
夏休みに入りました。
今回は、今から社会科を何とかする「緊急避難的」方法について書くことにします。
今までのテキストは捨てよ!
手つかずだった問題集、ちゃんと開いていない参考書、未消化のプリント、そうした「後でやろう」と思ってとっておいたテキスト類がありますね。
それらは捨てましょう。
今までできなかったということは、今後もできないということとイコールです。
塾の先生方の多くが、「苦手分野を克服しよう」「今までのテキストをおさらいすることが大事です」と言いますね。
嘘ですから。
それができるのなら、とっくに社会科は得意教科になっているはずです。4年生のときに地図帳を使いこなさなかったから、基本的な地名がわからないのです。4年生から5年生にかけて集中していなかったから、産業の知識が無いのです。年代や人物名の暗記の努力をしてこなかったから、歴史が解けないのです。むずかしい公民の授業を理解できていなかったから、三権分立がよくわかっていないのです。
とりあえずゼロスタートですから、過去の教材は捨ててしまいましょう。
新規教材は買わない!
書店に行くと、「入試に出る社会科用語」「社会科知識完全マスター」「社会科総まとめ」といったような魅力的なタイトルの本がたくさん売られています。手にとってみると、その一冊で社会科の知識が網羅されているように見えます。これだけでも完璧に暗記できれば、もっと社会科で点がとれるのではないか。そう思いますね。
誤解です。
こうした本は、良く売れるのです。だから作られているのです。そもそも、そんな薄い本を丸暗記した程度では、社会科の知識を網羅したことにはなりません。しかも、用語を丸暗記したところで、そんなレベルの入試問題ばかりではありません。
例えば、参院選で消費税が争点の一つになっていますね。みなさんは、消費税が最初に導入された年代とその時の総理大臣を覚えていますか? そして5%になったとき、8%になったとき、10%になったときの年代と総理大臣はすぐに言えますか?
入試では、これくらいの知識は常識です。残念ながら、「社会科の知識のまとめ総完成」的な教材には、まったく載せられていない知識です。
入試問題を解こう!
今からやるべき社会科の勉強はたった1つです。
入試問題を解きましょう。
学校・年度等問いません。男子でも女子校の問題を解いていいのです。一問でも多くの問題に接することが重要なのです。
志望校の過去問にこだわらなくて結構です。なるべく多種多様な問題を解くことで、足腰の強い得点力を付けたいのです。
そして、何より大切なのが、「答え合わせ」です。〇×をつけるだけではありません。どうしてその答えで〇なのか、どうして×なのか、何の知識が必要だったのか、どう資料を読み解くべきだったのか。そこまでねちっこく答え合わせをしてほしいのです。
例えば、歴史人物として僧の名前が今までに何人も出てきました。行基・鑑真・玄昉・道鏡・空海・最澄・空也・源信・法然・親鸞・一遍・日蓮・栄西・道元・天海・蓮如・西行、まだまだいましたね。しかし、入試に出るのはこの中の限られた人物です。誰だかわかりますか?
入試問題を解いていると、同じ人物が何度も問われていることに気づきます。何度も解いているうちに、記憶は強化されますね。
つまり、入試問題を解きながらそこに出てきた知識をきちんと理解し覚えていくことで、重要な知識が強化されるのです。
この学習法では、開成中で満点をとることはできません。
半分以下の得点しかとれない状態から、7割とれる得点力にするための学習法だからです。
しかし、7割取れれば、多くの学校の合格点をクリアできます。
