中学受験のプロ peterの日記

中学受験について、プロの視点であれこれ語ります。

【中学受験】雨温図が読めない?

みなさんのお子さんは、雨温図の読み取りは得意ですか?

実は、受験生のほとんどが苦手としているのがこの雨温図問題なのです。

今回は、雨温図の読み取り方のコツ、最終解答を書いてみます。

降水量の少ない3か所

まずは、降水量の部分だけに注目します。

単純に、海に面しているところは降水量が多く、面していないところは降水量が少ないと考えましょう。

砂漠やモンゴルは降水量が少ないことは容易に想像がつきますね。

日本では、北海道・中央高地・瀬戸内の3か所です。

 

ここで見るべきポイントは、降水量を示す棒グラフの部分だけです。

全体的に少ないな。

そう判断できればそれでOKです。

さて、この3か所を北から順に、北海道・中央高地・瀬戸内の順に並べればいいのです。

それは気温のグラフの部分を見れば簡単に判断できますね。

 

降水量の多いところ2か所

 

 次に、降水量が全体的に多めのところを2か所選びます。

日本海側と太平洋側です。

どちらも海に面していますが、季節風の向きを考えてください。冬の北西の季節風が吹きつける日本海側は冬の降水量が多く、夏の南東の季節風が吹く太平洋側は夏の降水量が多くなりますね。

 

よく出る2か所

 

入試でよく見かける地域が2か所あります。

まずは尾鷲。太平洋側の特徴を示すのですが、何といっても降水量の多さに注目してください。他地域の2倍以上は降っていますね。

他の地域のグラフの降水量は0~400で目盛を打ったのですが、尾鷲についてはそれではグラフがはみ出してしまいます。800mmまでの目盛を打ちました。

(バランスをとるために気温を70度まで目盛を入れました。気持ち悪いですね)

高知と降水量だけ並べてみましょう。

 

高知もなかなか降水量の多い地域なのですが、尾鷲は突出していますね。

 

そして、もう一か所、よく出題されるのがここです。

降水量については、標準的な太平洋側のパターンです。

ただし、気温が特徴的です。夏の気温ではなく、冬の気温に注目しましょう。

温暖と思われる高知でも、冬は6度台まで下がりますが、那覇は17度台までしか下がりません。

 

東京の雨温図は?

 

真っ先に出題されそうな東京ですが、実はあまり出題されません。

太平洋側の典型的な高知と、瀬戸内の雨温図と並べてみました。

どう思いますか?

年間降水量が少ない瀬戸内と比べれば、東京は降水量が多いですが、高知と比べるとだいぶ見劣りがしますよね。

これは、東京が太平洋に面していないからなのです。

たしかに東京湾に面してはいますが、それは太平洋ではありません。夏の季節風は房総半島を超えて吹いてくるのです。

つまり、東京は内陸型気候の特徴が少し見られると考えましょう。

それが、東京が予想以上に降水量が多くない理由なのですね。

 

東京の年間降水量は1598mmです。高知の2666mmの60%程度しか降水量はありません。

例えば小田原になると1996mm降水量がありますので、太平洋に面していないということがとても大きな影響があることがわかるでしょう。

 

北海道の雨温図

 

北海道といえば札幌の雨温図が良く出されますね。

たしかに年間降水量が1146mmですから、降水量は少なめ、つまり内陸型気候の特徴ということになります。

しかし、グラフをよく見てください。梅雨が無いことも特徴的ですが、なんだか夏と冬の降水量を比較すると、冬の方が多い、つまり日本海側気候の特徴が少し感じられませんか?

札幌の5月~8月の降水量の合計は333mmですが、11月~2月の降水量は447mmですので、明らかに冬のほうが多いのです。

 

新潟と比較すると、たしかに降水量は少ないですが、なんだかパターンが似ていますね。

これは、札幌の位置を考えればわかります。

 

札幌は、実は日本海にとても近いのです。

北西の季節風の影響を受けていることが十分に推測されます。

単純に、「札幌は降水量が少なくて梅雨が無い」と覚えるのではなく、なぜそのような雨温図の特徴を示すのか、しっかりと考えましょう。

 

入試には(たぶん)出ない地域

もちろん断言はできませんが、入試にはたぶん出ないであろう地域の雨温図を紹介します。

あれ? 福岡は、ほぼ日本海側ですよね。それなのに、太平洋側の特徴を示しています。

熊本を見てみましょう。

6月と7月の降水量が突出しているほかは、降水量が多くはない太平洋側といった特徴となっています。

 

実は、九州の気候は複雑なのです。

そのため、入試で出題しづらい。

大阪も微妙です。

ここは瀬戸内気候と似ていますね。

 

もう一度整理します。

◆降水量が少ない・・・・北海道・中央高地・瀬戸内

◆夏に降水量が多い・・・太平洋側

◆冬に降水量が多い・・・日本海側

◆冬に温暖・・・沖縄

 

これだけです。

たったこれだけの知識で、中学入試の雨温図はクリアできるのです。

 

最後にクイズです。

それぞれどこかわかりますか?

左は典型的な太平洋側、右は日本海側ですね。

さらに、左の気温はなかなか温暖です。右は普通かな。

 

正解は、左が宮崎、右が金沢でした。