところで、それは無理な注文というものです。「ご安心ください、全て我々にお任せください」と大見得を切る塾があったとすれば、残念ながらその塾は「詐欺塾」の可能性が高いと思います。集団指導塾ではそこまで子どもたち一人一人に向き合うことは不可能ですから。

個別指導塾・家庭教師なら、まだ可能性はあります。しかし今度は教師の力量不足の可能性があります。

ある程度はプロにお任せするとしても、最終的には親が前に出る必要があります。

 

Cのケースが最も多いような気がします。

親が詳しくもないのに口出しをするのです。

これは子どもは反発しますね。

「知りもしないくせに口出しするなよ!」

子どもの心の声が聞こえるようです。

 

受験成功のためにも、良好な親子関係のためにも、親が相応の努力を払うべきだと思います。