
偏差値だけで学校を選ぶな。
皆が言っています。私も言ってきました。
学校の魅力は偏差値では測れないと。
それでも、こう聞かれてしまったのです。
「そんなきれいごと言っても、結局偏差値なんでしょ?」
今回は、そうした話題です。
※特定の学校を持ち上げる気も貶める気もありません。あくまでも私の主観です。
青天井の学校には特別な価値がある
子どもが6年間通う学校です。
自分の学校に誇りをもってほしいじゃないですか。
そして、卒業した後にも、「私は〇〇学園出身です!」と誇りをもってほしいじゃないでか。
そうした気持ちを抱けない学校選びは不幸です。
「本当は〇〇学園にいきたかったけれど、学力が足りなかったから」
そんな思いで過ごす時間は不毛です。
青天井の学校、つまり成績最優秀者しか進学できない学校には、特別な価値があります。
男子校でいえば、開成・麻布・武蔵・筑駒、そうした学校が相当します。
女子校でいえば、桜蔭・女子学院でしょう。
大学附属なら、早慶の附属中高です。
※ただし、渋谷渋谷・渋谷幕張のように複数回入試や1月校入試の学校の場合、開成にいきたかったけれど仕方なく渋谷幕張に進学する生徒や、桜蔭に届かなくて渋谷渋谷になった生徒がいますので、ここでは取り上げません。最近の女子トップ層は、桜蔭・女子学院・渋谷渋谷に志望校が分かれることは承知しています。
これらの学校は、「もっと成績が高ければ別の学校に進学したい」という層がいません。
全員が、第一志望としてその学校を選んだ生徒です。
ごく稀に、本当は開成が良かったのに親に無理やり筑駒に進学させられた、という生徒や、本当は桜蔭に行きたかったのに、親に慶應中等部を薦められた、という生徒がいるくらいです。
これらの学校には、「本当は豊島岡に行きたかったのに、なんで桜蔭なの?」という生徒も、「僕は浅野に行きたかったのに、なんで麻布なんだよ」という生徒は存在しません。
自己肯定感の高い生徒だけと考えてよいでしょう。
しかも、学校には、ぎりぎりで合格できた生徒や実力適正で合格してきた生徒に加えて、とてつもなく勉強ができる生徒がいるのです。
国際数学オリンピックや科学系オリンピックのメダリストの学校を見てください。
灘・開成・麻布・桜蔭・女子学院、そうした学校の生徒ばかりです。
(高校生模擬国連は入れません。あの大会は、特定の学校の生徒に有利すぎることと、帰国子女ばかりなので意味が異なります)
こうした子たちは、おそらく学校の勉強は軽くこなしながら、さらに高度な学問へ進もうとしているのですね。
このような生徒が同級生にいる環境がどれだけ刺激的なものかわかりますよね。
そしてもう一つ、「教師は生徒に育てられる」ことを忘れてはいけません。
優秀な、とてつもなく優秀な生徒を指導している先生は、やはり優秀です。
そうした優秀な先生に習えることは幸せなことですね。
(毎年入試問題を分析していると、出題ミス・模範解答ミス・不適切な出題をいくつもみつけます。そういうミスをする学校は、残念ながら低偏差値の学校ばかりです。先生方のレベルを物語る話です)
高偏差値の学校は、東大への合格者数が目立って取り上げられがちですが、そこではないのです。
自己肯定感の高い生徒、優秀な同級生、優秀な先生、そうした環境こそに高い価値があるのです。
中堅校選びこそ、校風を優先すべき
例えば、偏差値表で55のところにある、複数回入試を行う学校を考えてみましょう。
その学校に進学する生徒は、3種類です。
A:もっと上の学校を目指していたが届かなかった生徒
B:もっと下の学校ばかり受けていたが、たまたま合格できた生徒
C:その学校を熱望し、何度も受験していた生徒
Aの生徒は不幸ですね。せっかくの新生活が挫折感からのスタートになります。
其の学校で一番優秀な生徒達というのが、この子たちになります。
Bの生徒も多いでしょう。合格できたのは幸運ですが、先行きが不安です。えてして中堅校・新興校ほど、大学実績至上主義に陥り勝ちだからです。その学校で優遇されないまでも、冷遇されるとしたら可哀そうすぎます。
Cの生徒が、本来学校が大切にすべき生徒のはずですね。そして熱望するということは、まさか「医学部によく合格するから」「東大を目指せるから」「宿題が多いから」「補習をやってくれるから」というものであるはずがありません。その学校の校風や教育理念に惚れ込んでの受験です。
つまり、中堅校選びこそ、校風や教育理念に目を向けて選ぶべきなのです。
そうでないと、親も子も納得のいかない学校生活になってしまいます。
結局偏差値は大切なのか?
高偏差値校=良い学校 ではありませんが、良い学校が多いことは確かです。
その学校への進学を目指して努力してきた、その努力値が高い生徒が多いからです。
先日、二人の卒業生と話をしていました。
一人は、最難関中高から最難関私立大学に進学した生徒、もう一人は、中堅(より少し下の)進学校から、同じ大学に進学した生徒でした。
大学名は同じです。したがって、世間的には同じ学力とみなされます。
しかし、すこし話をしていてわかるほど、二人の「頭の良さ」に差があるのです。「頭の良さ」というと語弊がありますが、「しっかりした考えを持ち、それを言語化する能力」に差があるのですね。
入学時点の学力差がまだ尾を引いているというより、さらに拡大したような気がします。
おそらくは、6年間を過ごした環境の違いなのでしょう。
学校選びについて、偏差値という指標は、とらわれ過ぎてはいけない数値なのですが、無視もできない数値です。